犬や猫などペットを家族として迎えたくても一括で購入するのが難しいときや、ペットが病気になり、高額な医療費がかかるようなときには、ペットローンを利用できます。
ペットローンは具体的にどのようなローンで、どのようなことに利用できるのでしょうか。
また、ペットローンの審査の内容は、ほかのローンと違いがあるのでしょうか。
ここでは、ペットローンの概要と種類、審査内容について解説します。
この記事を監修する専門家
定盛FP事務所 代表 ファイナンシャル・プランナー
定盛秀俊
金融機関・信販会社で学んだ与信、トラブル案件処理のノウハウに、不動産業務・保険業務の実践的な経験を加味し、FP業の核としている。宅地建物取引士。
日本FP協会が認定するCFP資格取得後、ファイナンシャル・プランナーとして独立、さらに1級ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得。武蔵野大学高等学校にてFP特別授業の講師を2003年から16年間勤める。学生から年配の方まで、お金に関する分かりやすいアドバイスと情報の提供を心掛けている。
また、他の専門家と一味違った問題提起と解決策を念頭に、相談業務、執筆、講演を積極的に行っている。
ペットローンとは?
ペットローンとは、ペットに関する出費のために用意されたローンです。具体的にどのような出費に利用できるのか見ていきましょう。
ペットの購入費用
犬や猫以外にも、ハムスターやウサギなどの小動物、イグアナやヘビなどの爬虫類など、多くの動物がペットとして飼われています。
こうしたペットをペットショップなどで購入する場合、動物の種類によって高額な費用が必要です。
例えば、犬をペットショップで購入する場合、犬種によっては数十万円になることも珍しくありません。
そのような高額なペットを家族に迎えたいときに、ペットローンを利用することができます。
ペットの病気やケガの医療費
ペットとの暮らしでかかる費用のうち、高額になってしまうのが医療費です。ペット保険に加入していれば、ペットの医療費に保険が適用されますが、その全額をペット保険でまかなえないこともあるでしょう。
さらに、先進医療などが必要になった場合、数10万円、時には100万円以上という高額な医療費が発生する可能性もあります。
手術や入院以外にも、長期の通院が必要になれば、人間以上に医療費がかかってしまうこともあるかもしれません。
また、ペットによっては、毎年のワクチン摂取や健康診断など、健康維持に関連する費用も必要です。
そのような場合にも、ペットローンを利用することができます。
ペットのお手入れ
ペットによっては、専門店でのトリミングなど、定期的なお手入れが必要なペットもいるでしょう。
さらに、しつけ教室などに通わなければならないこともあるかもしれません。
このような、ペットの飼育に必要な費用にもペットローンを利用することができます。
ペットローンの種類
ペットローンは、大きく分けて2種類あります。銀行など金融機関が扱うペットローンと、ペットショップと提携している信販会社が扱うペットショップのペットローンです。
金融機関のペットローンとペットショップのペットローンは、ローンの審査や金利のほか、ローンの利用目的など、特徴が異なります。
続いては、金融機関のペットローンとペットショップのペットローンの特徴についてご説明します。
銀行など金融機関のペットローンの特徴
ペットローンとしてペット専用のローンを取り扱っている金融機関もありますが、多くはフリーローンなど、使途を限定しないローンを利用することになります。金融機関のペットローンには、下記のような特徴があります。
- 金利が低めに設定されている銀行など金融機関のペットローンの金利は4%前後~12.0%前後で、一般的なフリーローンに比べると低めに設定されています。借入限度額は金融機関や借入時の条件によって異なりますが、最高で700万~800万円と高額です。借入期間はローンの種類によって変わりますが、最長で10年まで設定が可能なものもあります。
- 使途の自由度が高いペットローンは、ペットの購入はもちろん、理美容や健康維持、ケガや病気の治療、ペット用品用具の購入など、ペット関連の使途に幅広く対応しています。
- 審査が厳しい傾向があり、時間がかかるペットローンに限りませんが、銀行など金融機関のローンは、信販会社のローンに比べて審査が厳しい傾向が見られます。審査を申し込んでから結果が出るまでには、1週間程見ておく必要があるでしょう。 また、金融機関でローンを組む場合、本審査の前に仮審査を受ける必要があり、この審査の流れはペットローンにも適用されます。仮審査では、ローンを申し込んだ人が申込書に記入した個人情報や収入、勤務先などの情報をもとに審査します。この仮審査に通れば本審査です。本審査では、金融機関が信用情報機関にローン申込者のクレジットやローンに関する取引履歴を照会して、返済能力の有無を確認するなど、より詳しい情報が審査されます。
なお、多くの金融機関では、ウェブサイトで返済シミュレーションをすることが可能です。
ペットショップのペットローン
ペットショップのペットローンは、ペットショップと提携している信販会社が扱うローンです。ペットショップのペットローンには、下記のような特徴があります。
- 金利はペットショップによって大きく異なるペットショップのペットローンの金利は、信販会社によって大きく異なります。中には、無金利で利用できるペットショップのペットローンもあります。ですが、無金利の場合、返済期間が通常のローンよりも短く設定され、毎月の返済額が高額になることもありますので、利用する際には注意が必要です。
- 融資の審査は短時間で、通りやすい傾向がある信販会社のローンは、金融機関のローンに比べると審査が通りやすい傾向があります。これは、金融機関のローンよりも、一般的に金利が高いことが理由として挙げられるでしょう。ペットショップのペットローンも同様で、早ければ数時間で審査の結果が出ることもあります。
- 使途が限定されていることが多い銀行など金融機関のペットローンは使途が幅広いのに比べ、ペットショップのペットローンの場合、ペットの購入にのみ利用できるという場合がほとんどです。購入後の飼育や健康維持に関する出費には対応していません。
ペットローンの審査は厳しい?
金融機関でも信販会社も、ローンの種類にかかわらず、審査基準を明らかにしていません。これは、ペットローンでも同様です。また、ペットローンはほかのローンに比べても、審査が厳しいといわれています。
続いては、ペットローンの審査が厳しい理由や、審査のポイントについてご紹介します。
無担保なので審査が厳しい
ペットローンがマイカーローンや住宅ローンと大きく違うのは、ペットは生物であるため担保にできないという点です。
そのため、銀行など金融機関のペットローンもペットショップのペットローンも、申込者に対して無担保でお金を貸し出すことになります。ペットローンの審査が厳しいといわれるのは、担保できるものがないからだと考えられます。
年収の額よりも安定性が大事
ペットローンに限らずローンの審査では、申込者の収入状態が確認されます。金融機関や信販会社は、ローンの返済の見込みがない人には融資しません。
ただ、金融機関や信販会社によっては、年収の額よりも収入が安定しているかどうかが重要視される場合があります。例えば、その年によって年収が大きく変化する人よりは、毎年の収入が安定している人のほうが、ローンの審査に通りやすくなります。
審査には信用情報が重要
マイカーローンや住宅ローンなどのローンを組んだり、クレジットカードで買い物をしたりした個人の金融取引に関する情報は、そのすべてが記録され、信用情報機関という組織で管理されています。そして、新たにローンを組むときには、金融機関や信販会社は信用情報機関に問い合わせ、過去のクレジットやローンに関する取引履歴を照会します。
そのため、過去に支払いの遅延があったり、クレジットカードが利用停止になっていたりすると、ローンの審査に通らなくなる可能性が高くなります。クレジットカードやローンの支払い、キャッシングで借り入れたお金の返済などは、期日までに済ませることが大切です。
個人と金融機関の融資マッチングプラットフォーム「クラウドローン」
最後に、最近注目を集めている「クラウドローン」をご紹介しましょう。
これは、融資マッチングプラットフォームという新しい金融サービスで、すでに国内の多くの金融機関がこの仕組みに参加しています。
クラウドローンの仕組み
クラウドローンは、お金を借りたい個人と、お金を貸したい金融機関とのあいだをつなぐ、マッチングサービスです。例えば、個人ユーザーが「ペットを家族に迎えたいので、◯◯万円借り入れたい」と登録します。
すると、そのリクエストに応えられる金融機関から、ユーザーに提案が届きます。
それらの提案を比較検討して1つに絞り込めたら、あとは直接審査を申し込み、ローンを組むという流れです。
個人でも幅広く活用できる
クラウドローンに登録すると、多くの金融機関から直接提案を受けることができるため、ユーザーがいくつもの金融機関に資料の請求をしたり、融資申込のために金融機関に出向いたりする手間がかかりません。
提案を受けた中から気に入ったものがあれば、直接仮審査を受けられますので、簡単に借入れの見通しを立てられます。特定の金融機関に偏らず、ユーザーの希望に合った提案を受けられ、さらにそこから選択できる自由さがあるのです。
ペットローンは比較検討して、無理なく活用しよう
ペットローンは種類によって特徴が違い、それぞれメリットもデメリットもあります。借入金額や返済期間、金利などをよく検討して、無理のない返済計画を立てましょう。
クラウドローンはペット関連の費用だけでなく、幅広い使い方ができる新しいサービスです。ペットに関する支払いの選択肢のひとつとして、さまざまな場面で活用してみてはいかがでしょうか。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://pre.crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。
詳しくはこちら
ペットローンの概要、利用可能なシナリオ、および審査プロセスについて詳しく解説しています。ペットローンは、ペットの購入費、治療費、またはその他の飼育関連費用を賄うための融資を提供します。金融機関や信販会社によって異なる特徴を持つこのローンは、無担保ローンであるため、申込者の信用情報が審査の重要なポイントとなります。このような背景から、ペットの飼い主にとってペットローンは、高額なペット関連費用に対処する上で非常に有用なオプションと言えます。