元利均等返済は毎月の返済額が一定の方式、元金均等返済は毎月返す元金が一定で、利息の分だけ返済額が少しずつ減っていく方式です。同じ金額・金利・期間なら、総返済額は元金均等のほうが少なく、最初の月の負担は元金均等のほうが重くなります。
ただし、マイカーローンや教育ローンなどの個人ローンは、元利均等しか選べない商品が多数です。国の教育ローンは「元利均等返済のみ」と明記しています。元金均等を選べるのは、今回確認した範囲では一部の信用金庫のフリーローンやマイカーローンでした。借入200万円・5年の試算では、両者の総返済額の差は約4,500円にとどまります。個人ローンでは、返済方式の違いより、期間と繰上返済の使い方のほうが総額を大きく左右します。
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住宅金融支援機構は、元利均等返済を「毎月お支払いいただく返済額が一定となる返済方法」、元金均等返済を「返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法」と説明しています。利息は、その時点の借入残高に月利を掛けて計算します。違いは、毎月の返済額の中での元金と利息の配分です。
元利均等では、返済額が一定のまま、初めのうちは利息の割合が大きく、元金はゆっくり減ります。借入200万円・年3.30%・60回の例では、初回の返済額36,205円のうち利息が5,500円、元金が30,705円です。元金均等では、毎月の元金が200万円÷60回=約33,333円に固定され、そこに利息が上乗せされます。初回は33,333円+5,500円で38,833円です。元金均等のほうが元金が早く減るため、利息の合計が少なくなります。
全国銀行協会は、元利均等の短所を「元金均等返済に比べて、返済金の総額が多くなります」とし、元金均等の短所に「返済開始からしばらくの間は毎回の返済額が多く」なることと、「金融機関によっては取り扱っていない場合もあります」を挙げています。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の講義資料は、元金均等は当初の返済額が大きいため、借りられる上限額が低くなると説明しています。審査で見る返済負担は、最初の月の額で計算されやすいということです。
住宅ローンでは、フラット35のように両方から選べる商品が一般的です。個人ローンでは事情が違います。公的機関、銀行、JA、信用金庫の商品説明書を見ると、次のように分かれました。
| 商品(資料の基準日) | 返済方式 | ボーナス併用 | 繰上返済の手数料 |
|---|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 国の教育ローン(令和8年7月1日現在の金利表示) | 元利均等返済のみ | 可(融資額の2分の1まで) | かからない(振込手数料は自己負担) |
| 三菱UFJ銀行 ネットDEマイカーローン(2025年10月1日現在) | 元利均等 | 可(借入額の50%以内) | ネット無料、店頭5,500円 |
| 横浜銀行 マイカーローン(2026年10月9日現在適用中) | 元利均等 | 可(借入額の50%か25%を選択) | 一部5,500円、全額11,000円(アプリ・ネットは無料) |
| ドコモSMTBネット銀行 教育ローン(2026年8月3日現在) | 元利均等 | 不可(毎月返済のみ) | 無料(借入時に融資額の2%+消費税の取扱手数料) |
| JA晴れの国岡山 マイカーローン(2026年4月1日現在) | 元利均等 | 可(借入額の50%以内) | 償還額により5,500〜22,000円(JAネットバンクの一部繰上は無料) |
| 氷見伏木信用金庫 マイカーローン(令和7年4月1日現在) | 元金均等・元利均等 | 可(融資額の50%以内) | 一部5,500円、全額11,000円(残高100万円未満は無料) |
| 館山信用金庫 たてしんフリーローン(令和6年12月2日現在) | 元利均等か元金均等を選択 | 可(融資金額の50%以内) | 商品説明書で確認 |
| 湖東信用金庫 フリーローン プレミアム(令和7年4月1日現在) | 元利均等毎月返済(元金均等返済は不可と明記) | 可(融資金額の50%以内) | 1件1,100円 |
銀行、JA、公庫の目的ローンは、確認した範囲ではすべて元利均等でした。元金均等を選べたのは、氷見伏木信用金庫のマイカーローンと、館山、釧路、室蘭、仙南、東春の各信用金庫のフリーローンでした。同じ信用金庫でも、湖東信用金庫のフリーローン プレミアムは、元金均等は不可と明記しています。選べるかどうかは業態ではなく、商品ごとの説明書で決まります。
消費者金融のカードローンは、そもそもこの2つから選ぶ仕組みではありません。アコムは定率リボルビング方式、アイフルは借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式で、借入残高に応じて毎月の返済額が決まります。借りたり返したりを繰り返す前提の商品なので、分割返済型の目的ローンとは別のものとして比べる必要があります。
横浜銀行のマイカーローンの店頭表示金利は、2026年8月3日の見直し後で年3.30%です。この金利で200万円を60回で返す場合を比べます。元利均等の月額は「元金×月利÷(1-(1+月利)のマイナス回数乗)」、元金均等の各回の額は「元金÷回数+その月の残高×月利」で計算しました。月利は年利÷12で、端数の調整はしていません。この商品は実際には元利均等のみで、元金均等の数字は「仮に選べた場合」の比較です。
| ケース | 元利均等 | 元金均等(仮に選べた場合) | 差 |
|---|---|---|---|
| 200万円・年3.30%・60回 | 毎月36,205円、利息172,278円 | 初回38,833円→最終33,425円、利息167,750円 | 総額4,528円、初回2,629円 |
| 100万円・年4.05%・120回 | 毎月10,148円、利息217,795円 | 初回11,708円→最終8,361円、利息204,187円 | 総額13,608円、初回1,560円 |
| (参考)2,000万円・年1.5%・360回 | 毎月69,024円、利息4,848,655円 | 初回80,556円→最終55,625円、利息4,512,500円 | 総額336,155円 |
2段目は、国の教育ローンの金利(令和8年7月1日現在、年4.05%・固定・保証料別)で100万円を10年で返す例です。国の教育ローンも元利均等のみなので、元金均等の列は比較のための仮定です。参考の住宅ローンの例は、フラット35の比較例と同じ条件で、機構が示す元利均等の月額69,024円と一致しました。機構の示す総額の差は336,058円で、端数処理の違いで少しずれます。
3つを並べると、差が大きくなるのは借入額が大きく期間が長いときだと分かります。住宅ローンでは30万円を超えていた差が、200万円・5年では4,500円ほどに縮みました。年ごとに見ると、200万円の例の1年目の利息は元利均等で60,376円、元金均等で59,950円で、差は426円です。最終の5年目でも7,667円と7,150円で、差は500円ほどです。
元金均等の初回額38,833円を払える家計なら、元利均等の商品でも同じ効果を出せます。同じ200万円・年3.30%の元利均等で、毎月38,833円ずつ返すと56回で完済し、利息の合計は159,584円です。元金均等の167,750円より少なくなります。返済額を最後まで高い水準に保つためで、期間を短く設定するか、途中で繰上返済をすれば、元金均等以上に利息を減らせることになります。
繰上返済の方式も確認してください。三菱UFJ銀行は、教育ローンやマイカーローンなどで、毎月の返済額を変えずに最終期限を短くする「期限繰上方式」と、期限を変えずに毎月の返済額を減らす「再計算方式」を案内しています。全国銀行協会は、利息を減らす効果は期間短縮型のほうが大きいと説明しています。手数料は、国の教育ローンやドコモSMTBネット銀行の教育ローンのように無料の商品もあれば、窓口で5,500円から22,000円かかる商品もあります。少額の繰上返済を何度も行うと、手数料が利息の軽減額を上回ることがあります。
反対に、最初の負担を軽くしたい場合は、元利均等のほうが向いています。教育ローンの在学中の元金据置や、マイカーローンの据置タイプを使えば、さらに当初の返済額を抑えられます。ただし、据置期間中は利息だけを払うので元金が減らず、総額は増えます。三菱UFJ銀行の教育ローンは、据置期間中は一部繰上返済ができないとしています。
変動金利の商品では、元利均等でも返済額がずっと同じとは限りません。横浜銀行のマイカーローンは、金利の見直しのたびに返済元利金を再計算すると書いています。金利が上がる局面では、元利均等を選んでいても月額が増える可能性があります。金利の変化と返済額の関係は、金利でマイカーローンの返済額がどう変わるかの記事で確認できます。
返済方式の条件は、商品説明書の「ご返済方法」の欄に書かれています。比べるときは、次の項目をそろえてください。
返済方式を選べない商品同士を比べるときは、金利と期間、繰上返済の手数料を同じ条件にそろえて総額を出すと違いが見えます。保証料や取扱手数料が別にかかる商品は、その額も総額に含めて比べてください。
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調査日:2026年10月11日。金利は見直しで変わります。試算は表示した金利と期間を前提にした概算で、保証料や手数料を含みません。
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