リフォーム代金を払った後でリフォームローンを使えるかは、金融機関によって答えが分かれます。北洋銀行のように3か月以内の支払済み資金も対象にする例がある一方、イオン銀行やドコモSMTBネット銀行は、融資の前に払った資金を対象外としています。対象にする場合も、期間やクレジットカード払いの扱い、手付金に限るといった条件が付きます。
確実なのは、工事代金を払う前にローンを申し込み、融資金で支払う順番にすることです。すでに一部を払ってしまった場合は、残りの代金だけを借りられるか、払った分も対象になるかを申込み前に確かめます。この記事では、銀行と信用金庫の公式資料から、支払済み資金の扱いと、手続きの順番を整理します。
目次
公式資料で扱いを確認できた例を並べます。「記載なし」は、確認した資料に書かれていないという意味です。
表1 支払済み資金の扱いと融資金の振込先(各金融機関の公式資料、2026年10月18日確認)
| 金融機関 | 支払済み資金の扱い | 融資の時期 | 融資金の振込先 |
|---|---|---|---|
| 北洋銀行 リフォームローン | 3か月以内の支払済み資金も対象(クレジットカード払いを除く) | 契約手続きは工事完了後 | 返済口座に入金後、銀行から工事業者へ振込 |
| おおかわ信用金庫・静清信用金庫 リフォームプラン | 申込日時点で支払日から3か月以内の、工事請負契約時の手付金・契約金に限り対象 | 記載なし | 記載なし |
| イオン銀行 リフォームローン | 融資前に施工業者へ払った資金は対象外 | 工事完了後 | 本人名義の口座に入金後、支払先へ振込 |
| ドコモSMTBネット銀行 リフォームローン | 支払済みの資金には使えない(他の金融機関のリフォームローンの借換えは可) | 分割払いは工事完了後の一括か最終金のみ | 代表口座に入金と同時に支払先の法人口座へ振込 |
出典:北洋銀行はリフォームローンの商品ページ、おおかわ信用金庫は商品概要(令和7年9月1日現在)、静清信用金庫は商品概要説明書(令和6年4月1日現在)、イオン銀行は商品ページ(2026年10月1日現在)と商品概要説明書、ドコモSMTBネット銀行は商品ページ、商品概要説明書(2026年8月3日現在)、必要書類のページ。
北洋銀行の「3ヵ月以内」は、商品ページに起算点が書かれていません。申込日から数えるのか、別の日から数えるのかは、申込み前に確認してください。おおかわ信用金庫と静清信用金庫は、「申込日時点で、支払日から3ヵ月以内」と書いています。たとえば7月10日に払った手付金なら、10月10日ごろを過ぎてから申し込むと対象外になる可能性があります。日数の数え方は金融機関に確かめてください。
払った方法も確認が必要です。北洋銀行は、クレジットカードで払ったものを支払済み資金の対象から除いています。給湯器が壊れてその場でカードで払った場合などは、この条件にあたります。
リフォームローンは使いみちが決まった目的別のローンです。多くの商品は、融資金を金融機関から工事業者へ直接振り込むか、本人の口座に入金した直後に支払先へ振り込む方法をとっています。ドコモSMTBネット銀行は、融資金を本人の口座へ振り込むことはできず、振込先は法人口座に限るとしています。青木信用金庫や東濃信用金庫の商品概要も、工事の契約先へ振り込むとしています。
支払いがすでに終わっていると、この振込の仕組みを使えません。融資金が本人の手元に入る形になり、工事代金に使われたかを振込で確かめられなくなります。支払済み資金を対象にする金融機関でも、期間を区切ったり、手付金に限ったりしているのは、こうした事情があると考えられます。
工事請負契約のときに手付金を払い、残りを完成後に払う契約はよくあります。この場合、まだ払っていない残金はローンの対象になるのが一般的です。問題は、払った手付金も含めて借りられるかどうかです。
工事総額300万円、契約時に手付金30万円を現金で払い、残り270万円を完成後に払う例で考えます。以下は各資料の記載を当てはめた整理で、実際の可否と金額は審査で決まります。
表2 工事総額300万円・手付金30万円を支払済みの場合に借りられる範囲の目安
| 資料の記載 | 借入れの対象になりうる額 | 確認すること |
|---|---|---|
| 支払済み資金を対象外とする(イオン銀行など) | 残金270万円 | 手付金30万円は自己資金のまま |
| 手付金・中間金の借入れは不可、最終金は可(ドコモSMTBネット銀行) | 最終金270万円 | 手付金の領収書など最終金であることがわかる書類 |
| 3か月以内の手付金・契約金も対象(おおかわ・静清信用金庫) | 300万円 | 支払日から申込日までが3か月以内か |
| 3か月以内の支払済み資金も対象、カード払いを除く(北洋銀行) | 300万円 | 起算点、支払方法が現金か |
ドコモSMTBネット銀行は、分割払いの場合に借りられるのは工事完了後の一括借入れか最終金の支払いのみとし、最終金を借りるときは、すでに払った手付金や中間金の領収書などの提出を求めています。支払いの記録は、ローンを使うかどうかにかかわらず保管しておいてください。
北洋銀行の工事完了報告書の書式には、工事費の合計から手付金を差し引いた「請求額」を書く欄があります。完成時の請求額と、払った手付金を分けて示すことが前提になっています。
まだ工事代金を払っていないなら、ローンの手続きと支払いの順番を合わせるのが確実です。資料の記載から、一般的な流れを整理します。
最初に、複数の業者から見積もりを取り、ローンの仮審査を申し込みます。北洋銀行は、工事内容や依頼業者が決まる前でも申し込めるとし、審査結果の通知後、契約までに工事請負契約書などを出す流れです。次に、業者と工事請負契約を結び、支払いの時期と金額を契約書に書きます。続いて、ローンの契約と融資を受け、融資金で業者に支払います。北洋銀行とイオン銀行は工事完了後に融資する扱いのため、完成後に支払う契約にしておくと順番が合います。
融資までの日数も見込みます。北洋銀行は、審査完了後に必要書類を出してから2週間程度かかるとしています。ドコモSMTBネット銀行は、仮審査の申込みから借入れまで通常2週間程度とし、契約手続きと振込先の登録を借入希望日の3営業日前までに行うよう求めています。業者から支払期限を示されたら、その日付から2〜3週間さかのぼって手続きを始めると余裕があります。
工事代金の前払いには、ローンとは別のリスクもあります。国民生活センターは、高額な前金を払ったのに工事が進まないという相談を紹介し、高額な費用の全額前払いは避け、完成後の支払いを主とした契約にするよう呼びかけています。着手金や中間金の支払時期とローンのずれを防ぐ段取りは「リフォーム工事の着手金・中間金はいつ払う?」で詳しく説明しています。
使いみちを確認する書類は、どの金融機関でも求められます。ドコモSMTBネット銀行は注文書・見積書・振込依頼書など、新湊信用金庫は見積書・注文書・請求書等、日新信用金庫は工事見積書・工事請負契約書等を挙げています。北洋銀行は工事請負契約書などに加え、施工会社が記入する工事完了報告書の書式を用意しています。
支払済み資金も対象にしたい場合は、払ったことを示す領収書が必要になると考えておいてください。振込で払った場合は振込の控え、現金なら業者の領収書を保管します。見積書・契約書・領収書の金額と日付がそろっていないと、どの支払いがどの工事のものかを説明できなくなります。
給湯器の故障や雨漏りのように、工事を待てない場面もあります。費用の目安は「ガス給湯器の交換費用はいくら?」で整理しています。先に払うしかないときは、次の点を確認しておくと、あとでローンを使える可能性を残せます。
まず、払う前に業者へ見積書と請求書を出してもらい、工事内容と金額を書面で残します。次に、支払方法を確認します。カード払いを支払済み資金の対象から外している金融機関があるため、ローンへの切り替えを考えているなら、振込など記録が残る方法も検討してください。そのうえで、支払日から日数がたたないうちに、支払済み資金を対象にしている金融機関に相談します。ただし、対象にならない場合は、立て替えた代金を手元資金や他の方法で賄うことになる点も想定しておく必要があります。
これから工事代金を払う段階なら、支払日の前にCrowdLoanで保証会社の事前審査を受け、複数の金融機関の提案を比べる方法もあります。公式ヘルプは、所有不動産のリフォーム資金などの用途を案内しています。融資の可否と条件は保証会社と金融機関が審査し、CrowdLoan自体は融資の審査をしません。提案が届くとは限らず、提案の金利や借入可能額は金融機関の本審査で変わることがあります。支払済み資金を対象にするかどうかは提案を選んだ金融機関の条件によるため、本申込みの前に確認してください。すでに支払いを終えてから時間がたっている人は、どの金融機関でも対象外になる可能性が高く、向きません。支払期限まで1〜2週間しかない人も、必要書類の提出後10日〜2週間程度という目安に間に合わないおそれがあります。
北洋銀行は、クレジットカードで払ったものを支払済み資金の対象から除いています。ほかの金融機関も含め、支払済み資金そのものを対象外とする例があるため、カード払いの分をローンに切り替えるのは難しいと考えてください。
借り換えを対象にしている商品があります。ドコモSMTBネット銀行は、支払済み資金には使えない一方で、他の金融機関で借りているリフォームローンの借換資金には使えるとしています。イオン銀行は、他社のリフォームローンの借換えには利用できないとしています。
金融機関によります。ドコモSMTBネット銀行は本人の口座への振込はできないとしています。イオン銀行や新湊信用金庫は、本人名義の口座に入金した後、すぐに支払先へ振り込む流れです。
調査日:2026年10月18日。商品の条件は変わることがあります。表2は資料の記載を当てはめた目安で、実際の可否と金額は審査で決まります。
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