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車のチューニングとは?魅力や注意点・予算の目安などを解説

現代の車には様々な機能が搭載されていますが、もっとも原始的かつ重要な性能は「走行性能」であり、いかなる場面でもドライバーの思った通りに動く車は魅力的に感じられるものです。
その一方で、自動車メーカーは日本や他国で安全・最適な状態で走ることを念頭に車作りをしているため、ノーマル車の走行性能には限界が設けられています。

走りの質を追求するにあたっては、車を「チューニング(調整)」することが重要であり、その世界は深く、終わりがありません。
この記事では、そんな車のチューニングについて、魅力やチューニング時の注意点、予算の目安などについて解説します。

そもそも車のチューニングとは?何のために行うのか

車のチューニングとは、ドライバーの希望に合わせて、法律・規則の範囲内で改造を施すことをいいます。
より狭義のイメージとしては、主にサーキット走行を想定して、自分が速く走行できるような車に仕上げるような意味合いになるでしょう。

似たような用語に「カスタム」があり、こちらは走行性能に限らず幅広い意味合いで車を改造するケースが該当します。
見た目を重視するラグジュアリー系カスタムや、キャンプ・釣りなどの趣味に特化したアウトドア向けカスタム、車内で快適に過ごすための車中泊向けカスタムなどが一例です。

とはいえ、チューニングと聞いて、あまり堅苦しく考える必要はありません。
例えば、現在乗っている車のシートでは座面が低く運転しにくい場合に、低反発クッションをシートに敷いて視界を改善するのも、広い意味でとらえれば「チューニング」の一つに数えられます。

つまり、車で走るという観点から、より運転・操作がしやすいような改造を施したり、アクセルをふかせばスピードが出るように仕上げたりするのが、基本的にはチューニングと考えて問題ないでしょう。

車のチューニングの方向性と魅力

一口に「車をチューニングする」と言っても、最終的に車をどう仕上げたいのかによって、チューニングの方向性は変わってきます。
どこを、どこまでチューニングするのかによって、予算の目安が変わってくることから、チューニングは「ドライバーが満足する」まで終わりはありません。

また、一度にフルチューン(複数箇所のチューニングを一通り終えている状態)を実施してしまうと、ドライバーの操作がマシンに追いつかないなどの弊害が生じるおそれがあるため、一般的には足回り、吸排気、ブレーキ、エンジン、ボディといったように段階的にチューニングを行います
上記を踏まえた上で、本記事では主なチューニングの方向性やそれぞれの魅力に加えて、仮のケースとして「一度にフルチューンを行った状況」を想定した予算の目安について解説します。

一般道でもサーキットでも楽しめる「ストリートチューン」

たまにサーキットを走ることはあるものの、基本的には一般道を走る機会が多い場合は、ストリートチューンを施すケースが多く見られます。
現代において主流のチューンであり、走行性能に全振りするのではなく、内装やオーディオにもこだわっているのが特徴です。

また、街乗りすることも想定しているため、低速走行にも対応できるよう、エンジン内部を大幅にいじるケースは少ない傾向にあります。
よって、排気ガスのエネルギーを利用して出力を上げるターボチャージャーや、クランクシャフトの回転を動力として空気を圧縮するスーパーチャージャーなどを装着するケースがほとんどです。

ストリートチューンの魅力は、オンロードであれば場所を問わず快適かつ高速での走行ができることですから、公道では高速道路や峠道などでチューニングの効果を把握しやすいでしょう。
ただし、本格的にサーキットを走るわけではないため、作業範囲やパーツを限定すれば20~80万円ほどに収まるケースも十分考えられます。

フルチューンを想定した場合は、軽自動車クラスでも100万円以上、コンパクトカーやセダンは200~300万円以上の予算を見積もっておいた方がよいでしょう。

主にサーキットを走るなら「サーキットチューン」

タイムアタックやレースへの参加など、主にサーキットを走る想定でチューニングを施す予定なら、サーキットチューンを施すことになるでしょう。
車をしっかり制動できるよう、ブレーキ周りのチューニングに注力しつつ、高速域で安定した走行ができるようボディ剛性も強化しなければなりません。

また、車の軽量化のためエアコン・オーディオ・インパネ類などのパーツを取り外すことも珍しくなく、運転席以外のシートを取り外すこともあります。
サスペンションに関しては、ハンドル操作をしやすくするため、柔らかめのセッティングになっている車が多く見られます。

サーキットチューンの魅力は、サーキットという走行速度に制限のない環境で、車の全開性能を試せる点にあります。
また、主にサーキットを走る想定でチューニングする分、思い切った改造ができるため、車種やコンセプトによってはストリートチューンより予算を抑えることも可能です。

フルチューン時の最低ラインの予算感としては、50~200万円が想定されます。
ただし、チューニングにこだわると際限なくお金が飛んでいくおそれがあるため、段階的に・予算の範囲でチューニングを継続するのが理想です

ドリフトに興味があるなら「ドリフトチューン」

ドリフトチューンとは、主に「ドリフト走行」を目的としたチューニングのことをいい、ドリフト走行とは「意図的に車を滑らせるようにしてカーブを曲がる」走行技術のことを指します。
かつてはサーキットで速く走るための技術の一つとして活用されていましたが、車のグリップ性能の向上とともに、サーキットではコンマ1秒を競う合理的な走りが評価されるようになり、現代のドリフトは走行技術の魅力を競う方向性へと進化していきました。

一般的に、ドリフトチューンには後輪を滑らせやすいFR(後輪駆動)車が選ばれやすく、高いコントロール性を確保するため車高調整式のサスペンションを装備することが多い傾向にあります。
また、カーブを曲がる際にスピンに至らないよう、旋回方向と逆にハンドルを切る「カウンターステア」という技術も要求されるため、フロントタイヤの切れ角を増やすためのチューニングも行われます。

ドリフトチューンに関しては、ドリフトに適した車を選べば、中古パーツだけでも30~80万円の予算でフルチューンすること自体は可能です。
しかし、競技大会に出ることを想定した場合、パーツも高価になるため、250~500万円ほどの予算を見積もることになるでしょう。

無視できないのがタイヤ代で、ドリフトは練習走行でもタイヤを酷使することから、1回競技大会に参加するだけで10万円以上の金額が飛んでいくことも珍しくありません。
よって、ドリフトを楽しむためには、ランニングコストにも目を向ける必要があります。

そのほかのチューニング

先にあげた以外のチューニングの方向性としては、次のようなものがあげられます。

  • ドラッグレース向けチューニング
  • ラリー向けチューニング

ドラッグレースとは、約400mの距離のコースで、停止状態からスタートしてゴールまでの速さを競う競技のことです。
短時間で最高速度に達する必要があるため、高出力化を目指したチューニングが施され、エンジンにつきノーマルの3倍にまで馬力を上げたり、強力なトラクションからドライブシャフトを守るためにトレッドを狭くしたりするなど、特殊なチューニングが求められます。

車作りが特殊な分、1秒を切ろうとするごとにチューニングにかかる費用も高くなる傾向にあることから、本気でタイムを狙うならチューニングに1,000万円以上かかることも覚悟しなければならないでしょう。

ラリー向けチューニングの場合は、所定の車両規定にのっとってチューニングを施す必要があり、エンジンに関しては逆にパワーを制限するパーツの装着が義務付けられていることもあります。
走行する場所によってチューニングを変えるのもラリーの特徴で、路面と車との相性がかみ合いタイムが出れば、チームで喜びを共有できます。

ラリーの映像を一度でも見た人ならお分かりかと思いますが、ラリー走行の様子は一般ドライバーから見て常軌を逸しており、木などの障害物をなぎ倒すように走ったり、雪道の緩やかなカーブを滑りながら超高速で走り抜けたりします。
そのような過酷な走行状況に対応するため、チューニングにもコストがかかり、フルチューンには概ね300~1,000万円がかかるものと考えられます。

これからチューニングを始める際の注意点

これからチューニングを始めようと考えているなら、やみくもにブーストアップを目指すのではなく、順番を考えてチューニングを進めることが大切です。
以下、チューニングを進める際の注意点について、一般的な流れに沿って解説します。

チューニングの基本は「足回り」

愛車のチューニングをスタートする際は、まず次のような「足回り関連」のチューニングから始めるとよいでしょう

ポイント方向性の例予算感
サスペンション車高調整式(車高調)で車高を下げてサーキットで走りやすくする などサスペンションすべてを交換するなら200,000円ほどだが、廉価に抑えるなら100,000円程度を想定しておくとよい
タイヤドリフトの練習用にグリップ力が低いリアタイヤを装着する など手ごろな値段のものなら1本あたり6,000~15,000円ほどで手に入るが、サイズや性能によって金額は変動
ホイール軽さと剛性、空力効果などが期待できる鍛造ホイールを装着する など1本あたり37,000円~という価格帯のものもあるが、高いものは数十万円以上の値段になることも
スタビライザーコーナーを曲がる際のロールを減らすため、強化スタビライザーを取り付ける など本体価格+工賃で50,000~70,000円程度を想定しておくとよい

足回りを交換するだけでも、ノーマル状態と比較して走りが良くなっていることに気付く人は多いですが、目的に合ったチューニングでなければ逆効果になるため注意しましょう。

足回りの次に取り組むべき「吸排気」と「ブレーキ」

足回りでチューニングの効果を感じたら、エンジンやボディのチューニングに進む前に、吸排気のチューニングを行うのがセオリーです。
このタイミングで、ブレーキの性能向上にも意識を向けます。

ポイント方向性の例予算感
エアクリーナー純正のエアクリーナーボックスの代わりに、円形・円筒形のエアクリーナーを装着して吸気効率を高める など車用品店や通販サイトで見つけられるもので30,000円弱~50,000円台
マフラーパイプの曲がりが緩やかで、かつ強度が高いステンレス製・チタン製のマフラーに交換する など車種によって取り付けられる種類が異なり、価格帯も30,000円台から数十万円まで幅広い
メタルキャタライザー純正に比べて排気効率を高めつつ、排出ガス規制など環境性能を両立させるために用いる安いものなら60,000円台で手に入ることもあるが、スポーツモデルの車種対応のものは500,000円以上する場合も
ブレーキ関連スポーツ走行向けのブレーキパッド、ブレーキローター、ブレーキキャリパーを取り付ける など●ブレーキパッド:3,000~30,000円
●ブレーキローター:30,000~60,000円
●ブレーキキャリパー:30,000~100,000円

これらのチューニングを行わないままエンジン・ボディのチューニングに進んでも、十分にパワーを引き出せず、思ったよりパフォーマンスが良くならない可能性があります。

エンジン・ボディのチューニングは最後に行う

エンジンやボディのチューニングは最終段階となるため、足回りや吸排気・ブレーキなどをチューニングする際は、最終的にエンジン・ボディをどうチューニングしたいのか、ゴールを見据えて行うことが重要です。
基本的には自力で行うのではなく、専門のチューニングショップに足を運び、目的に応じたチューニングを行ってもらうことをおすすめします。

エンジン関連の代表的なチューニングに「ブーストアップ」がありますが、これはターボによって強制的にエンジンに送り込んでいる空気の量を、純正のブースト圧よりも高くして出力を高めるというものです。
比較的簡単にできるチューニングではあるものの、素人が手を出すと、最悪の場合はエンジンが破損するおそれもあります。

予算が気になる場合は、ブーストアップキットなどパッケージングされたサービス、価格帯としては200,000~300,000円ほどで対応してくれるチューニングショップを選びましょう。

なお、ボディに関しては、いわゆる「エアロパーツ」を装着することで、ダウンフォースを得て安定性を高めるチューニングを行います。
こちらも、フルセットでそろえると200,000~300,000円ほどかかることが予想されるため、予算に応じて検討しましょう。

チューニングにカーローンは利用できる?

足回りからエンジンに至るまで、一通り自分の希望通りのチューニングを実現するためには、新しく車が買えるレベルの投資が必要です。
そこで検討したいのが、チューニングにも利用可能なカーローンを利用することです。

チューニングショップでカーローンをあっせんしているケースもありますが、信販会社取り扱いのローンとなるため、利用するなら金利は高くなることを覚悟しなければなりません。
しかし、金融機関のカーローンを使えば、総じて金利を安く抑えられます。

また、金融機関の中にはチューニング(カスタム)にも利用できるカーローンを取り扱っているところもあるため、ローンを組むならいったんそちらの利用を考えてみることをおすすめします。

毎月の支払負担を抑えたいなら「クラウドローン」

カーローンを組んで納得のいくチューニングができたとしても、走行状況によっては定期的に交換しなければならないパーツもあるはずですから、カーローン分の負担は少しでも軽くしておきたいところです。
そこでおすすめなのが、低金利ローンのマッチング&比較サービス「クラウドローンです。

クラウドローンを利用すると、全国各地のクラウドローン提携銀行から、自分の条件に合った低金利の提案を受けられます
Web上で本人確認登録、審査申込みが完了するため、カーローンを組もうとしていることを家族に知られたくない人も安心して利用できます。

まとめ

チューニングは、自分の愛車の走行性能を高め、理想の走りを実現するために行うものです。
それだけに、人によってチューニングの最適解や最終地点は異なり、いったん「これでいい」と思ったチューニングを見直したくなることも珍しくありません。

色々なチューニングを試す中で良いタイム・結果が出た場合も、逆に悪い結果になってしまった場合も、終わりのない問いに直面することになるでしょう。
自分の中で落としどころをつけ、予算の範囲内で少しずつ愛車と付き合うことが、ドライバーにとっての理想的なチューニングのあり方なのかもしれません。


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