車を廃車にすると、自動車税(普通自動車)、自動車重量税、自賠責保険は、条件を満たせば一部が戻ることがあります。一方、リサイクル料金は購入時に預託済みなら、手放すときに追加で払う必要はありません。戻るお金は、年額30,000円の普通車を9月に抹消した場合で、自動車税が約15,000円、重量税は国税庁の例で約5,100円ですが、軽自動車税は月割の還付がありません。
廃車の費用は、引取や解体の料金と、手続きの代行費用の合計です。ただし、これらは業者が自由に定める料金で、公的な料金表はありません。そのため、この記事では引取や解体の金額の相場は示さず、業者が提示する価格は見積書ごとに比べる前提とし、公的な資料で金額や条件が示されているリサイクル料金と還付の仕組みを中心に、手続きの順番と見積書の確認点を整理します。
数字は、国税庁、東京都主税局、国土交通省、自動車リサイクル促進センター、トヨタの公表値と、モデルケースの試算に限ります。自動車税の年額は排気量で変わるため、試算の年額は仮定です。
目次
廃車で動くお金は、「払うもの」と「戻るもの」に分けて考えます。払うものは、リサイクル料金(未預託の場合)、引取・解体・レッカーの費用、手続きの代行費用です。戻るものは、自動車税の月割分、重量税の残存期間分、自賠責保険の返戻金です。買取として手放せる場合は、車両の価値に応じた金額を受け取る形になり、この場合の扱いは、買取の契約内容で変わります。
| 項目 | 払う/戻る | 条件・根拠 |
|---|---|---|
| リサイクル料金 | 預託済みなら追加なし。未預託なら払う | JARCは、未支払い分があれば引取業者に引き渡すときに払うと説明 |
| 引取・解体・レッカー | 払う場合がある | 公的な料金表はなく、業者の見積もりで決まる |
| 自動車税(普通自動車) | 戻る(月割) | 抹消登録をした月の翌月から減額。東京都主税局 |
| 軽自動車税 | 戻らない | 名古屋市・横浜市が月割の制度はないと説明 |
| 自動車重量税 | 戻る | 解体して永久抹消、車検残存期間1か月以上。国税庁 |
| 自賠責保険 | 戻る | 抹消登録後に解約。残りが1か月未満は返戻なし。国土交通省 |
表のうち、手続きの日付で金額が変わるのは、自動車税です。東京都主税局は、年度の途中に抹消登録した場合、抹消登録した月の翌月から月割で減額すると説明しています。基準になるのは、業者に車を引き渡した日ではなく、運輸支局などで実際に抹消登録をした日です。引き渡しから抹消登録までの間に、月をまたぐと、還付される月数が1か月減ることがあります。
リサイクル料金は、シュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類の3つの処理費用と、情報管理料金、資金管理料金で構成されます。自動車リサイクル促進センター(JARC)が示す目安は、シュレッダーダスト料金が6,000円から12,000円程度、エアバッグ類が2,000円から4,000円程度、フロン類が2,000円から4,000円程度です。情報管理料金は130円、資金管理料金は引取時に預託する場合410円です。未預託の車なら、この目安の合計は、約10,500円から約20,500円になります。実際の金額は、メーカーが公表する車種別の表で確認します。
トヨタの車種別リサイクル料金一覧では、車種ごとに幅があります。たとえば、さ行のSAI(AZK10系、2009年)は、シュレッダーダスト料金が8,240円から9,330円、エアバッグ類が1,930円から3,600円、フロン類が1,650円から2,050円で、合計は11,820円から14,980円です。エアバッグ類は装備個数で料金が変わり、エアコンがない車はフロン類が0円になります。リサイクル料金は、購入時に預託する前払いの仕組みなので、手放すときは、預託状況を確認するのが先です。登録番号からリサイクル料金の預託状況を照会できると、トヨタの表の注記にあります。
JARCの説明では、中古車として手放す場合は、相手方から車両の価値の金額と、リサイクル料金相当額を受け取れます(資金管理料金は除く)。使用済自動車として引取業者に引き渡す場合は、未支払いの分があれば支払います。リサイクル料金の消費税の扱いは、引取業者の見積書で確かめてください。
自動車重量税は、使用済自動車が適正に解体された場合に、申請により車検の残存期間に相当する額が還付されます。条件は、車検の残存期間が1か月以上あることなどです。国税庁の計算式は「納付された重量税額×車検残存期間÷車検有効期間」で、例として、24,600円×5か月÷24か月(2年車検)=5,125円が示されています。還付金が支払われるまでは、申請書が運輸支局などに提出されてから、おおむね2か月半程度かかります。
自動車税は、年額30,000円の普通自動車を仮定します。抹消登録の月が6月なら、4月から6月までの3か月分が課税され、残りの9か月分、22,500円が減額されます。9月なら6か月分の15,000円、12月なら3か月分の7,500円です。月割の端数の扱いは、都道府県の案内で確かめてください。年額は排気量で決まるため、実際の額は、都道府県の税額表で確認してください。9月に抹消した場合、自動車税の15,000円と、重量税の例の5,125円で、約20,100円が戻る計算です。
| 抹消登録の月(年額30,000円と仮定) | 課税される月数 | 自動車税の還付・減額 |
|---|---|---|
| 6月 | 4〜6月の3か月 | 22,500円 |
| 9月 | 4〜9月の6か月 | 15,000円 |
| 12月 | 4〜12月の9か月 | 7,500円 |
自賠責保険は、抹消登録を受けた場合などに解約でき、返戻金は、手数料と保険期間を勘案した額です。残りの保険期間が1か月未満の場合は、返戻がありません。解約は、廃車した時点ではなく、損害保険会社(共済組合)で手続きをした時点で成立します。返戻金の額は契約内容で変わるため、保険会社に問い合わせてください。軽自動車税は、名古屋市と横浜市の公式説明で、月割の制度がなく、年度の途中で廃車しても還付されません。横浜市は、毎年4月1日の所有者に1年分が課されると説明しています。3月中に手続きするか、4月以降になるかで、1年分の差が出るため、時期が近い場合は、抹消登録の日を意識してください。
国土交通省は、抹消登録を、一時抹消登録と永久抹消登録に分けています。一時抹消は、自動車の使用を一時的に中止した場合の手続きで、永久抹消は、リサイクル事業者に引き渡して適正に解体処分した場合の手続きです。重量税の還付は、解体を事由とする永久抹消の場面で、還付申請書を出して受けるものです。重量税の還付は解体を事由とする場面の制度のため、一時抹消の場合にどうなるかは、運輸支局に確かめてください。
| 状況 | 先にやること | 戻るお金への影響 |
|---|---|---|
| 車検が残っている | 解体して永久抹消し、重量税の還付を申請 | 残存1か月以上で重量税が戻る |
| 3月末が近い(普通自動車) | 抹消登録の日を、月末までに間に合わせる | 月をまたぐと、自動車税の減額が1か月減る |
| 軽自動車 | 4月1日の前に手続きするか検討 | 月割の還付はなし |
| ローンが残っている | 完済と所有権の解除が必要か確認 | 手続きの順番が変わる |
| 買い替える | 下取り・買取の見積もりと、廃車の見積もりを比べる | リサイクル料金相当額を受け取れる場合がある |
廃車や買い替えの選択肢は、車を廃車にしなければならない場合の選択肢の記事で、名義変更の費用は、車の名義変更の費用の記事で確認できます。
廃車のあとに車を買い替える場合など、支払い方法を比べたいときは、CrowdLoanで複数の金融機関のローンを比較して検討できます。審査は各金融機関が行い、借入れの可否や金利を約束するものではありません。
調査日:2026年10月11日。税額や手続きの扱いは、車種・登録地・手続きの時期で変わります。引取・解体・レッカーの費用は業者ごとの自由な料金で、公的な料金表がありません。詳細は運輸支局、都道府県の税事務所、保険会社に確認してください。
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