2024年12月23日
手足に何らかの不自由を抱えている人でも、運転補助装置が付いた車を選べば、健常者と変わらず車を運転することができます。
右足・両足・片手・両手などの部位が動かない人は、動かせる部位に対応している運転補助装置を取り付けることによって、問題が解決する場合があるのです。
ただし、同じ障がいを想定した運転補助装置であっても、操作方法が異なるケースがあるため注意が必要です。
この記事では、運転補助装置の種類について、具体的なパターンやサポートアイテム、選ぶメリットなどを解説します。
目次
運転補助装置とは、何らかの理由で身体が不自由な人になってしまった人でも、問題なく直接車を操作・運転できるようにするための装置をいいます。
例えば、足が不自由なために運転ができない人の場合は、左手で操作可能な特殊なレバーを操作するなど、手を使ってアクセル・ブレーキ操作ができる運転補助装置を利用するのが一般的です。
逆に、手が不自由な人の場合は、特殊なステアリングペダルを使って右左折を行う運転補助装置を使うなど、足を使って運転をすることができます。
どちらの装置を使用する場合も、乗りこなすには訓練を必要としますが、手足が不自由でも自分の意志で車を運転できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
運転補助装置は、残念ながらすべての障がいをカバーできるわけではありませんが、手または足のみが不自由な場合は、装置を利用することで運転ができるようになるかもしれません。
以下、運転補助装置によって運転が可能になる人の、主な特徴をいくつかご紹介します。
片足、もしくは両足が不自由な人は、運転補助装置を車に取り付けることで、運転が可能になる場合があります。
具体的には、両手だけで操作が可能な装置を備えた車に乗れば、運転上の支障がなくなるものと考えてよいでしょう。
右足だけが不自由な人の場合は、左足でアクセルが踏めるような運転補助装置を搭載することにより、問題が解決するはずです。
なお、運転補助装置によっては、必要に応じて右足アクセルを使用できるように切り替えられるものもあり、健常者、または左足が不自由な人の運転にも対応できます。
手が不自由な人が車を運転したい場合は、両足を使って車を操作するような運転補助装置を使用することになるでしょう。
操作系がすべてペダル周りにまとまっている装置を使って運転するため、レイアウトや操作方法を覚えるのが手間に感じられるかもしれませんが、ウインカーやライト、シフトなども足で操作できるため安心です。
なお、スイッチのレイアウトは1種類とは限らず、運転補助装置によっては複数のパターンを用意しているものも見られます。
運転補助装置に関しては、複数のメーカーが製造・販売しているため、装置の構造や操作方法が装置によって異なります。
これから新たに運転補助装置が備わった車を購入する場合や、新しく運転補助装置を取り付ける場合は、それぞれの装置の操作感を確認した上で検討しましょう。
両足が不自由な人のための運転補助装置は、大きく次の3タイプに分かれています。
フロアタイプ | ●日本ではもっともメジャーなタイプの運転補助装置で、アクセル・ブレーキの機能を持つ操作レバーを使って加速・減速を行う ●操作レバーは身体の左側に位置しており、レバーやその土台がフロアに固定されていることから、ドライバーが体勢を保持しやすい ●構造上、アクセルとブレーキを同時に作動させることはないが、混乱して操作ミスを起こさないよう注意が必要 |
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コラムタイプ | ●ハンドルの下に取り付けられている、横向きの手動運転装置で、足元のスペースを広く確保できるのが特徴 ●基本的な操作はレバーを押してブレーキ、引いてアクセルとするものが多いが、レバーを親指で押してアクセル操作を行うタイプのものもある ●身体が大きい人や、足が左右に開くことが多い人などに向いているタイプ |
リングタイプ | ●ハンドル外周に沿って取り付けたリングを、手前に引いたり前方に押したりすることでアクセル操作するタイプ ●ブレーキは、ハンドルの右もしくは左に取り付けたレバーを、下方向へ押し下げてかける ●両手でハンドル操作ができるのがメリット |
上記の通り、アクセルとブレーキの仕組みがタイプによって微妙に異なるため、自分が普段運転するシーンを想定して、使いやすそうなものを選ぶことが大切です。
片足が不自由な人のための運転補助装置としては、一般的に「右足が不自由な人」向けの運転補助装置がよく知られています。
具体的には、左足だけでアクセル・ブレーキを操作できるよう改造するケースが当てはまり、もともと車に備わっているアクセルペダルを、運転補助装置のペダルを通して操作するイメージになります。
このような傾向が見られるのは、仮に左足が不自由であっても、一般的なペダル配置のオートマチック車なら運転できる場合が多いことが一因と考えられます。
両手が不自由な人が車を運転する際は、両足の操作によって車を動かす「足動装置」を使用して運転するのが一般的です。
足動装置の特徴的な構造としては、運転席の足元左側に自転車のペダルを漕ぐ要領で回す仕組みのユニットが装着されている点があげられ、前回しで左折、後ろ回しで右折というイメージで車が曲がる仕組みとなっています。
アクセルとブレーキに関しては、一般的な車両と基本的な配置は変わらないため、左足の操作に慣れられるかどうかがポイントとなるでしょう。
また、右足と左足の間のスポットには、ワイパーやウインドウウォッシャー、ホーンスイッチ、ハザードといったスイッチがボタンで用意されているため、必要に応じて足で操作することができます。
片手だけが不自由な人のための運転補助装置としては、片手でハンドルを動かすための「ハンドル旋回ノブ」があげられます。
ハンドル旋回ノブを装着すると、ハンドルを握り変えずに操作することが可能になり、メーカーによってはノブ中央にホーンスイッチが付いているタイプのノブを装着することもできます。
なお、ハンドル旋回ノブは、使える手に対応する形で、左右どちらにも装着することが可能です。
運転補助装置には、より運転をスムーズにするためのサポートアイテムがあります。
例えば、次にご紹介するようなものがよく知られています。
ペダル誤操作防止プレート | ●手動運転補助装置を使用して運転している際に、誤ってアクセルペダル・ブレーキペダルを踏まないようにするためのプレート ●折りたためる構造になっているため、通常のペダル操作にも対応可能 |
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専用フロアマット | 左足用アクセルペダルや、足動運転補助装置に対応した専用フロアマット |
自動装着式シートベルト | ドアを閉めると自動でシートベルトが着用できる仕組み |
ウインカーレバー | 片手が不自由な人向けの運転補助装置を利用している際に、左手側で、片手でウインカーの操作ができるようにしたもの |
安全運転のためにも、運転手の状況に応じて、これらのサポートアイテムを有効に活用しましょう。
運転補助装置を愛車に搭載することによって、手足が不自由でも健常者と変わらず運転ができるようになると、普段の生活における移動の自由度が高まります。
手足の不自由を問わず運転できるようになり、行きたいときに行きたい場所へ向かえるようになれば、ドライバーの精神的な自立を促したり、ドライバーが自信・達成感を得られたりする機会も増えることでしょう。
また、居住地域によっては、公共交通機関を利用したり、介護タクシーを頼ったりするよりも、自分で車を運転した方が移動にかかるコストを抑えられる可能性があります。
手足が不自由になっても、運転そのものに抵抗はないという人にとって、運転補助装置を搭載するメリットは非常に大きいものと考えられます。
実際に運転補助装置を導入する場合、運転免許はどのように取得・更新するのか、どのくらいの費用を見積もっておけばよいのか、税金・助成に関してはどうなっているのかなど、気になる点がたくさん出てくるはずです。
以下、運転補助装置の導入にかかる主な疑問点について解説します。
これまで運転免許証を持っていた人が、何らかの理由によって手足が不自由になってしまった場合、再び運転するためには「運転免許センター」や「運転免許試験場」で適性検査を受けなければなりません。
個々の身体障害の程度に応じて、条件変更の有無が判断され、条件変更が必要と判断されたら運転補助装置を取り付ける場合があります。
新規で運転免許証を取得する際も、程度によって運転のための条件が提示されます。
そこで、自動車の運転にあたり改造が必要な「条件付適格」と判断された場合は、運転補助装置を車に取り付けて運転することになります。
運転補助装置のコストは、取り付ける自動車の種類によっても変わってきますが、大まかな費用感は次のようなイメージになります。
<手動運転補助装置>
自動車の種類 | 本体価格 | 取付工賃 |
---|---|---|
国産普通車 | 170,000~250,000円 | 40,000~45,000円 |
軽自動車 | 155,000~205,000円 | 40,000~45,000円 |
外国車 | 235,000~270,000円 | 45,000~55,000円 |
<足動装置(例:Honda・フランツシステム)>
足動装置は、スイッチ類やペダルなどが既存の車種とまったく異なるため、手動運転補助装置に比べるとコストがかかる傾向にあります。
運転補助装置の装着や、運転補助装置付の車両を購入した際の各種税金・助成には、次のようなものがあげられます。
消費税 | 非課税 |
---|---|
自動車税 (環境性能割・種別割) | 所定の要件を満たした障がいのある人が所有、運転する車につき、環境性能割・種別割がそれぞれ減免される ※(多くの都道府県において、所定の障がい者等級で種別割は45,000円を上限に減免が受けられる) ※(環境性能割は、課税標準額に税率を掛けた金額から、減免が適用される課税標準額に税金を掛けた金額を差し引いて、納付額を算出する) |
免許取得費用補助 | 所定の要件を満たした障がいのある人が、教習を受ける際の費用の一部が補助される 概ね上限額は100,000円 |
自家用車改造費用補助 | 所定の要件を満たした障がいのある人が乗る車につき、運転補助装置等の取り付けにかかった費用の一部が補助される 概ね上限額は100,000円 |
なお、各種補助に関しては、市区町村によってルールが異なる可能性があるため、お住いの地域における要件や上限額は事前に確認しておきましょう。
運転補助装置付きの車を購入したい場合は、福祉車両ローンを利用すると、比較的安価な金利で借り入れが可能になります。
手足が不自由な人が運転するタイプの車だけでなく、車いす仕様車など介護式の車を購入することもできるため、予算面で不安がある人は利用を検討してみましょう。
ただし、返済期間が最大5年と短めだったり、借入金額の上限額が少なかったりするケースもあるため、一般的な金融機関のカーローンも視野に入れながらローンを選ぶことが大切です。
カーローンを組む際、一般的な金融機関にまで視野を広げると、全国各地の様々な金融機関が提供しているカーローンを比較検討することになります。
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運転補助装置は、手足のいずれかが不自由な人が、車を運転・操作するために必要な装置です。
足が不自由な人は手を足の代わりにして、手が不自由な人は足を手の代わりにして運転できるよう、それぞれの装置には工夫が施されています。
自分の力で車を運転し、自分が行きたいときに・行きたいところに行けるという喜びは、気持ちをポジティブにしてくれます。
手足が不自由でなかった頃、車に乗って旅行やドライブを楽しんでいた方は、運転補助装置を使って“もう一度”走る歓びを思い出してみてはいかがでしょうか。
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