日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金は、申し込むときに、機関保証に加入するか、連帯保証人と保証人を立てる人的保証にするかを選びます。機関保証は、毎月の奨学金から保証料が引かれる代わりに、連帯保証人と保証人が要りません。人的保証は、保証料はかからない代わりに、保証人になる人が、返還の責任を負います。
どちらを選んでも、返還する義務は、奨学金を借りた本人にあります。JASSOは、保証料を払っていても、返還しなくてよいわけではないと説明しています。JASSOは採用後の機関保証から人的保証への変更はできないとしています。予約採用の申込内容は進学時の手続きで変更できると案内されていますが、どの時点まで選び直せるかは、JASSOの案内と学校の窓口で確かめてください。選ぶ前に、保証料の額と、保証人になる家族への影響も確認が必要です。
この記事では、JASSOの公式資料にもとづいて、2つの保証制度の違い、保証料の目安、連帯保証人・保証人の条件と責任を比べます。2027年度(令和9年度)に採用される人の保証料は、2027年4月に決定する予定で、2026年10月11日時点では未確定です。
目次
機関保証は、公益財団法人日本国際教育支援協会が保証する制度です。連帯保証人と保証人は要りませんが、本人以外の連絡先の指定が必要です。保証料の月額は、貸与月額、貸与期間、返還期間などをもとに算出され、毎月の奨学金から保証料月額が差し引かれて、奨学生の口座に振り込まれます。保証料を払うのは、貸与期間中だけです。
人的保証は、一定の条件に合う連帯保証人(原則として父母かこれに代わる人)と保証人(原則として4親等以内の親族で、本人と連帯保証人とは別の生計の人)が保証する制度です。保証料はかかりません。選べる制度は、原則として、機関保証と人的保証のどちらでもよく、第二種奨学金の選び方も、第一種奨学金と同じです。ただし、第一種奨学金で所得連動返還方式を申し込む場合は、機関保証だけです。
| 項目 | 機関保証 | 人的保証 |
|---|---|---|
| 保証人 | 不要(本人以外の連絡先は必要) | 連帯保証人と保証人が必要 |
| 保証料 | 貸与期間中、毎月の奨学金から差引 | なし |
| 返還の責任 | 本人。延滞すると保証機関が代位弁済し、本人に一括請求 | 本人と、連帯保証人(全額)・保証人(原則2分の1) |
| 書類 | 保証機関への加入の手続き | 連帯保証人の印鑑登録証明書と収入に関する証明書、保証人の印鑑登録証明書 |
| 変更 | 採用後に人的保証へは変更できない | 保証できなくなったなどの場合に機関保証へ変更可(保証料をまとめて支払う) |
| 所得連動返還方式(第一種) | 選べる | 選べない |
表のとおり、人的保証から機関保証には、連帯保証人や保証人が死亡するなど、やむを得ない理由で保証できなくなった場合や、所得連動返還方式へ変更する場合に限り変えられます。このときは、必要な保証料をまとめて支払います。変更に制限があるため、最初の選択が大切です。保証料を払っていても、返還を怠ると、保証機関が代位弁済をして、本人に一括で請求します。代位弁済した額の返済が遅れると、年10%の遅延損害金がかかり、個人信用情報機関への登録もあると、JASSOは案内しています。
JASSOの2026年度採用者向けの保証料月額の例(第一種奨学金・大学)を使って、手取りの減り方を試算します。貸与月額64,000円(私立・自宅外)、48か月なら、保証料月額は2,666円で、手取りは月61,334円です。48か月の保証料の合計は127,968円で、貸与総額3,072,000円の約4.2%になります。
| 貸与月額(第一種・大学・48か月) | 保証料月額 | 手取り(月) | 保証料の合計(48か月) | 貸与総額に対する割合 |
|---|---|---|---|---|
| 64,000円(私立・自宅外) | 2,666円 | 61,334円 | 127,968円 | 約4.2% |
| 40,000円(私立・自宅) | 1,262円 | 38,738円 | 60,576円 | 約3.2% |
| 20,000円 | 500円 | 19,500円 | 24,000円 | 約2.5% |
貸与月額が大きいほど、保証料の割合も上がります。この保証料は、JASSOが、貸与月額や返還期間で算出するもので、2027年度採用者の額は、2027年4月に決まる予定です。第二種奨学金は、保証料が貸与利率などによって異なるとJASSOのリーフレットに書かれているため、第二種の月額の例は載せていません。JASSOの案内で確かめてください。保証料の一部は、全額繰上返還や、一部繰上返還で返還期間が短くなった場合、返還免除が適用される場合に、返戻されます。
第二種奨学金は有利子で、令和8年度の貸与利率は、基本月額で、貸与を終了した月が令和8年9月なら、利率固定方式が年3.000%、利率見直し方式が年2.400%です。基本月額の利率の上限は、固定・見直しとも年3.0%です。令和8年10月以降に貸与を終える人の利率は、その時点で決まります。2027年度に採用される人の利率も、貸与が終わるときに決まるため、現時点では未確定です。
連帯保証人の条件は、JASSOのページで次のように決まっています。奨学生が未成年なら親権者(いなければ未成年後見人)、成年ならその父母で、いない場合などは4親等以内の親族です。未成年者や学生ではなく、奨学生の配偶者(婚約者を含む)でもなく、債務整理中(破産等)でもないことが必要です。貸与が終わるとき、奨学生が45歳を超える場合は、その時点で60歳未満であることも求められます。
保証人は、奨学生や連帯保証人と別の生計で、奨学生の父母を除く、4親等以内の親族(おじ、おば、兄弟姉妹など)です。責任の範囲は、連帯保証人が返還未済額の全額、保証人は、連帯保証人1名、保証人1名の場合で、返還未済額の2分の1です。JASSOは、令和4年5月19日の札幌高裁判決を踏まえて、保証人には2分の1を請求するとしています。返還未済額が100万円のとき、連帯保証人に100万円、保証人に50万円が請求される計算です。人的保証は、保証料がかからない代わりに、返還が滞ると、家族や親族が返還未済額の支払いを求められることを理解して選んでください。
採用が決まった後に、連帯保証人の印鑑登録証明書と収入に関する証明書、保証人の印鑑登録証明書を出し、返還誓約書には、自署と実印の押印が必要です。保証人を頼める親族が限られている場合や、保証人に負担をかけたくない場合は、機関保証が現実的な選択になります。
予約採用は、在学している高校などを通じて申し込みます。スカラネットでの入力とマイナンバーの提出は、学校が定める期限までで、その後、「奨学金確認書兼地方税同意書」と身元確認書類を、機構へ簡易書留で郵送します。全国一律の期限日は、JASSOのページに記載がなく、学校が定めます。保証制度は、申込時に選び、進学時に、貸与月額、返還方式、保証制度、利率の算定方法の変更ができると案内されています。令和9年度の予約採用の紙の選考結果通知は、11月中旬以降に順次届く予定です。
| 状況 | 向きやすい選択 | 確認すること |
|---|---|---|
| 父母が連帯保証人になれる | 保証料を抑えたいなら人的保証 | 連帯保証人・保証人の責任の範囲、保証人を頼める親族がいるか |
| 保証人を頼める親族がいない | 機関保証 | 保証料月額と手取り、2027年4月の決定額 |
| 所得連動返還方式を使いたい(第一種) | 機関保証 | 所得連動返還方式は機関保証のみ |
| 将来、親族に迷惑をかけたくない | 機関保証 | 返還の義務は本人にあること |
| 入学時の資金が足りない | 奨学金とは別に、教育ローンなどを検討 | 入学金の納付日と、奨学金の入金時期 |
予約採用に不採用だった場合の入学金の準備は、奨学金の予約採用で不採用だった場合の入学金の記事で確認できます。
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調査日:2026年10月11日。2027年度(令和9年度)採用者の保証料は2027年4月に決定予定で、第二種の貸与利率は貸与終了時に決まるため、いずれも2026年10月11日時点で未確定です。予約採用の申込期限は学校が定めます。
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