2024年10月16日
自動車市場では、ワイルドで力強いデザインに加えて、走りと多機能性を両立するSUVの人気が高まっています。
しかし、SUVに似たデザインをしていて、より高い悪路走破性を持つ「クロカン」については、意外と詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
実は、SUVとクロカンはその構造からして異なるため、SUVを購入したつもりが実はクロカンモデルだった……ということになると、その性能を十二分に活かせないかもしれません。
この記事では、クロカンの概要や特徴を紹介するとともに、おすすめの人や購入を検討するにあたっての注意点などを解説します。
目次
クロカンとは略称で、正式には「クロスカントリー車」のことをいいます。
クロスカントリー車は、林道のようなオフロード、雪道、その他悪路・未舗装の道などを走るための機能を備えた車です。
一口に悪路といっても色々なシチュエーションが想定されますが、クロカンが特に得意とするのは、いわゆる急こう配やぬかるみのような、一般的な自動車では4WDモデルでも走るのが難しい道です。
極端な話、大きな岩が転がっているような道であっても、障害物を避けられるよう車高が高くなっているため走り抜けられる可能性があります。
クロカンは、どちらかというと角ばった見た目のものが多く見られ、ボディサイズも一部を除いて大きい傾向にあります。
そのため、似たようなデザインのSUVと同一視されることも珍しくありませんが、これら2車種は厳密には「まったく別物」といってもよいでしょう。
違いを端的にあげると、クロカンとSUVは、そもそも「フレーム構造」からして異なります。
クロカンは、はしごのような形状の頑丈なフレームにエンジン・ボディを載せて固定している車が多く、これは「ラダーフレーム」と呼ばれます。
これに対してSUVは、フレーム・ボディが一体となった構造の「モノコック構造」が採用されており、例えば事故に巻き込まれた際は、ボディに受ける衝撃を車体全体で分散吸収できるのが特徴です。
その代わりに、ボディが大きくゆがむと走行不能に陥りやすい傾向にあります。
クロカンは、オフロードなど道なき道を走るためにデザインされている車ではあるものの、一般道の走行時もドライバーにとっては運転しやすい車といえます。
以下、愛車にクロカンを選ぶメリットについて、主なものをいくつかご紹介します。
クロカンは、障害物などが多い道・凹凸が激しい道などを走ることを想定しているため、地上高が高い設計となっている車が多く見られます。
車体下部と地面との間に距離がある分、路面の状況が悪くても、安心して走ることができます。
地上高の高さを実現する大きいタイヤは、悪路走破性の高さも同時に実現しています。
雨などの影響によって土汚れがひどい峠道や、除雪が終わっていない一般道の雪道でも、クロカンなら悠々と走れるでしょう。
走りも四輪駆動で力強いのが特徴ですが、状況に応じて二輪駆動に切り替え可能な車種もあるため、主に一般道や高速道路を走る人は、四輪・二輪の切り替えが可能な車種を選んだ方が経済的です。
セダンタイプのような、一般的な乗用車に比べて地上高が高いクロカンは、その分運転席も高い位置にあります。
そのため、視野が広くなり前方が見やすくなるというメリットがあります。
例えば、高速道路を走っていて渋滞に出くわした際は、前方の状況を確認しやすいため、少し先の位置取りや減速のタイミングなどをイメージしながら運転できます。
また、前方の車のさらに先を見通せることから、停車中の車を確認して車線変更の準備ができるなど、スムーズかつ安全な運転の実現が期待できます。
悪路走破性が高いクロカンは、アウトドア系の趣味を楽しみたい人にとっても役に立つ車種といえます。
例えば、キャンプ・釣り・サーフィン・ウィンタースポーツなどを楽しむため、山中・海岸などにあるお目当てのスポットまで移動したい場合、セダンやミニバンなどの車種では地上高が低く、移動をあきらめざるを得ないケースは珍しくありません。
しかし、車高と悪路走破性を備えたクロカンなら、一般的な車種では入るのが難しい場所であっても、車でグングンと入っていけるでしょう。
安全運転やアウトドアでの利用に適したクロカンですが、一般的な車種と“大きく異なる性能”を持つ車であることから、無視できないデメリットもいくつか存在しています。
以下にあげるデメリットを許容するのが難しい場合は、違う車種の購入を検討した方が賢明です。
地上高が高い分だけ、クロカンはセダンタイプなどに比べて「地面からの座席の位置」が高くなっています。
これは運転において大きなメリットになる反面、身長が低い人の場合、乗車時に足を高く上げて乗る必要があるため、車に乗るだけでも一苦労するかもしれません。
それでも、体調的に何ら不安を抱えていない人であれば、十分注意する限りは安心して乗れるかもしれません。
しかし、ひざや腰に爆弾を抱えている人にとっては、乗車時に痛みが生じるおそれもあるため注意が必要です。
タイヤのサイズが大きいことも、クロカンにとってのメリットであると同時に、運転時はデメリットになり得る要素です。
カーブを曲がる際、車は大なり小なり遠心力によって車体が傾き、これは「ロール(揺れ幅)」と呼ばれます。
一般的に、車高を下げるとカーブ時の安定性は上がるとされ、逆に考えるとクロカンはタイヤが大きい(地上高が高い)ため、ロールが大きくなりがちです。
したがって、クロカンは狭い道路・急カーブなどで慎重な運転が求められます。
また、駐車場での運転においては、そのボディサイズゆえに周囲の車に気を遣うことが多いでしょう。
その他のデメリットとして、前方の遠くは見えても近くが見えにくい点があげられ、発進時は周囲を丁寧に確認する手間がかかります。
スペースが限られる都市部においては、どうしても駐車場のサイズに限りがあるため、ボディサイズの大きいクロカンは不利になります。
立体駐車場を利用する場合でも、高さ制限が設けられていると、クロカンは駐車できない可能性が高いでしょう。
機械式駐車場も同様で、サイズ制限が設けられている駐車場では、クロカンの駐車を断られる場合があります。
よって、駐車場を確保するのが難しい地域で暮らしている場合は、クロカン以外の選択肢を模索した方が無難かもしれません。
クロカンは、利点もあれば欠点もある車種のため、ある意味では「人を選ぶ」タイプの車種といえます。
メリット・デメリットを踏まえた上で、クロカンに乗るのがおすすめの人の特徴をあげると、以下のようなイメージになるでしょう。
自然の中で色々な趣味を楽しむ機会が多い人が、一般的な車種を選んでしまうと、どうしても行動範囲に限界が生じてしまいます。
しかし、クロカンなら山奥の砂利道も難なく走れるため、山が好きな人なら自然散策・トレッキング・野営などを楽しむのに役立ちます。
これまでもアウトドア好きではあったものの、もっと本格的に自然と触れ合いたい、新しいことがしたいと考えている人にとって、クロカンは好奇心を満たすサポートをしてくれる優秀な相棒になるはずです。
クロカンの醍醐味の一つに、本格的なオフロードコースを走ることがあげられます。
自然豊かな日本においては、全国各地にオフロードコースが存在しており、クロカンであれば比較的安全に、起伏に富んだ悪路を走る経験ができるでしょう。
オフロードコースの走行においては、一般的な車種では走れない道を、自由に走る楽しさが味わえます。
自分の車でオフロードコースを走ることに憧れがある人は、クロカンを購入してチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。
趣味ではなく実用の面においても、クロカンは役に立つ車種の一つです。
例えば、寒冷地のように「毎年必ず雪道を走らなければならない」ドライバーは、クロカンを選ぶことで雪道・凍結路面を安心して走れるはずです。
近年では、異常気象の影響も無視できないため、唐突に大雪が降ることも珍しくなくなりました。
そのような状況において、除雪が間に合わなかった道路でも悠々と走れる力強さが欲しいのであれば、クロカンが頼りになることでしょう。
走行性能や装備だけに目を向けると、クロカンは利点が多い車種に思えますが、決して万能の車種というわけではありません。
これからクロカンに乗ろうと考えている人は、燃費やメンテナンスの観点から、以下の点に注意が必要です。
先にあげた通り、クロカンの多くは四輪駆動であり、それゆえに悪路走破性が高い傾向にあります。
しかし、四輪駆動の車は二輪駆動に比べてパーツが多く、それだけ車体が重くなってしまいます。
また、悪路でパワーのある走りを実現するため、総じてエンジンの排気量が多いのも特徴です。
選ぶ車種によっては、一般的な車種に比べて燃費が期待できないことから、もし燃費に配慮するのであればSUVなど他の車種も検討することをおすすめします。
オフロードコースなど、主に悪路を走る目的でクロカンを購入した場合、走行後は泥や砂を洗い落とし、部品の損傷がないかどうか点検を行う必要があります。
汚れが付いていると、部品の状態を確認するのは難しくなるため、オフロードを走行するごとに洗車と点検をしなければなりません。
また、クロカンは振動・衝撃などに強い構造となっているものの、激しい走行によって部品等が破損してしまうリスクがあります。
場合によっては、衝撃を吸収するサスペンションにトラブルが発生したり、タイヤに異物が刺さったりすることもあるため、サスペンションの状態やタイヤの空気圧・摩耗などはこまめにチェックしましょう。
悪路で負荷がかかりやすいトランスミッションやディファレンシャルギア(デフ)に関しては、定期的にオイルを新しいものに交換することが大切です。
その他、ブレーキ・クラッチ・電装・エンジンオイルに関しても、定期的な点検または交換を怠らないようにしましょう。
ここまで、クロカンの魅力や乗車時に注意しなければならない点についてご紹介してきましたが、実際に購入しようと考えた際、多くのドライバーは車両価格が気になるはずです。
クロカンは、軽自動車クラスから超大型のものまで、様々な車が市場に出回っているため、自分の用途や予算に合わせて選ぶことができます。
しかし、総じて車両価格は高めであり、お目当ての車を手に入れようと思うと、中古車でもそれなりの出費を見込むことになるでしょう。
もし、クロカンを購入しようと考えているなら、ローンを組むことも念頭に置いておきたいところです。
クロカン購入のためにカーローンを組む場合、できるだけ金利を押さえた方がおトクです。
低金利ローンのマッチング&比較サービス「クラウドローン」を利用すれば、金利が低く抑えられている金融機関のカーローンの中から、自分が契約できる内容の提案をスムーズに受けられます。
ディーラーや信販会社のカーローンを選ぶ方法もありますが、総じて金利は金融機関よりも高くなることが予想されます。
よって、まずは金融機関のカーローンが組めるかどうか、確認することをおすすめします。
クロカンは、総じて悪路走破性に優れた車種で、アウトドアを楽しみたい人、雪道走行が多い人に最適です。
四輪駆動で運転席の視界も良いため、安全運転にも貢献してくれるでしょう。
ただし、乗り降りのしにくさや燃費の悪さ、取り回しの不便さ、駐車場探しの難しさ、価格の高さといったデメリットも無視できません。
長所・短所がはっきりしている車種ではありますが、メリットがデメリットを上回る限り、クロカンはドライバーのカーライフの充実に貢献してくれることでしょう。
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