土地家屋調査士になる費用は、講座代、試験の手数料、登録と入会の費用に分かれます。2026年10月8日に確認した公式料金では、2027年度試験向けの講座は30万〜49万円ほどです。測量士補を取って午前の部を免除するルートなら、受験手数料は2つの試験で合計11,150円です。合格後の登録と入会には、福岡県の例で20万円以上かかり、その後も月1万円台の会費が続きます。
収入については、賃金構造基本統計調査に土地家屋調査士だけの区分はありません。弁護士や司法書士と同じ「法務従事者」の年収換算は約981万円ですが、職業全体の平均です。開業した調査士の収入を示す公的統計はありません。以下で、試験ルート、講座、登録・開業の順に整理します。
午前の部は測量士補の合格で免除できる
土地家屋調査士試験は法務省が実施し、受験資格の制限はありません。筆記試験は午前の部と午後の部に分かれます。午前の部は測量や作図の知識と技能、午後の部は民法や登記の申請手続などを問います。筆記試験の合格者は、翌年1月に口述試験を受けます。
測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士となる資格を持つ人は、申請により午前の部が免除されます。受験案内書によると、測量士補の場合は登録済通知書のほか
試験合格証書でも資格を証明できます。測量士補として登録しなくても、合格していれば免除を受けられるということです。
測量士補試験は国土地理院が年1回実施し、だれでも受験できます。2026年(令和8年)の試験は5月17日に行われ、受験手数料は2,850円でした。受験者12,269人のうち5,447人が合格し、合格率は44.4%です。28問の択一式で、700点満点中450点以上で合格します。
大手の講座では、土地家屋調査士と測量士補を同じ年に並行して学ぶコースが用意されています。春に測量士補を受け、秋の調査士試験では午前の部を免除して受ける流れです。ただし、2027年の測量士補試験と2027年度の調査士試験の日程は、2026年10月8日時点で未公表です。
土地家屋調査士試験の手数料と合格率
受験手数料は土地家屋調査士法施行令で
8,300円と定められ、収入印紙で納めます。2026年度(令和8年度)の筆記試験は10月18日に行われる予定で、申請の受付は8月7日で締め切られました。筆記試験の結果発表は2027年1月6日、最終合格者の発表は2月15日の予定です。これから学習を始める人が受けるのは2027年度の試験で、受験案内はまだ公表されていません。
| 項目 |
測量士補試験 |
土地家屋調査士試験 |
| 実施機関 |
国土地理院 |
法務省 |
| 受験手数料 |
2,850円(2026年試験) |
8,300円(2026年度試験・施行令の額) |
| 直近の試験日 |
2026年5月17日(実施済み) |
2026年10月18日(申請受付は終了) |
| 直近の結果 |
受験者12,269人、合格者5,447人(合格率44.4%) |
2025年度:受験者4,824人、合格者489人 |
| 2027年の手数料・日程 |
2026年10月8日時点で未公表 |
2026年10月8日時点で未公表 |
2025年度(令和7年度)の試験では、受験者4,824人に対して最終合格者は489人でした。記事側で計算すると合格率は約10.1%です。合格者の平均年齢は39.20歳で、社会人になってから目指す人が多い試験だといえます。2026年度の出願者は6,076人で、前年度より4.4%増えました。
講座費用はコースの組み方で変わる
独学なら費用は教材と受験手数料で済みますが、作図や関数電卓の操作は独学では身につけにくい分野です。ここでは2027年度試験向けの講座を比べます。いずれも2026年10月8日に各校の公式ページで確認した税込の料金です。
| 講座(受講形態) |
受講料(税込) |
対象・備考 |
| LEC「土地家屋調査士&測量士補W合格コース」(通信) |
385,000円(通学は440,000円) |
午前の部の免除資格がない人向け。通信は一般教育訓練給付の指定講座と表示 |
| LEC「土地家屋調査士合格コース」(通信) |
319,000円(通学は374,000円) |
測量士補などの免除資格を持つ人向け。通信・通学とも一般教育訓練給付の指定講座と表示 |
| 東京法経学院「新・最短合格講座」総合コース(映像ダウンロード) |
一般学費304,500円 |
午後の部対策の講座。割引学費243,600円の表示もあり、条件は学校に確認 |
| 東京法経学院「測量士補 新・最短合格講座」総合コース(映像ダウンロード) |
67,300円 |
2026年10月31日までに調査士講座を申し込んだ、午前の部の免除資格がない人は、測量士補の基礎力総合編を無料で受講できるキャンペーンあり |
| アガルート「ダブル合格カリキュラム/フル」(通信) |
492,800円(入門カリキュラム/フルは437,800円) |
測量士補対策の講座が付属。12回分割は手数料無料と表示 |
午前の部の免除資格がない人は、測量士補の対策費も見込む必要があります。東京法経学院で調査士と測量士補の総合コースを両方申し込むと、一般学費の合計は37万1,800円です。LECのW合格コースは1コースで両方の試験を扱います。
一般教育訓練給付金は、修了後に教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給される制度です。LECのW合格コース(通信)が対象になれば、記事側の計算で給付は最大77,000円です。LECが付与するポイントなどは経費から差し引かれるため、実際の額はこれより少なくなることがあります。受け取るには講座の指定に加えて、本人の雇用保険の加入期間などの条件を満たす必要があります。LECの通信講座は、添削課題の80%以上の提出と確認テスト70%以上が修了要件です。受講前に教育訓練講座検索システムと学校の窓口で確認してください。給付率の高い制度の仕組みは
専門実践教育訓練給付金の解説記事にまとめています。
合格後の登録と入会にかかる費用
調査士として働くには、日本土地家屋調査士会連合会の名簿に登録を受ける必要があります。登録は事務所を置く地域の土地家屋調査士会を通じて申請し、同時にその会へ入会します。法律は調査士に事務所の設置を義務づけています。
| 項目 |
福岡県土地家屋調査士会 |
静岡県土地家屋調査士会 |
| 登録免許税(収入印紙) |
30,000円 |
30,000円 |
| 登録手数料 |
25,000円 |
25,000円 |
| 入会金 |
50,000円 |
50,000円 |
| 表札代 |
20,020円 |
別途(金額の記載なし) |
| 会館建設負担金 |
100,000円(登録後) |
記載なし |
| 会費 |
県会費月12,000円。支部会費は別途 |
月15,000円(令和8年4月以降) |
登録手数料の25,000円は連合会の会則で決まっており、東京土地家屋調査士会の手続要領でも同じ額です。福岡県の例で、表に金額がある項目を合計すると
225,020円になります。記事側の計算で、ここに支部会費と職印の作成費は含みません。
開業後は会費が毎月かかります。福岡県の県会費だけで年14万4,000円、静岡県の会費なら年18万円です。登録後は連合会の新人研修や会の研修も受講します。測量機器やCADの導入費用について、公的な目安は確認できませんでした。購入かリースかでも大きく変わるため、事務所での勤務経験がある人に相談すると見積もりを立てやすくなります。
法務従事者の賃金統計と開業後の収入
厚生労働省の職種早見表(令和4年版)では、土地家屋調査士は弁護士、弁理士、司法書士と同じ「法務従事者」に入ります。測量技術者の区分ではありません。令和7年調査(2025年6月分の賃金と2024年の賞与)では、月の現金給与額が62.88万円、年間賞与が226.55万円でした。年収に換算すると、62.88万円×12+226.55万円で約981.1万円です。
| 法務従事者(企業規模) |
きまって支給する現金給与額 |
年間賞与など |
年収換算 |
| 10人以上計 |
62.88万円 |
226.55万円 |
約981.1万円 |
| 1,000人以上 |
45.39万円 |
218.37万円 |
約763.1万円 |
| 100〜999人 |
51.33万円 |
131.37万円 |
約747.3万円 |
| 10〜99人 |
66.67万円 |
240.71万円 |
約1,040.8万円 |
この値は短時間労働者を除く一般労働者の平均で、弁護士などを含みます。推計の労働者数は約7,230人と少なく、年によって振れやすい区分です。平均年齢は46.5歳です。地域や年齢、雇用形態でも差があり、調査士の収入を表すものではありません。
開業後の調査士の収入を示す公的統計はありません。日本土地家屋調査士会連合会は3年に1度、会員に報酬を調査しています。2025年度は9〜10月にWEBで行い、調査士15,225名と法人584か所に送った調査票のうち有効回収は2,588件でした。この結果では、新築住宅の建物表題登記の平均報酬は
91,740円、土地分筆登記は482,028円でした(いずれも税抜・実費別)。これは依頼1件の報酬で、所得ではありません。受注件数や補助者の人件費、機器の費用によって手元に残る額は大きく変わります。
費用の準備は給付金と分割払いを先に確認
まず講座が給付金の対象か、勤務先に資格取得の補助があるかを確かめます。測量会社や建設会社に勤めていれば、受講料を補助する制度があるかもしれません。アガルートのように分割手数料を無料とする学校もあります。それでも足りない分だけ、ローンを比べるのが順序です。
日本政策金融公庫の国の教育ローンは、金利が年4.05%(固定金利・保証料別、令和8年7月1日現在)です。ひとり親家庭や世帯年収200万円以内の方などは0.4%低くなります。対象は修業年限3か月以上の学校で、学校教育法によらない学校は対象にならない場合があります。資格スクールの講座が対象になるかは、申込み前に公庫に確認してください。
公庫のよくある質問では、安定した収入があり独立して生計を立てる社会人は本人が申し込めます。制度の詳細は
国の教育ローンの解説記事をご覧ください。金利は見直されることがあり、審査もあります。登録後の会費や開業資金は教育資金とは別に考え、手元資金で何か月分払えるかを先に確かめておくと安心です。
銀行や信用金庫の教育ローンをまとめて比べたい場合は、
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