まず、「新古車」という呼び方を整理します。広告や見積書で「新古車」という言葉を見かけても、それは自動車公正取引協議会が、誤認を与える表示の例として挙げている言葉です。正しくは「登録(届出)済未使用車」で、同協議会の定義では中古車に分類されます。
この前提を押さえると、「新車と未使用車のどちらが安いか」の見方も変わります。車両価格の差だけでなく、支払総額、初度登録日からの保証と車検の残り、ローン条件まで、同じ条件にそろえて比べる必要があります。
目次
自動車公正取引協議会が2014年9月に出した案内では、登録(届出)済未使用車を「初度登録(届出)された車両で、かつ、使用又は運行に供されていない車両(中古車)」と定義しています。同じ案内には、広告で守るべき点が並んでいます。
この案内は2014年のもので、規約はその後に改正されています。最新の表示ルールは、自動車公正取引協議会のサイトで確認してください。広告に「新車同様」「新古車」といった言葉が並んでいたら、その店の説明は一度立ち止まって読むのが無難です。
中古車の価格は、2023年10月1日の規約改正から「支払総額」で表示されるようになりました。自動車公正取引協議会の説明では、支払総額は車両価格に、保険料(自賠責保険料の月割)、税金(自動車重量税、自動車税の月割、検査登録の法定費用、リサイクル預託金相当額)、登録等の手続代行費用を加えた、購入時に最低限必要な費用です。
任意保険料、希望ナンバーの申請費用、県外登録の追加費用、納車費用などは、買い手によって要否が違うため含まれません。「納車準備費用」「納車点検費用」といった、洗車や清掃、軽整備にあたる費用を別に請求することは、不適切な費用とされています。登録済未使用車は中古車に分類されるので、この表示ルールを手がかりに見積書を読めます。なお、新車の見積書は書式が違うため、項目を同じ並びに直して比べてください。
もうひとつ、2014年の案内には「新車購入時に必要な重量税がかからないからお得」という表示を避けるべきだという記載があります。重量税は車検残存期間分の経済価値として販売価格に含まれていて、買い手が購入時に支払っている、という理由です。「税金が安い」という説明だけでは、新車より得とは言えません。
登録済未使用車は、見た目が新車でも、初度登録日の時点からカウントが始まっています。トヨタの保証書(自家用乗用車、2026年1月30日版)では、一般保証は新車登録日から3年間(走行距離6万kmまで)、特別保証は新車登録日から5年間(10万kmまで)です。自家用乗用車の最初の車検の有効期間は、国土交通省の資料で3年とされています。
初度登録から4か月たった登録済未使用車を例にすると、残りは次のようになります。起算日や引き継ぎの条件はメーカーと車種で違うため、あくまで考え方の例です。
| 項目 | 新車(登録日から数えて) | 登録済未使用車(初度登録から4か月) |
|---|---|---|
| 一般保証(3年) | 36か月 | 約32か月 |
| 特別保証(5年) | 60か月 | 約56か月 |
| 初回の車検(3年) | 36か月 | 約32か月 |
保証は、ディーラーで引き継ぎの手続きや点検が必要な場合があります。自動車公正取引協議会の案内にも、メーカー保証を継承する店と、継承しない店の表示例が載っています。販売店には、保証書の起算日と、保証を使うために必要な点検の費用を聞いてください。
失う期間と価格差の関係は、価格差÷失う月数でおおまかに確認できます。支払総額の差が20万円で、4か月分の保証と車検が短くなるなら、1か月あたり5万円の割引にあたります。この数字が自分にとって納得できる水準かを考える材料にしてください。
同じ車種・グレード・装備で、新車の支払総額が245万円、登録済未使用車が225万円と仮定します。頭金は0円、60回の元利均等返済で、全額をローンで払うものとします。月返済額は「借入額×月利÷(1−(1+月利)の−回数乗)」、月利は年利÷12で求めます。
| ケース | 借入額 | 年率(仮定) | 月返済額 | 60回の総支払額 |
|---|---|---|---|---|
| 新車 | 2,450,000円 | 4.0% | 約45,120円 | 約2,707,229円 |
| 登録済未使用車 | 2,250,000円 | 4.0% | 約41,437円 | 約2,486,230円 |
| 新車(販売店の新車向け低金利を仮定) | 2,450,000円 | 2.5% | 約43,481円 | 約2,608,862円 |
| 登録済未使用車 | 2,250,000円 | 4.5% | 約41,947円 | 約2,516,808円 |
同じ年率の4.0%なら、総支払額の差は約22万円で、支払総額の差20万円より少し大きくなります。借入額が大きいほど、利息も増えるためです。
一方、新車だけに低い金利が使えると仮定した下の2行では、総支払額の差が約9.2万円まで縮みます。この条件で計算すると、登録済未使用車の年率が約6.0%を超えたところで、総支払額が逆転します。実際の金利は審査や商品で決まり、新車向けの低金利が使える保証もないので、仮定の一例として読んでください。
銀行系のマイカーローンには、新車と中古車で金利を分けない商品があります。三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンは、新車・中古車・バイクにも同じ金利が適用されると案内しています。ディーラーや信販会社のローンには、車や期間によって条件が変わる商品もあります。ローンの種類ごとに、新車と登録済未使用車で条件が分かれるかを確認してください。
実際に比べるときは、次の項目を同じ順番で並べると、抜けに気づきやすくなります。
「安い」と言われた理由が、車両価格だけなのか、支払総額なのかも確認します。広告に「登録済未使用車」とあるのに、初度登録年月や走行距離、保証の有無が見当たらないときは、店に書面での説明を求めてください。表示が足りない広告は、それだけで比較の土台に載せにくくなります。
答えは「条件をそろえた支払総額で、登録済未使用車のほうが安くなることがある。ただし、保証と車検が初度登録日から減っている分を差し引いて考える」です。価格差が小さければ新車、大きければ登録済未使用車、という単純な線引きはできません。次の順で判断すると、迷いにくくなります。
同じ車種・グレード・装備で、新車と登録済未使用車の見積書を取ります。支払総額の差を出し、初度登録からの経過月数で割ります。保証と車検の残りが納得できるなら、ローンの総支払額を同じ条件で試算します。ここまでそろえてから、納期や色、装備の自由度を比べます。新車は、色やオプションを自分で選べる点が違います。
銀行などのマイカーローンは、自分で申し込んで、販売店に代金を支払う形です。新車と中古車(登録済未使用車を含む)で同じ金利の商品があり、条件を並べやすい面があります。ディーラー・信販会社のローンは、販売店で契約と一緒に進み、納車までの手間が少なくなります。ただし、新車と中古車で条件が分かれる商品があるため、見積書の実質年率を、車ごとに確かめる必要があります。
どちらも、審査の結果によって、借入額や金利が希望どおりにならない場合があります。複数の金融機関の条件をまとめて見たいときは、CrowdLoanを使う方法もあります。審査の承認や金利は、事前には約束できません。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。
詳しくはこちら
クラウドローンとは
“借りたい”を登録して
お得な提案を待つだけ
融資をしたい銀行から、直接プラン提案を受けることで、
資金を必要としている一人でも多くの人に、融資の機会を提供します。