カードローンは完済しても契約は終わりません。解約の手続きをするまで借入枠は残り、信用情報にも「契約中(残高0円)」のような形で記録が続きます。解約すると、信用情報は「完了」「契約終了」に変わり、そこから5年ほどで削除されます。どちらにするかは、近いうちに住宅ローンなどの大きなローンを組む予定があるかで考えるとよいでしょう。
フラット35の申込みでは、カードローンは実際の借入額ではなく借入限度額(借入枠)を入力する決まりです。残高が0円でも、枠があれば借入れとして申告します。ただし、解約していないことが審査にどう響くかを公表している金融機関は、確認した範囲では見当たりませんでした。解約すれば必ず審査に通る、というものではありません。この記事では、信用情報機関ごとの記録のされ方と期間、住宅ローンの申込みでの扱い、解約の手続きと証明書を整理します。
目次
レイクは、完済を「お借入れ金額をすべてご返済すること」、解約を「完済後、ご契約を終了すること」と説明しています。三井住友銀行も、カードローンを完済しても自動的に契約が解消されるわけではなく、解約を希望するなら別に手続きが必要だとしています。完済後も解約していなければ、利用限度額の範囲で借りられる状態のままです。
契約期間は自動で延びる仕組みです。三井住友銀行は1年ごとの自動更新、三菱UFJ銀行のバンクイックは1年ごとに延長、アコムは5年ごとの自動更新と定めています。年齢などで終わる場合もあります。楽天銀行スーパーローンの規約は、満65歳の誕生日以降に迎える最初の契約更新日の前日で契約が終わるのを原則とし、バンクイックの規定は、満70歳以上の借主に期間を延長しない意思表示をすることがあるとしています。楽天銀行は、完済から1年以上新しい借入れがない場合、銀行側が契約を終了させることができるとも定めています。自動的に終わるわけではない点に注意してください。
解約しないことによる費用はかかりません。アコム、アイフル、レイクは、解約しなくても年会費や手数料はかからないと公式に説明しています。一方で、一度解約すると、同じカードローンを使うには新規と同じ申込みと審査が必要になると、三井住友銀行は案内しています。
完済と解約は、信用情報の表示にもはっきり表れます。日本の主な信用情報機関であるCIC、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の公式資料をもとに比べると、次のとおりです。
| 項目 | CIC | JICC | 全国銀行個人信用情報センター |
|---|---|---|---|
| 完済したが契約は継続中 | 終了状況は空欄(契約が継続中) | 「契約中(残高0円)」 | 公式資料に表示例なし |
| 解約して契約が終了 | 終了状況「完了」(カードは残高がなく解約したもの) | 「契約終了」 | 「完了」(完済または解約で契約が終了) |
| 契約・返済情報の保有期間 | 契約期間中および契約終了後5年間 | 契約継続中および契約終了後5年以内(2019年10月1日以降の契約) | 契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間 |
| 解約せず残高0円のまま | 特別の定めは公式資料に見当たらない | 残高0円のまま5年たつと契約終了後5年経過とみなす | 公式資料に記載なし |
| 極度額の登録 | あり(契約額・極度額) | あり | あり(限度額) |
| 申込み(照会)の記録 | 照会日から6か月間 | 照会日から6か月以内 | 金融機関への提供は6か月以内 |
CICの開示報告書の説明書によると、残債額が0円で終了状況が登録されると、報告日から5年間が保有期限になります。JICCは、完済日または契約終了日が2024年1月29日なら2029年1月28日まで登録されると例示しています。2026年10月11日に解約すれば、記録が消えるのはおおむね2031年10月ごろです。完済しただけで契約が続いている間は、記録は消えません。なお、本人の申し出による解約は「完了」として登録されるもので、返済能力の欠如を理由に会社が契約を打ち切る「強制解約」とは別の区分です。
JICCは、信用情報機関に「ブラックリスト」というリストはなく、審査は申込先の会社が総合的に判断すると説明しています。CICによると、会員会社が照会時に見る内容は、本人が開示した報告書の内容と同じです(登録元の会社名などを除く)。解約が反映されたかどうかは、自分で開示して確かめられます。CICは、ローンやキャッシングの契約内容に変更があった場合、翌日までに登録・更新されるとしています。
住宅金融支援機構のフラット35は、すべての借入れの年間返済額が年収に占める割合(総返済負担率)を、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下とすることを条件にしています。この「すべての借入れ」には、カードローン、クレジットカードのキャッシング、分割払いやリボ払いの購入が含まれると明記されています。さらにWeb申込みの入力要領は、カードローンについて「実際の借入金額ではなく、契約時に設定されている借入限度額(借入枠)を入力してください」と定め、申込日前3か月以内に完済した借入れも入力するよう求めています。
銀行の住宅ローンでも、事前審査の申込書に既存の借入れの「貸越極度額」や「当初借入(極度額)」を書く欄がある例があります(湘南信用金庫、但馬銀行)。ただし、極度額を返済負担の計算にどう入れるかを公式に示した資料は見つかりませんでした。三菱UFJ銀行の公式コラムは、借入枠の上限まで使った場合でも返済できるかという基準で審査することが「あります」と書き、プロミスの公式コラムは、解約しているかどうかが住宅ローン審査に大きな影響を与える可能性は低いとしています。金融機関の解説でも見方が分かれているので、申込先に直接確認するのが確実です。
枠が返済負担に数えられた場合の影響を、仮の数字で見てみます。年収500万円なら、総返済負担率35%の上限は年175万円です。マイカーローンを月3万円(年36万円)返していると、残りは139万円になります。ここで極度額100万円のカードローンを全額借りたとみなし、仮に三井住友銀行の約定返済額表の月15,000円(年18万円)を当てはめると、残りは121万円です。換算の方法は公表されていないため、この数字は考え方を示すための仮定にすぎません。
フラット35では、「借入前に完済予定」とした借入れは、契約手続きのときまでに完済して確認資料を出す必要があり、完済できなければ融資を受けられないとしています。完済証明書などの提出を求められることもあります。住宅ローンを申し込む予定があるなら、解約するかどうかと、証明書をどう取り寄せるかを、申込みの前に決めておくと手続きが滞りません。
解約の前提は、残高を完全に0円にすることです。三菱UFJ銀行のコラムは、解約には無利息の残高まで返す必要があるとしています。プロミスは、ATMでは1,000円単位の取引になり端数が残ることがあるとしているので、端数は振込やインターネットで返してください。各社の公式の案内は次のとおりです。
| 会社 | 解約の窓口 | 証明書 |
|---|---|---|
| 三井住友銀行 | カードローンプラザに連絡して郵送で手続き、または支店窓口 | 公式ページでは発行の有無を確認できず |
| アコム | 自動契約機か、アコム総合カードローンデスク | 解約証明書は依頼後に郵送(自動契約機では発行しない)。完済証明書の代わりに残高0円の残高証明書 |
| アイフル | スマホアプリ(おおむね1週間以内に完了) | 解約証明書は郵送で、到着まで1〜2週間 |
| レイク | フリーダイヤルに連絡 | 解約証明書・完済証明書を会員ページからダウンロード(郵送も可) |
証明書は自動では届きません。プロミスの公式コラムは、解約証明書や完済証明書は自分で申請して発行してもらうもので、発行していない会社や手数料がかかる会社もあると説明しています。信用情報の開示報告書は、全国銀行個人信用情報センターが「いかなる場合も証明書として使用することはできません」としているため、完済や解約の証明には使えません。
解約後の確認には本人開示が使えます。CICはインターネットで500円(即時)、郵送で1,500円です。JICCはスマホアプリで700円(1〜3日程度)、全国銀行個人信用情報センターはインターネットで800円ですが、即時の開示はできず、現在は申込みが多く日数がかかると案内しています。開示の注意点は、CICやJICCで信用情報を開示するときの注意点の記事で確認できます。
近いうちに住宅ローンやマイカーローンを申し込む予定があるなら、申込先に既存のカードローン枠の扱いを確認し、解約するなら証明書の取り寄せまで済ませておくと安心です。使いすぎが心配な人も、解約すれば借入枠そのものがなくなります。反対に、大きなローンの予定がなく、急な出費に備えたい人について、三菱UFJ銀行のコラムは、解約せずに持っておくのも一つの考え方だとしています。銀行カードローンは貸金業法の総量規制の対象外ですが、フラット35の総返済負担率では「すべての借入れ」に含まれる点は変わりません。
カードローンを解約したあとに大きな資金が必要になった場合は、使い道と返済期間を決めて借りる目的別ローンを検討する方法もあります。カードローンの枠を残すか迷うときも、将来どんな資金が必要になりそうかを書き出してから決めると判断しやすくなります。
完済後に住宅以外の使い道が決まった資金が必要になったときは、CrowdLoanで、銀行などから届く目的別ローンの提案の金利と返済期間を並べて検討できます。審査は提携の保証会社と各金融機関が行い、借入れの可否や金利を約束するものではありません。
調査日:2026年10月11日。信用情報の表示と保有期間は各機関の公表資料によります。住宅ローンの審査でカードローン枠がどう扱われるかは金融機関ごとに異なり、公表されていません。
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