社会人が未経験から二級自動車整備士を目指す場合、費用の大半は国の指定を受けた2年制の養成施設の学費です。2026年10月8日に公式ページで確認した例では、専門学校の学費は2年間で226万〜264万円でした。整備工場で働きながら振興会の講習に通う方法なら、講習の受講料は約10万〜20万円で済みます。
収入の目安は、賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」で年収換算約504万円です。ただし整備士資格の有無を問わない職業全体の平均です。2027年1月1日には資格の種類が再編されるので、これから学ぶ人は新しい制度で受験することになります。
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国土交通省は2022年5月25日に自動車整備士技能検定規則を改正しました。エンジンの種類で分けていた資格を、電子制御の内容を含む資格にまとめる内容です。施行日は令和9年1月1日で、e-Gov法令検索でもこの日付の改正版が未施行として登録されています。
| 区分 | 2026年10月8日時点の種類 | 2027年1月1日以降の種類 |
|---|---|---|
| 一級 | 一級大型・一級小型・一級二輪 | 一級自動車整備士(総合)・(二輪) |
| 二級 | 二級ガソリン・二級ジーゼル・二級自動車シャシ・二級二輪 | 二級自動車整備士(総合)・(二輪) |
| 三級 | 三級シャシ・三級ガソリン・エンジン・三級ジーゼル・エンジン・三級二輪 | 三級自動車整備士(総合)・(二輪) |
| 特殊 | タイヤ・電気装置・車体 | タイヤ・電気・電子制御装置・車体・電子制御装置 |
附則の経過措置では、旧制度の受験資格がある人は2028年3月31日まで従来の試験を受けられます。一級は2029年3月31日までです。すでに二級ガソリンなどに合格している人は、一部の規定を除き二級(総合)に合格した人とみなされます。
実務経験の年数は、2025年7月8日施行の別の改正ですでに短縮されています。現行規則では、三級の受験に整備の実務経験6か月以上が必要です。二級は三級に合格してから2年以上の実務経験が必要になります。
実務経験がない人は、国土交通大臣が指定した一種養成施設に入るのが一般的です。二級課程は2年以上で1,800時間の教育を受け、修了すれば実務経験なしで二級を受験できます。修了から2年間は実技試験が免除されます。
整備工場で働きながら取る場合は、実務6か月で三級を受け、さらに2年の実務を積みます。その間に各都道府県の自動車整備振興会が運営する二種養成施設の講習を受ければ、二級の実技試験が免除されます。学科試験は、日本自動車整備振興会連合会の登録試験に合格すれば国の学科試験が2年間免除されます。学科と実技の両方が免除になったら、国に全部免除の申請をして資格を得ます。
専門学校2校と公共職業訓練校1校の公式資料を比べます。金額は2026年10月8日に確認したもので、合計は記事側で計算しました。
| 項目 | 日本自動車大学校(NATS)自動車整備科(昼間2年) | 東京工科自動車大学校 世田谷校 自動車整備科(夜間2年) | 東京都立城東職業能力開発センター江戸川校 自動車整備工学科(2年) |
|---|---|---|---|
| 対象年度 | 2027年4月入学生 | 学費表に年度の明記なし(2027年度生の募集中に掲載) | 入校案内に年度の明記なし |
| 入学金など | 300,000円 | 270,000円 | 入校選考料1,700円 |
| 授業料(2年分) | 980,000円 | 1,140,000円 | 237,600円(年118,800円) |
| 実習費(2年分) | 実験実習費540,000円 | 実験実習費658,000円 | なし |
| 施設費など(2年分) | 教育施設費440,000円 | 施設費386,000円・維持費186,000円 | なし |
| 学費の合計 | 2,260,000円 | 2,640,000円 | 239,300円 |
| 教材費など別途 | 教科書・実習服・受験料など1年次255,000円、2年次295,000円(卒業時に精算) | 学生活動費・保険料等預り金計109,600円、教科書・教材21,200円(2026年度生の例) | 教科書代約32,000円(2年分)、作業服代等約29,000円 |
夜間課程は平日の昼に働きながら通える点が社会人向きです。東京工科自動車大学校は、正式な教材費などを入学手続案内で知らせるとしています。2027年度の確定額は出願前に学校で確認してください。
都立の江戸川校は学費が最も安い一方、応募資格は高校卒業以上で概ね30歳以下です。案内では原則35歳以下と説明しています。年齢が合えば、学校より大幅に費用を抑えられます。
二級の学科と実技は、登録試験で受けるのが一般的です。国土交通省の2026年度の技能検定は二級自動車シャシ整備士だけが対象です。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録試験 学科 | 7,200円(一級は9,300円) | 日本自動車整備振興会連合会 |
| 登録試験 実技 | 14,000円 | 養成施設の修了者は免除 |
| 国への申請(全部免除) | 2,450円 | 試験を受ける場合は1件7,200円 |
| 二級(総合)の技術講習 | 振興会会員104,000円、会員外197,000円 | 東京都自動車整備振興会の2026年度第2期。132時間。テキスト代・保険料・税込 |
一種養成施設の修了者なら、登録試験の学科と国への申請で計9,650円です。2026年度第1回の学科試験は10月4日に終わりました。次は2027年3月14日の第2回で、受付は2026年12月14日から18日です。この回から二級自動車(総合)の学科試験が始まり、旧制度の種目も並行して行われます。2027年度の日程と手数料は、2026年10月8日時点で公表されていません。
東京都自動車整備振興会の講習は、2026年度第2期から新制度の内容に切り替わりました。新制度の講習を修了した人は、旧制度の学科合格と組み合わせて全部免除の申請をすることはできません。旧制度の二級ガソリンの講習は教育訓練給付の対象でしたが、今期の二級(総合)は対象外と案内されています。
2025年度の登録試験では、二級ガソリンの学科の合格率が10月の回で61.9%、3月の回で92.0%でした。受験者の構成が回ごとに違うため、難しさを単純に比べられない点に注意してください。
道路運送車両法施行規則は、特定整備を行う事業場ごとに整備主任者を置くよう定めています。分解整備を行う事業場では、整備主任者は一級か二級の合格者でなければなりません。電子制御装置整備も行う事業場では、運輸支局長などの講習を修了していることも必要です。認証を受ける事業場には、特定整備に従事する従業員が2人以上必要です。二級は、整備工場の中核を担う資格だといえます。
厚生労働省の職種早見表(令和4年版)では、自動車整備工は「自動車整備・修理従事者」に分類されます。令和7年調査(2025年6月分の賃金と2024年の賞与)の一般労働者の値を年収に換算しました。計算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」です。
| 企業規模 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与など | 年収換算 |
|---|---|---|---|
| 10人以上計 | 33.95万円 | 96.40万円 | 約503.8万円 |
| 1,000人以上 | 36.18万円 | 120.58万円 | 約554.7万円 |
| 100〜999人 | 33.48万円 | 96.68万円 | 約498.4万円 |
| 10〜99人 | 32.38万円 | 70.84万円 | 約459.4万円 |
10人以上計では33.95万円×12+96.40万円で約503.8万円です。平均年齢は40.6歳、勤続年数は13.7年で、推計の労働者数は約21万人です。短時間労働者を除く一般労働者の値で、整備士資格がない人も含みます。
企業規模による差は約95万円で、月給と賞与の両方の差から生じています。年齢や勤続年数、地域、雇用形態によっても収入は変わります。資格手当の額は会社ごとに異なり、公的な統計はありません。
最初に確認したいのは専門実践教育訓練給付金です。東京工科自動車大学校の夜間課程は指定講座で、指定期間は2028年3月31日までと学校が案内しています。厚生労働省の説明では、受講中は教育訓練経費の50%が支給され、年間の上限は40万円です。資格を取って就職すると70%、賃金が5%以上上がると80%まで上乗せされます。受給には本人の雇用保険の加入期間などの条件があります。仕組みは専門実践教育訓練給付金の解説記事にまとめています。NATSなど他校が対象かは、教育訓練講座検索システムと学校で確認してください。
学校独自の支払い方法も確かめます。NATSは前期と後期の2回払いが原則で、事前に申請すれば毎月払える分割納入制度があります。整備工場に勤めている人は、勤務先に講習費や学費の補助がないかも聞いてみましょう。
それでも足りない分は、日本政策金融公庫の国の教育ローンが候補です。金利は年4.05%(固定金利・保証料別、令和8年7月1日現在)で、ひとり親家庭や世帯年収200万円以内の方などは0.4%低くなります。融資額は1人350万円以内で、対象は今後1年間に必要な費用です。専修学校は対象校に含まれますが、学校教育法によらない学校は対象にならない場合があります。都立の職業訓練校や振興会の講習が対象になるかは、公庫に確認してください。
公庫のよくある質問では、安定した収入があり独立して生計を営む社会人は本人が申し込めます。ただし学業に専念して収入が大きく減る場合は、親族が申込人になるよう求めています。昼間の学校に通うために退職するなら、この点に注意が必要です。
仮に100万円を年4.05%、10年の元利均等で借りると、毎月の返済は約1万148円、総額は約121.8万円です。保証料や手数料を含まない試算です。学校提携の学費クレジットや銀行の教育ローンは、金利と手数料の合計で比べます。借入は給付金と分納で埋まらない額にとどめると、卒業後の負担を抑えられます。詳しくは国の教育ローンの解説記事をご覧ください。金利は見直されることがあり、審査もあります。
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