2024年06月18日
近年、キャンプブームや投資目的などで、山林の購入を検討する人が増えています。親や親族から山林を相続した、という方もいるでしょう。山林の所有は、自分の土地でレクリエーションが楽しめるだけではなく、山林業者への貸し出しや木材の売却などで利益を生み出す可能性もあります。反面、定期的に伐採や手入れを行わないと、倒木による市道の封鎖や、張り出した枝による交通事故などのトラブルが発生するだけでなく、土砂災害の原因にもなり得ます。では、実際に山林を管理するにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
今回は、山林を管理するうえで大変重要な山林伐採の費用相場に加え、費用を抑えるコツや、補助金の申請についても詳しくご紹介します。山林を所有している方、これから購入を考えている方は、是非参考にしてみてください。
目次
あくまでも参考価格ですが、一般的な雑木林の伐採、抜根、整地作業の費用相場は、50平米あたり30万〜50万円程度です。伐採した木の処分が必要であれば、処分費用も発生します。
伐採費用の総額は、山の面積や傾斜具合、木の種類や高さ、本数、作業人数など、様々な要素で変動します。急斜面があったり、伐採の際に周りの建造物や車などに被害を及ぼす可能性があるかどうか、重機が必要になるか、などによって大きく変わりますので、必ず事前に現地調査を依頼し、見積もりを出してもらいましょう。
山林の伐採は、チェーンソーやヘルメットなど、必要な道具を揃えて自分で行うこともできますが、非常に大きな危険が伴いますので、専門の業者に依頼することをおすすめします。
山林の伐採は、一般の伐採業者や森林組合に依頼することが可能です。
費用は、伐採作業費用と重機使用費用、廃棄物処分費用、整地費用に加え、届出が必要な場合はその手数料などが合算されて算出されます。
根元部分から木を切り倒す作業費です。業者によって、費用は木の本数で算出される場合と、伐採する土地の面積(平米)で算出される場合があります。以下は、面積から算出したおおよその作業費用です。尚、根の除去には別途抜根費用がかかります。
面積(平米) | 費用相場 |
---|---|
1平米 | 4,000円~ |
50平米 | 200,000~400,000円 |
100平米 | 400,000~800,000円 |
300平米 | 1,600,000~2,800,000円 |
500平米 | 2,800,000円~4,800,000円 |
高い木の伐採や抜根には重機が必要になる場合があります。以下は、山林伐採でよく使用される重機のおおよそのレンタル費用です。重機を使わずに作業ができれば重機費用はかかりません。
重機 | ショベルカー/5t | 高所作業車/2t | クレーン車/10t |
---|---|---|---|
レンタル費用/1日 | 30,000円前後 | 60,000円前後 | 100,000円前後 |
伐採した木を処分する費用です。山林の伐採では、多くの場合トラックでの搬出が必要になります。トラックの積載量ごとの、おおよその処分費用の目安は以下の通りです。これらの費用相場には、交通費、駐車料金などの必要経費も加算されています。
サイズ | 軽トラック | 2トントラック | 4トントラック | 7トントラック |
---|---|---|---|---|
費用 | 10,000~20,000円 | 20,000~30,000円 | 40,000~50,000円 | 60,000~70,000円 |
伐採後に抜根や整地が必要な場合は、それぞれ別途費用が発生します。太い木の抜根には重機が必要になる場合が多く、費用が高くなる傾向があります。また、通常山林の伐採には整地は不要ですが、伐採後に家を建てたり駐車場を作ったりなどの目的がある場合は、重機を使用した整地が必要になります。
作業内容 | 抜根(15~30cm)/1本 | 整地(1平米) |
---|---|---|
費用 | 4,000~7,000円 | 20,000~30,000円 |
山林は定期的に手入れが必要であり、その都度費用がかかります。長期にわたり管理を続けるためには、経済的な負担を抑えることが重要です。
では、山林伐採にかかる費用を抑えるには、どのような方法があるでしょう。
先述の通り、山林伐採の費用は業者によって大きく変わるため、伐採費用を抑えるには業者選びが非常に重要です。複数社に見積もりを依頼し、調査時の対応や見積もりが信頼できるものかどうかを確認しましょう。業者によっては見積書に「当日追加料金が発生する場合があります。」などと記載しているところもあるので注意が必要です。また、見積もりを作成する際には現地調査が必要であり、「わざわざ来てもらったのだから断れない」と思いがちですが、納得のいく見積もりでなければ断る決断も必要です。
木の種類や大きさによっては、木材資源として買い取ってもらえる可能性があります。私営の立木販売業者や森林組合に依頼し、見積もりから伐採、運搬、販売までを行ってもらい、販売価格から伐採や運搬の費用を差し引いた金額が利益となります。
また、所有者から森林経営の専門家に山林の管理を依頼する「森林経営委託契約」という契約があり、植林や山林の管理、補助金の申請、立木販売を含む森林経営を専門家に依頼することができます。
山林の管理は、良質な水源確保や自然環境の保全などの観点から、国にとってもとても重要な課題です。そのため、森林整備費用には、国や都道府県、市区町村から様々な補助金制度が設けられています。自治体によって制度が異なりますので、詳しくは各自治体の林務課や、地域の森林組合に問い合わせてみましょう。
以下は、東京都における補助金対象の施業です。
補助対象作業 | 詳細 | 対象林齢 |
---|---|---|
除伐 | 不用木の除去、不良木の淘汰 | 林齢11年生以上25年生以下 |
間伐 | 適正な密度管理のための不用木の除去、不良木の淘汰、搬出集積 | 林齢11年生以上 (国庫補助を受ける場合は、60年生以下で10m3/haの搬出が必要) |
森林作業道 | 森林作業道の開設 | 間伐(搬出)等の施業と一体的に実施するもの |
伐採作業以外にも、造林や雪起こし、枝打ち、雑草や雑木の除去などが補助金の対象となります。
補助金の対象となる山林は、最低0.1ヘクタール以上の区域面積を持ち、*森林経営計画等を策定し、計画的に森林整備を実施することが条件となります。
自身で申請を行うこともできますが、伐採作業と合わせて森林組合などに委託するのが一般的です。
申請の手順は各自治体によって異なりますので、必ず事前に確認しておきましょう。
*「森林所有者」又は「森林の経営の委託を受けた者」が、自らが森林の経営を行う一体的なまとまりのある森林を対象として、森林の施業及び保護について作成する5年を1期とする計画。
申請から補助金受け取りまでの大まかな流れは以下の通りです。
◆所有者が申請
◆業者に委託
日本では、過度な伐採を防ぎ、正しい森林整備を行うための基本的事項を定めた「森林法」があり、それに基づき、「全国森林計画」がたてられています。更に「全国森林計画」を元に各都道府県において「地域森林計画」が作られており、その「地域森林計画」の対象となった民有林(県や市町村、個人、企業が所有する、国有林以外の山林)を「地域森林計画対象民有林」といいます。
この「地域森林計画対象民有林」に指定されている山林では、伐採の際に届出が必要です。自身の所有する山林が対象の山林であるかどうかは、各自治体の問い合わせ窓口やホームページで確認しましょう。
自身が所有する山林が「地域森林計画対象民有林」である場合は、伐採を行う際、各市区町村へ以下の届出が必要です。
また、山林が保安林である場合は以下の届出は不要ですが、別途都道府県の許可が必要になります。
【伐採に必要な届け出】
【以下の場合は届出が不要】
「伐採及び伐採後の造林の届出」を提出しなかった場合、100万円以下の罰金が課せられます。(森林法第208条)また、「伐採及び伐採後の造林に係る森林の状況報告」を提出しなかった場合は30万円以下の罰金となります。(森林法第210条)
通常は山林の所有者が行いますが、所有者から森林経営委託を受けている業者であればその業者が、立木を購入する目的で伐採を行う場合は立木の購入者が申請を行います。また、立木購入業者と造林を行う業者が別である場合は、連名での届出となります。届出先は各市区町村です。
「車道に張り出した枝によって交通事故を誘発する可能性がある」「腐敗した木が倒れた場合近隣に迷惑をかける」など、状況によっては、緊急を要する伐採の手配を行わなければならない場合もあるでしょう。
すぐには費用を用意できない、という時は、フリーローンの活用を検討しても良いかもしれません。フリーローンは、事業性資金以外であれば、使用目的を限らずに借り入れることができるので、山林伐採の費用としても利用することができます。
借入金額が大きくなれば、わずかな金利の差でも返済額が大きく変わります。また、ローンによって最大借入金額や返済期間が異なりますので、より希望に沿った低金利のローンを見つけるには、多くのローンを比較検討する必要があります。
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山林は、放置すると大きなトラブルの要因となってしまう可能性がありますが、しっかりと管理を行えば木の質が上がり、森林資源として利益をもたらしてくれます。また、豊かな土壌造りは、土砂災害対策や地球温暖化防止などの環境保全にも役立ちます。
定期的な山林伐採で、安全に自然を楽しむことができる山づくりを行い、山の価値を高めていきましょう。
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