私立高校に通うと、授業料のほかにも教材費や学用品費がかかります。こうした「授業料以外の教育費」を支える東京都の制度が、私立高等学校等奨学給付金です。この記事では、2026年度の内容と、2027年4月に入学する家庭が準備したい点を説明します。
最初にお伝えしたい点があります。2026年度の通常申請は7月に行われ、すでに受付が終了しています(2026年10月7日確認)。これから間に合うのは、特別申請と、2027年度に向けた準備です。
目次
私立高校の費用に関する公的な制度は、いくつかに分かれます。授業料に対しては、国の就学支援金と、東京都の授業料軽減助成金があります。授業料以外の教育費に対しては、この奨学給付金があります。
名前が似ているため、混同しやすい点に注意してください。授業料軽減助成金は、授業料の負担を軽くする助成です。奨学給付金は、教材費や学用品費などを助ける給付です。対象になる費用も、所得の条件も、別々に決まります。
また、給付と貸付も別の仕組みです。給付は、条件に合えば受け取るお金です。一方、都の私学財団には、育英資金や入学支度金といった貸付も案内されています。貸付は返済が必要なので、給付と並べて「もらえるお金」として考えないでください。
申請するのは保護者です。保護者が2026年7月1日現在、東京都内に住所を持っていることが要件です。そして、お子さんが対象の私立高校等に在学している必要があります。全日制・定時制・通信制などが対象に含まれます。
所得の要件は、住民税の所得割額で区分されます。区分は、生活保護の受給世帯、住民税が非課税か所得割額が0円の世帯、所得割額が10万5,500円未満の世帯、10万5,500円以上18万2,500円未満の世帯などです。多子世帯には、26万4,500円未満という区分もあります。
給付の年額は、区分で異なります。全日制等の場合、生活保護の生業扶助を受けている世帯は52,600円、それ以外の生活保護世帯は152,000円です。所得割が10万5,500円以上18万2,500円未満の世帯は38,000円です(2026年10月7日確認)。
非課税の世帯や、所得割が10万5,500円未満の世帯の額は、公式の表で確認してください。表の区分が細かく、読み間違えやすいためです。金額は、必ず私学財団の最新の表で確かめるようにしましょう。
授業料の助成と同時に申請する場合は、所得の要件があります。このとき、課税証明書の提出が必要になります。授業料の助成だけを申請するなら、所得の要件はありません。同時申請を考えるなら、証明書の準備が必要です。
| 項目 | 2026年度の内容(2026年10月7日確認) |
|---|---|
| 通常申請 | 7月に受付(受付終了) |
| 特別申請 | 2027年1月上旬に受付予定 |
| 給付の振込 | 12月・翌年3月のいずれか |
| 住所の基準日 | 2026年7月1日現在、保護者が都内に住所 |
特別申請は、やむを得ない事情で通常の期間に申請できなかった方向けです。2027年1月上旬に受付を行う予定と案内されています。通常の期間に申請できた人が使う枠ではない点に、注意が必要です。
振込の時期は、12月か翌年3月のいずれかです。審査の状況によって異なり、自分で選ぶことはできません。つまり、教材費などを4月に払う場合、給付が入るのは8か月から11か月後になります。
もう一つ、住所の扱いに注意します。都外に住んでいる家庭は、都の給付ではなく、住所地の道府県から給付される仕組みです。都内の私立高校に通っていても、住所が都外なら、申請先が変わる場合があります。
ここでは、すべて仮定の数字で考えます。所得割額が14万円の世帯を想定します。この額は、10万5,500円以上18万2,500円未満の区分に入り、全日制等の給付は年38,000円です。
入学後に払う授業料以外の費用を、教科書・副教材が42,000円、通学用品が18,000円とします。合計は60,000円です。給付の38,000円を引くと、不足は22,000円になります。
| 項目(仮定) | 金額 |
|---|---|
| 教科書・副教材 | 42,000円 |
| 通学用品 | 18,000円 |
| 費用の合計 | 60,000円 |
| 給付額(所得割10万5,500円以上18万2,500円未満の区分・全日制等) | 38,000円 |
| 不足額(60,000−38,000) | 22,000円 |
この計算では、給付があっても22,000円が不足します。しかも、費用は4月ごろに払い、給付は12月か翌年3月です。60,000円を先に払い、あとから38,000円が戻る形になります。
授業料以外の費用は、教科書や制服、通学用品など、入学の直後に集中します。給付の対象になる費用の範囲は、私学財団のページに具体的な一覧がありません。何が対象かは、財団や学校に確認してから使い道を考えましょう。
2027年度の通常申請の時期と給付額は、2026年10月7日時点で未発表です。2026年度は、通常申請が7月、基準日が7月1日でした。ただし、これは2026年度の実績で、来年も同じとは限りません。
準備できることは、三つあります。一つ目は、入学前後の住所の予定を整理することです。基準日の時点で都内に住んでいるかが、要件に関わります。引っ越しを考えているなら、時期を慎重に決めてください。
二つ目は、課税証明書など、所得を示す書類の取り方を調べることです。住民税の情報は、毎年6月ごろに更新されます。申請に使う年度と、書類の発行時期を、学校や財団の案内で確認しておくと安心です。
三つ目は、入学後の費用を試算することです。授業料以外の費用は、学校ごとに差があります。入学前の説明会で配られる費用の一覧をもとに、4月から3月までの支払いを月ごとに並べてみましょう。
まず、授業料の助成と奨学給付金を、順に確認します。給付は後から入るため、それまでの支払いを手元の資金で賄えるかが焦点です。足りなければ、学校の分納の可否なども確認してください。
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