消費者金融などの貸金業者のカードローンで収入証明書が必要になるのは、申込先での極度額が50万円を超える場合と、他の貸金業者の借入れと合わせて100万円を超える場合です。貸金業法13条3項がこの2つを定めています。50万円ちょうどなら法律上の義務はありませんが、審査の判断で求められることはあります。
銀行カードローンは貸金業法の対象外ですが、主要な銀行は50万円超を目安に収入証明書を求めています。ただし、判定のもとになる金額や、受け付ける給与明細の月数は銀行ごとに違います。契約した後も、増額のときや提出から3年がたったときに、再提出を求められます。この記事では、条文と各社の公式ページをもとに、必要になる場面、使える書類と有効な年度、銀行の扱いを整理します。
目次
貸金業法13条1項は、貸金業者に契約前の返済能力の調査を義務付けています。そのうえで同条3項は、次のどちらかに当たる場合に、源泉徴収票などの収入を示す書類を受け取るよう定めています。1つ目は、申込先の貸金業者での貸付額と、同じ業者での他の残高の合計が50万円を超える場合です。カードローンの場合は、使った額ではなく極度額で数えます。2つ目は、その合計に他の貸金業者の残高を足して100万円を超える場合です。金融庁のQ&Aは、どちらにも当たらなければ自己申告で年収を確認するとしています。
条文の書き方には注意点がいくつかあります。基準は「五十万円を超える」なので、50万円ちょうどは含みません。100万円の判定で足すのは「貸金業者の貸付けの残高」なので、銀行カードローンの残高は入りません。また、施行規則10条の16は、枠の中で1回ずつ借りる行為を契約時の調査の対象から外しています。義務がかかるのは、枠を設定する契約のときと、枠を増やすときです。同条5項は、極度額を増額する場合にも同じ規定を当てはめるとしています。
| ケース | 判定に使う合計 | 法律上の提出義務 |
|---|---|---|
| A社で極度額50万円、他社の借入れなし | 50万円 | なし(50万円を超えていない) |
| A社で極度額60万円、他社の借入れなし | 60万円 | あり(1つ目の基準) |
| C社で50万円、他の消費者金融2社に40万円ずつ | 130万円 | あり(2つ目の基準) |
| C社で30万円、銀行カードローンの残高80万円 | 30万円(銀行の分は入らない) | なし |
| A社の極度額を30万円から60万円に増額 | 60万円 | あり(増額にも適用) |
表の3段目は、SMBCモビットの公式コラムが挙げる例と同じ組み合わせです。C社だけを見れば50万円で1つ目の基準には当たりませんが、他の2社の80万円と合わせると130万円になり、2つ目の基準に当たります。4段目のように法律上の義務がない場合でも、日本貸金業協会は、返済能力の調査のために収入を示す書面の提出をお願いする場合があると説明しています。
貸金業法施行規則10条の17は、収入証明として使える書類を定めています。源泉徴収票、支払調書、給与の支払明細書、確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書、納税通知書、納税証明書、所得証明書、年金証書、年金通知書の11種類と、配偶者貸付けを受ける場合の配偶者の同じ書類です。写しや電子データでも構いません。給与明細は直近2か月分以上が原則で、地方税額から年収を計算する場合は直近1か月分で足ります。
実際に受け付ける書類と条件は、会社で少しずつ違います。アコムは年金証書と年金通知書を取り扱っていません。アイフルは、給与明細は直前の給料日から連続した2か月分が必要で、1か月分だけや月が飛んでいるものは扱えないとしています。アコム、プロミス、レイク、SMBCモビットも給与明細は直近2か月分とし、賞与がある人には直近1年分の賞与明細もあわせて求めています。施行規則10条の22は、給与明細から年収を出す場合、直近2か月以上の月平均を12倍し、過去1年以内の賞与を確認できれば加えられると定めています。月給25万円と26万円なら平均25.5万円×12で306万円、賞与が年60万円あれば366万円です。
書類が「最新」かどうかも確認されます。アイフルは2026年7月時点の案内で、2023年までに勤務を始めた人の最新分を、源泉徴収票と確定申告書は令和7年分、住民税決定通知書と所得(課税)証明書は令和8年度分としています。年の前半は切替えの時期にあたり、プロミスは提出日によって前々年度分も認めています。源泉徴収票は1月1日から2月末日まで、確定申告書は3月31日まで、住民税関係の書類は6月30日までが対象です。
| 書類 | 2026年10月時点の最新分(アイフルの案内) | 交付・発行の時期 |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 令和7年分 | 勤務先が翌年1月31日までに交付(所得税法226条) |
| 確定申告書 | 令和7年分 | 1月から3月に税務署へ提出したもの |
| 住民税決定通知書 | 令和8年度分 | 市町村が5月31日までに勤務先を通じて通知(地方税法321条の4) |
| 課税(所得)証明書 | 令和8年度分 | 前年の所得を証明。大阪市は6月1日から発行(特別徴収の給与所得者は5月20日から) |
| 給与明細書 | 直近の連続2か月分 | 毎月の給料日 |
源泉徴収票をなくした場合は、勤務先に再発行を頼みます。課税証明書は、1月1日時点で住んでいた市区町村が発行し、大阪市の手数料は窓口300円、コンビニ200円です。個人事業主の納税証明書は税務署で請求でき、「その2」が所得金額の証明です。転職した人の場合、原則として転職後の収入を示す書類を出すことになります。ただし施行規則10条の17第3項により、新しい勤務先で給与を2か月分受け取るまでは、以前の書類も使えます。
アコム、プロミス、アイフル、SMBCモビットは、書類にマイナンバーが書かれている場合、見えないように隠してから提出するよう求めています。番号法15条と20条は、法律で認められた場合を除き、他人のマイナンバーの提供を求めることや集めることを禁じています。プロミスとSMBCモビットは、隠さずに出された場合は自社で隠す処理をするとしています。なお、国税庁によると、勤務先から本人に渡す源泉徴収票には平成28年分以降マイナンバーを記載しません。隠す必要があるのは、確定申告書の控えなど、番号が書かれた書類です。アイフルは基礎年金番号も、アコムは本籍地も隠すよう求めています。
書類の中身がそろっているかも見られます。アコムは、給与明細に本人の氏名、発行年月、勤務先名、月収が書かれていることを求め、手書きの場合は勤務先の社判か社印が必要としています。アイフルは、収入証明書の勤務先名と登録した勤務先名が違うと登録できないとしています。副業がある場合、プロミスはすべての収入の書類を用意するよう案内しています。
書類を出さないとどうなるかも確認しておきましょう。金融庁は、提出しない場合に各社の判断で借入枠が減額されることがあるとしています。アコムは融資を一時停止することがあるとし、アイフルも限度額の減額や融資の停止がありうるとしています。
銀行カードローンには貸金業法13条3項は適用されません。ただし、全国銀行協会が2017年3月にまとめた申し合わせは、貸金業法で50万円超または他社を含め100万円超の審査に年収証明書が必要とされていることに留意するよう求めています。同年11月の全銀協の調査では、「年収証明書不要」をうたう広告をほぼすべての銀行が取りやめ、取得基準を「借入額300万円超」から「50万円超」に下げた例も報告されています。
| 銀行 | 収入証明書が必要になる場面 | 給与明細の扱い |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 50万円超の利用限度額を希望する場合 | 直近1か月分+(あれば)賞与明細 |
| 三井住友銀行 | 申込金額が50万円を超える場合 | 発行日が3か月以内+賞与明細(直近1年以内) |
| みずほ銀行 | 審査の結果、限度額が50万円超になった場合 | 受付書類に記載なし(源泉徴収票、住民税決定通知書・課税証明書、納税証明書) |
| 楽天銀行 | 限度額50万円以下は原則不要(審査の結果で求める場合あり) | 給与明細書の写し(月数の記載なし) |
判定のもとが「希望額」「申込金額」「審査結果の限度額」と違う点に注意してください。みずほ銀行は、収入証明書を出さない場合、限度額50万円・金利年14.0%で契約になると案内しています(2026年7月8日現在)。今回確認した4行の公式ページには、他社と合わせた100万円の基準や、3年ごとの再提出は書かれていませんでした。また、収入証明書が不要な範囲でも審査はあり、銀行は信用情報で他の借入れを確認します。銀行と消費者金融の審査の違いは、フリーローンの審査の基準の記事でも確認できます。
アコム、プロミス、アイフル、レイクは、いずれも、以前に出した収入証明書の発行日や提出から3年以上たった場合に再提出を求めるとしています。法令では、施行規則10条の26第2項が、契約後の調査で他社と合わせて100万円を超える人について、使える書類を原則として発行から3年以内(勤務先が変わっていないと確認できれば5年以内)と定めています。100万円以下の人にも一律に3年で求めているのは、各社の運用と考えられます。日本貸金業協会は、契約後も法令が定めた時期に信用情報で調べ、総量規制に触れると分かれば極度額の減額や貸付けの停止を行うと説明しています。
申込み前に、次の点を確かめておくと手続きが止まりにくくなります。
返済の負担が重く、書類の再提出を機に借入れを見直したいときは、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051、平日9時〜17時)に相談できます。
カードローンは枠の中で何度でも借りられる一方、毎月の返済額は残高に応じて決まります。使い道と金額が決まっている資金なら、必要な額だけを借りて返済期間を決める目的別ローンのほうが、総額と完済の時期を見通しやすくなります。
使い道と金額が決まった資金について、銀行などの目的別ローンの金利や返済期間を比べたいときは、CrowdLoanで、金融機関から届く提案を並べて検討できます。審査は提携の保証会社と各金融機関が行い、借入れの可否や金利を約束するものではありません。
調査日:2026年10月11日。書類の最新年度は2026年10月時点の当てはめです。各社の受付条件は変わることがあるため、提出前に申込先の案内を確認してください。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。
詳しくはこちら
クラウドローンとは
“借りたい”を登録して
お得な提案を待つだけ
融資をしたい銀行から、直接プラン提案を受けることで、
資金を必要としている一人でも多くの人に、融資の機会を提供します。