2026年4月から、国の高等学校等就学支援金は所得制限がなくなりました。私立高校の全日制では、支給上限が年45万7,200円に上がっています。
ただし、支援金は授業料だけに充てる制度です。入学金や施設設備費、教材費、修学旅行費は別に用意する必要があります。
全国共通の国制度について、学校種別の上限額と授業料以外に残る費用を整理します。2027年春に入学する家庭が、納付前に確認したい点も取り上げます。内容は2026年10月8日時点の文部科学省の公表資料に基づきます。
目次
改正法は2026年3月31日に成立し、4月1日に施行されました。1つ目の変更は所得制限の撤廃です。従来は世帯年収の目安が約910万円以上だと支給対象外でしたが、新制度では年収による線引きがありません。
2つ目は私立高校の上限額の引き上げです。2025年度までは年収約590万円未満の世帯で年39万6,000円が上限でした。2026年度からは年収にかかわらず年45万7,200円が上限です。
3つ目は対象者の要件です。日本国内に住所があり、日本国籍か所定の在留資格を持つ生徒が対象になりました。新制度の対象外となる生徒にも、所得に応じた別の支援や経過措置が設けられています。
上限額は学校の設置者と課程で異なります。文部科学省の資料に掲載された主な金額は次のとおりです。
| 学校種・課程 | 月額上限 | 年額上限 |
|---|---|---|
| 公立高校 全日制 | 9,900円 | 118,800円 |
| 国立高校 | 9,600円 | 115,200円 |
| 公立高校 定時制 | 2,700円 | 32,400円 |
| 公立高校 通信制 | 520円 | 6,240円 |
| 私立高校 全日制・定時制 | 38,100円 | 457,200円 |
| 私立高校 通信制 | 28,100円 | 337,200円 |
| 高専1〜3年 国公立 | 19,550円 | 234,600円 |
| 高専1〜3年 私立 | 38,100円 | 457,200円 |
年額は月額の12か月分です。たとえば38,100円の12か月分が457,200円になります。単位ごとに授業料を決める学校では、1単位あたりの上限で計算します。私立の全日制では1単位18,528円、通信制では13,668円が上限で、年間30単位、通算74単位までです。
実際の授業料が上限額より低い場合、支給額は授業料と同じ額になります。上限額をそのまま受け取れるわけではない点に注意してください。
対象校は高校の全日制・定時制・通信制、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部などです。高専は1〜3年生、専修学校は高等課程などが対象に入ります。
支給期間は全日制で原則36か月、定時制と通信制で原則48か月です。高校を卒業した人や、専攻科・別科の生徒は対象外です。
通信制高校と一緒にサポート校へ通う場合、サポート校の学費は支援金の対象になりません。通信制高校の授業料部分だけが対象です。
支援金は家庭の口座には振り込まれません。学校の設置者が生徒に代わって受け取り、授業料と相殺します。授業料が支援額を上回る場合、差額は保護者が払います。
支給が決まるまで、授業料をいったん全額徴収する学校もあります。この場合、支援金に当たる額は後日還付されます。還付時期は学校ごとに違うため、入学手続きの段階で確認しておくと資金計画を立てやすくなります。
支給は原則として申請した月から始まります。2026年度の新入生向けの提出期限は4月で、すでに過ぎています。今から申請する場合は申請月からの支給となり、4月分にさかのぼれない可能性があります。未申請の場合は、学校か都道府県にすぐ相談してください。
申請はオンラインシステムのe-Shienでも行えます。2026年4月にはシステムが一時停止しました。文部科学省は、5月以降の申請でも4月分から受給できるよう柔軟に扱うと案内しています。
私立高校で家計の負担として残りやすいのは、入学金と施設設備費、それに学年ごとの諸費用です。教科書代や制服代、タブレット端末、修学旅行の積立金も支援金の対象外です。
授業料以外の費用を支える国の制度に、高校生等奨学給付金があります。こちらは返還不要ですが、対象は低・中所得世帯に限られます。申請先も就学支援金とは別で、保護者が住む都道府県か学校です。
都道府県によっては、入学金や施設費まで独自に補助しています。条件は地域ごとに大きく異なるため、住んでいる都道府県と学校がある都道府県の両方の制度を確認してください。
以下は仮定の数字です。私立全日制で授業料が年48万円、施設設備費が年20万円、入学金が25万円の学校とします。
授業料48万円から支援金45万7,200円を引くと、残りは2万2,800円です。施設設備費20万円と入学金25万円は支援金の対象外です。1年目の自己負担は合計47万2,800円になります。都道府県の上乗せがあれば、この額はさらに下がります。
2026年9月に公表された2027年度の概算要求では、就学支援金の継続に必要な予算が要求されています。ただし、予算は国会審議を経て決まります。2027年度の詳細や、各都道府県の上乗せ額はまだ発表されていません。
改正法には、施行後3年以内に制度を検証して見直す方針も盛り込まれています。今の時点では、2026年度と同じ仕組みが続くという前提で準備し、年明け以降の公表資料で確認する進め方が現実的です。
入学前に必要な現金は、併願校の受験料、入学金、制服や教材の購入費です。4月の授業料が全額徴収される学校なら、その分も一時的に立て替えることになります。志望校の入学手続き案内で、納付期限と還付時期を先に確かめておきましょう。
国の支援額だけで自己負担を決めず、住んでいる地域の制度も確認してください。私立高校では、授業料の上乗せや入学金・施設費への補助が府県ごとに異なります。
最初に確認したいのは、返済不要の支援金と給付金、都道府県の上乗せです。次に、学校独自の授業料減免や納付期限の延長がないかを事務室に尋ねてください。経済的に困難な家庭向けに、授業料の徴収猶予を設けている学校もあります。
それでも入学金などの一時金が足りないときは、借入れを検討します。日本政策金融公庫の国の教育ローンは高校の入学資金にも使えます。金利は2026年10月8日に確認した時点で年4.05%の固定金利です。これは2026年7月1日時点の値で、金融情勢により変わる可能性があります。
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