2年前に300万円を借りたマイカーローンが、まだ220万円ほど残っているとします。ボーナスで50万円を繰上返済するか、金利の低い別のローンに借り換えるか。この記事では、この1つのケースを残り60回分まで進めて、繰上返済と借り換えを総支払額で比べます。
先に結論を書くと、繰上返済は手数料が小さく、借り換えは手元のお金を減らさずに済む、という性格の違いがあります。どちらが得かは、返済期間と手元資金をそろえて比べないと決められません。数字はすべて仮定で、実際の金利や手数料は契約書で確かめてください。
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当初の借入は300万円、年4.5%、84回の元利均等返済とします。月返済額は約41,700円です。24回返済した時点の残債は約2,236,788円で、残り60回で払う利息は約265,241円になります。何もしない場合の「残りの総支払額」は、約41,700円×60回=約2,502,029円です。
計算に使う式は3つです。月利は年利÷12とします。
実際の金融機関は利息を日割りで計算するので、返済日や繰上返済日によって数千円の差が出ます。ここでは月単位の概算です。
一部繰上返済には、返済期間を短くする方法と、毎月の返済額を軽くする方法があります。どちらを選べるか、そもそも一部繰上返済ができるかは、金融機関と商品で違います。三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンでは、元金返済の据置期間中は一部繰上返済ができません。
50万円を繰上返済した後の残債は、2,236,788円−500,000円=1,736,788円です。
期間短縮型では、月返済額を約41,700円のまま変えません。計算上の残り回数は約45.4回で、45回を通常どおり払い、46回目に少額の最終支払いをして完済します。60回払いより約14か月早まります。残りの利息は約155,182円で、何もしない場合より約110,059円少なくなります。
返済額軽減型では、残り60回のまま、月返済額が約32,379円に下がります。毎月約9,322円軽くなりますが、残りの利息は約205,950円で、減る利息は約59,291円にとどまります。同じ50万円を入れても、期間短縮型のほうが利息の削減は大きくなります。月々の負担を軽くしたいか、総額を減らしたいかで選び分けます。
手数料も確認が必要です。三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンは、インターネットでの繰上返済なら無料、窓口なら5,500円(税込)です。りそな銀行のマイカーローンは、繰上返済時の手数料が無料と案内しています。JAバンクの商品説明では、全額・一部とも償還金額に応じて5,500円、11,000円、22,000円がかかり、JAネットバンクでの一部繰上返済は無料です。手数料は「窓口かネットか」「金額の区分」で変わるので、実際の手数料は契約先と手続き方法で確認してください。
次に、残債の2,236,788円を、別の金融機関のローンに60回で借り換える場合です。借り換え先の年率は、三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンが公表する、借入額201万円〜500万円の変動金利(保証料込み)年2.95%を例にします。公表金利は2026年10月7日に確認したもので、適用される金利は審査で決まり、変動金利は将来変わる可能性があります。
| 借り換え先の年率 | 月返済額(60回) | 利息の合計 | 何もしない場合との差(手数料前) |
|---|---|---|---|
| 2.95% | 約40,142円 | 約171,760円 | 約93,481円の節約 |
| 3.5% | 約40,691円 | 約204,677円 | 約60,564円の節約 |
| 4.0% | 約41,194円 | 約234,843円 | 約30,398円の節約 |
金利差が1.55ポイントある2.95%のケースでも、節約は手数料前で約9.3万円です。差が0.5ポイントの4.0%では約3万円まで縮みます。借り換えのメリットは「旧ローンの残りの利息−新ローンの利息−手数料などの諸費用」で決まります。この式の最後の項目を、見落としがちです。
見積書で確かめる諸費用は、旧ローン側の完済手数料、新ローン側の事務手数料、収入印紙代、保証料の扱いです。りそな銀行は、保証料は金利の中から保証会社に支払うので不要としつつ、収入印紙代は別途必要としています。保証料を前払いで払ったローンの場合は、繰上返済や完済のときに保証料が戻るかどうかが、契約ごとに決まっています。契約書で確認してください。
たとえば旧ローンの完済手数料を5,500円、新ローンの手数料を0円と仮定すると、2.95%のケースの実質の節約は約93,481円−5,500円=約87,981円です。一方、諸費用が合計3万円かかる4.0%のケースでは、約30,398円−30,000円=約398円で、手間をかける意味はほとんどありません。
手元資金をどれだけ使うかも含めて、5つの選択肢をまとめます。
| 選択肢 | 月返済額 | 残りの回数 | 残りの利息 | 節約額(手数料前) | 使う手元資金 |
|---|---|---|---|---|---|
| A 何もしない | 約41,700円 | 60回 | 約265,241円 | — | 0円 |
| B 50万円を繰上返済(期間短縮) | 約41,700円 | 46回(45回は通常額、46回目は約15,467円) | 約155,182円 | 約110,059円 | 500,000円 |
| C 50万円を繰上返済(返済額軽減) | 約32,379円 | 60回 | 約205,950円 | 約59,291円 | 500,000円 |
| D 全額を2.95%で借り換え | 約40,142円 | 60回 | 約171,760円 | 約93,481円 | 0円 |
| E 50万円を繰上返済した上で、残りを3.5%で借り換え | 約31,595円 | 60回 | 約158,924円 | 約106,317円 | 500,000円 |
節約額だけを見ると、Bが最も大きく見えます。ただ、Bは返済期間が約14か月短くなる効果が大きく、同じ60回で比べるCやDとは条件が違います。BとDの優劣は、手元の50万円を他の用途に使えるかどうかで変わります。この50万円を、急な出費に備える資金として残しておきたいなら、手元資金を減らさないDのほうが安全です。逆に、余裕資金があり、預金の利息が借入の金利を下回るなら、繰上返済は確実に利息を減らせる手段です。
Eの借り換え額は1,736,788円で、三菱UFJ銀行の金利表では「200万円以下」の区分(年3.50%)になります。繰上返済で残高を減らすと、借り換え先の金利区分が変わる場合があります。借り換えを考えているなら、繰上返済と借り換えの順番によって、適用される金利が変わる可能性に注意してください。
手順は4つです。まず、契約書か返済予定表で、現在の金利、残りの回数、繰上返済の方式と手数料を確認します。次に、ローン会社から「今日全額を返済するといくらか」の回答を取ります。借り換えを検討するなら、候補先の金利と諸費用の見積りを、同じ借入額・同じ回数で出してもらいます。最後に、上の式か金融機関のシミュレーターで、残りの総支払額を並べます。
金利差が小さい、残りの期間が短い、残債が少ない。この3つがそろうと、借り換えの節約額は手数料に埋もれやすくなります。反対に、金利差が大きく、残債も期間も長いときは、借り換えを検討する価値があります。審査があるので、借り換えられるかどうかは申し込むまで分かりません。
繰上返済のしやすさは、ローンの種類で違いが出ます。銀行系のマイカーローンは、ネットなら手数料無料という商品がある反面、窓口では手数料がかかります。ディーラーや信販会社のローンは、繰上返済の連絡方法や手数料、日割り計算の方法が会社ごとに違い、契約書や会員ページで確認する形になります。
借り換え先を探すときは、金利の数字だけでなく、保証料が金利に含まれるか、手数料はいくらか、繰上返済がいつでもできるか、を並べて見てください。複数の金融機関の条件を比べたいときは、CrowdLoanを使う方法もあります。審査の結果や金利は申込み内容で変わり、事前には約束できません。
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