残クレの月額は、車両価格から頭金を引いた金額を元金とし、最終回に残価を据え置いて、残りを分割で払う形で決まります。月額を左右するのは、残価の大きさ、実質年率、支払回数の3つです。残価が大きいほど月額は下がりますが、金利は残価の部分にもかかる構造に見えるため、最終回に買い取ると総額は大きくなります。
「車両価格から残価と頭金を引いた金額を分割で払う」という簡略な説明を、スバルのFAQなどで見かけます。ただ、日産、スバル、マツダの公式の支払例を足し合わせると、元金は残価を含んだ金額として表示されています。この記事では、スバルの公式の支払例に月利を当てはめて、この構造を確かめ、通常の分割払いと比べます。
数字は、公式ページに載っている支払例と、モデルケースの試算に限ります。実質年率や残価は、車種、販売会社、時期で変わるため、実際の条件は見積書で確認してください。
目次
次の表は、各社の公式ページに載っている支払例です。日産は残価の保証額が2026年10月から2027年3月の契約分、スバルとマツダは、2026年10月11日に確認した表示です。
| 項目 | 日産 セレナ e-POWER ハイウェイスターV | スバル(公式ページの支払例の1つ) | マツダ CX-5 L(2WD) |
|---|---|---|---|
| 実質年率 | 5.9% | 3.9% | 5.40% |
| 支払回数 | 60回 | 60回 | 61回(5年) |
| 頭金 | 765,700円 | 1,321,000円 | 530,275円 |
| 分割の元金 | 所要資金 3,060,000円 | 所要資金 3,200,000円 | 立替支払元金 3,539,725円 |
| 最終回(残価) | 2,180,000円 | 1,849,000円 | 1,850,000円 |
| お支払い総額 | 4,606,690円 | 5,009,728円 | 4,825,241円 |
スバルの例では、メーカー希望小売価格4,521,000円から頭金1,321,000円を引くと、所要資金の3,200,000円になります。最終回の残価1,849,000円は、この3,200,000円に含まれたままです。マツダも、立替支払元金3,539,725円が、残価1,850,000円より大きく、残価を含んでいます。日産の所要資金と最終回の関係も同じです。「残価を差し引いた金額を分割で払う」というのは、毎月の分割部分だけを指した簡略な言い方と考えられます。
この構造を、スバルの例で確かめます。支払例は、初回16,528円、月々15,400円が58回、ボーナス加算93,000円が10回、最終回1,849,000円です。実質年率3.9%を月利(3.9%÷12)として、これらの支払いを現在価値に直すと、約318.5万円になります。元金の3,200,000円と、約0.45%の差で近い値です。ボーナス月の位置は、6か月ごとと仮定した概算なので、誤差は残ります。また、最終回の残価1,849,000円は、60回後の支払いとして割り引くと、約152.2万円に相当します。残価を除いた金額(3,200,000円-1,849,000円)だけに金利がかかる設計なら、この現在価値の計算は元金に合わなくなります。残価の部分にも金利がかかる設計と読むほうが、数字に合います。ただし、これは支払例からの読み取りで、公式の文言として明記されたものではありません。
スバルの例と同じ条件で、通常の分割払いと比べます。元金3,200,000円、実質年率3.9%、60回払いで、ボーナス払いなしの簡易モデルです。月額は円未満を切り上げ、利息は概算です。
| 項目 | 通常の分割払い(残価なし) | 残クレ(残価1,849,000円・簡易モデル) |
|---|---|---|
| 月額 | 約58,789円 | 約30,830円(通常の約52%) |
| 最終回まで買い取った場合の分割支払総額 | 約3,527,340円 | 約3,698,800円 |
| 利息の目安 | 約327,340円 | 約498,800円 |
| 最終回に返却する場合 | -(車は手元に残る) | 残価の支払いは不要(条件を満たす場合) |
月額は、残クレのほうが約48%低くなります。一方、最終回まで払って買い取ると、利息の目安は約17万円多くなります。公式の支払例(ボーナス併用)では、分割支払の合計が3,688,728円で、元金3,200,000円との差は488,728円です。簡易モデルの約498,800円と近い値です。頭金を含めた総額で見ると、スバルの例で最終回まで払うと5,009,728円、同じ実質年率の通常の分割で同じ車を買うと、頭金1,321,000円+約3,527,340円の約4,848,340円で、残クレのほうが約16万円多くなる計算です。公式の支払例はボーナス併用、簡易モデルは月額一定で、支払いの時期が違うため、この差は目安として読んでください。トヨタの公式ページも、お買い上げ(一括精算・再クレジット)を選ぶと、支払合計が一般的なクレジットより軽くなる場合があると明記しています。
逆に、最終回に返却して追加精算がなければ、頭金と分割の合計は1,321,000円+1,839,728円で、約316.1万円です。車が手元に残らない代わりに、支払総額は小さくなります。返却するか、買い取るかで、残クレの損得は変わります。通常のローンの金利が低ければ、通常のローンが有利になりやすく、反対に、残クレの金利が低く、数年で乗り換える予定なら、残クレが合う場合もあります。どちらが有利かは、乗る年数と最終回の選び方で決まります。
支払回数は会社で違います。トヨタファイナンスは12〜84回、ホンダは36・48・60回、日産は3・4・5年(一部は6年・7年)、スバルは36・48回(BEVは60回、登録車は84回も)です。ボーナス併用は、トヨタが可、ホンダは年2回まで、スバルは夏・冬の年2回です。月々の最低支払額は、トヨタ、ホンダ、三菱、スズキが3,000円です。
最終回の選択肢も会社で違います。ホンダは、再クレジットを選ぶと、元の契約と合わせて最長84回までで、頭金は入れられず、車検代などの諸費用も組み込めないと案内しています。スバルは、残価の再分割が最長60回まで、マツダは最長60回です。三菱は、再分割の手数料率が、そのときの新車の手数料率になります。最終回を再クレジットにすると、手数料が追加で発生するため、返却や乗り換えと比べて総額を確認してください。
実質年率の表示は、公正取引協議会の規約が、割賦手数料の料率(実質年率)、支払回数、頭金、残価精算時の追加費用の条件の表示を求めています。ただし、これは業界の自主規約です。日産は、実質年率が販売会社によって異なると注記し、スバルは契約期間中固定、ホンダは全国統一金利と説明しています。残価の設定は、マツダが最大で、3年型60%、5年型40%、7年型30%(CX-5・月1,000kmの場合)としています。
残価設定型クレジットの全体像は、残クレとは?カーリース・マイカーローンと比較した記事でも説明しています。
| 確認項目 | 見る場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 実質年率と、固定か見直しか | 見積書、契約書 | 残価部分にも金利がかかる構造のため、金利の差が総額に響く |
| 最終回の金額(残価)と、契約走行距離 | 見積書 | 走行距離の区分で残価が変わる(日産) |
| 最終回に返却・乗り換え・買い取りで払う総額 | 支払例の「クレジット支払額合計」 | 返却と買取で支払総額が大きく変わる |
| 再クレジットの手数料率と回数の上限 | 販売店 | 最終回に再分割する場合の総額に関わる |
| ボーナス加算の月と回数 | 見積書 | 月額の見え方が変わる |
残クレのほかに、銀行や販売店のローンも含めて月額と総額を比べたいときは、CrowdLoanで複数の金融機関のローンを比較して検討できます。審査は各金融機関が行い、借入れの可否や金利を約束するものではありません。
調査日:2026年10月11日。支払例は会社・車種・販売会社・時期で変わります。試算はスバルの公式支払例の数値を使ったモデルで、実際の条件は見積書で確認してください。
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