2024年10月10日
かつて、日本では「車といえばセダン」といったようなイメージを持つ人が多く、セダンタイプの車種は車の代名詞的存在でした。
しかし、近年ではコンパクトカー・ミニバン・SUVといった様々な車種が登場し、自動車市場も多様化したことから、セダンの人気は失われつつあります。
現代においては、セダンはいわゆる「オワコン」だという意見も聞かれる中、それでもセダンを愛する根強いファンがいることも事実です。
この記事では、セダンの人気が低迷した理由や、今なおセダンを愛する人が感じているセダンの魅力について解説します。
目次
セダンタイプの定義は「3ボックス・4ドア」の車種であるとされます。
4ドアと聞いて、前後左右の乗車席にドアが付いている車をイメージした方は多いと思います。
イメージしにくいのが「3ボックス」ですが、こちらは次の3つの空間がそれぞれ独立していることをいいます。
ちなみに、シートから手を伸ばせばトランクルームの荷物に触れることができ、エンジンルームが車の下部に位置している車は「1ボックスカー」と呼ばれます。
セダンの定義は上記の通りですが、見た目がセダンに似ている車もいくつか存在します。
例えば、セダンと同じく3ボックスであっても、ドア数が2つしかない場合は「クーペ」という車種である可能性が高いでしょう。
また、エンジンルームが分かれていても、荷室と乗車スペースが分かれていない車の場合は「ハッチバック(2ボックス)」に分類されます。
近年では車のデザインも多様化し、一見してセダンに見える車であっても、実はまったく違うタイプの車というケースも珍しくなくなってきています。
セダンは、長らく日本の成長を支えてきた車種の一つであり、誰が乗っても良い汎用性の高い車として用いられてきました。
にもかかわらず、セダンが「オワコン」と言われるようになった背景には、次のような理由があるものと考えられます。
現代の自動車市場は、ユーザーのニーズをとらえた車種が数多く登場しています。
快適な走りと趣味での活用が期待できるSUV、7~8人という大人数が乗車できるミニバン、スポーティーな走りを楽しめるクーペなど、メーカーはドライバーそれぞれの希望に応えるべく様々な車種を開発し、市場に投入してきました。
その結果、これまでスタンダードな機能が重宝されてきたセダンタイプの車が、次第に「特徴の薄い車」として認識されるようになります。
10~20代の若年層の中には、親世代が乗っている車がセダンでなかったことなどを理由に、あまりセダンに憧れを抱いていない人も一定数存在しています。
このように、現代におけるセダンは「あえて乗る意味がない」・「特徴に欠ける」車として認知され始めているのです。
ドライバーの中には、セダンに対して“運転が難しい車”というイメージを持つ人も一定数存在しています。
例えば「セダンはトランクの先が見えにくく、バック駐車が難しい」という声は、セダンに対する意見でよく聞かれるものの一つです。
自動車教習を受けた方の多くは、おそらくセダンタイプの車で運転を練習したものと思います。
S字・クランク、バックでの車庫入れといった運転の基本を学ぶ際に、セダンでの運転の難しさを痛感したドライバーが大半のはずです。
実際、軽自動車・ハッチバックタイプを運転してみると、セダンに比べて後方の長さをつかみやすいと感じたドライバーは多いのではないでしょうか。
運転に自信がない人、初心者の人などが、セダンを敬遠してしまうのは致し方ないことかもしれません。
セダンの評価ポイントは、主に後部座席の安定性・無駄のない動き・衝突安全性といった、車としての「総合力の高さ」にありました。
かつては、どんな車種を選ぶべきか迷ったら、とりあえずセダンを選んでおけば問題ないという時代があったのです。
しかし、メーカー側は多様化するユーザーのニーズに応えるべく、様々な車種の開発とドライバー体験の向上に向けて努力を重ねてきました。
その結果、車種を問わず快適性・安全性が進化していき、そのような流れが進む中でセダンの存在価値・メリットが中途半端だと評価されるようになります。
決定的だったのが、悪路をしっかり走れる・荷物も積める・カッコいいの三拍子が揃った車種「SUV」の台頭でした。
セダンにはない目新しさが魅力となり、近年では本格的な悪路走破性を備えているもの、ラグジュアリー志向のものなど、多種多様なSUVが市場を席巻しています。
自動車市場の変化から取り残されたように感じられるセダンですが、今なお根強いファンが存在しているのも、セダンを語る上で重要なポイントになります。
古くから車好きだったドライバー、走りや実用性の総合力に注目して車を選ぶドライバーの多くは、現代においても「セダンこそが最高の車」と考えているのです。
セダンはGTレースやラリーなどで走行する機会が多い車種の一つで、ボディ剛性を高めて運動性能を向上させやすいという特徴があります。
国内・海外メーカーでは、セダンをベースとしたレーシングカーを製造しているところも多く、WRC(世界ラリー選手権)やニュルブルクリンク24時間耐久レースといった舞台において、セダンは今なお活躍し続けている車種の一つです。
最高速度が制限されている日本の高速道路では、あまり車種と速度の関係を意識することはありませんが、海外ではドイツのアウトバーンのように“速度無制限”で走れる高速道路もあります。
ヨーロッパはドイツに限らず高速移動の平均速度が速い傾向にあり、現代でも比較的セダンをよく見かけることができますが、その理由には運動性能が少なからず関係しているものと推察されます。
セダン以外に多様な車種が市場に登場したことで、いまいちパッとしない印象をセダンに持つ人は増えているものの、実際には比較的運転がしやすく、乗り心地が良い部類に入る車種の一つです。
親世代が乗っている車がセダンだった場合、具体的な理由はないものの、セダンに愛着・安心感を持つ方は意外と多いのではないでしょうか。
その安心感の根拠として考えられるものの一つに、セダンの静粛性・乗り心地の良さがあげられます。
セダンは重心が低い構造になっているため、走行中にカーブを曲がっても、他の車種に比べて左右に振られにくいのが特徴です。
シートも座り心地が良く、振動や揺れを感じにくいサスペンションを採用している車種が多いことから、セダンは総じて「安定性のある車」といえます。
荷室(トランク)も別に用意されており、ハッチバックタイプと違って荷物が車外から見えにくく、荷室の安全性が高いこともメリットです。
車が登場したばかりの時期は、車を持っているか、持っていないかがそのままステータスになりましたが、誰もが車に乗れる時代になると、今度は「より高級な」車に乗ることが新たなステータスとして考えられるようになります。
そこから、車の階級を示す用語の一つである「車格」というものが生まれ、市場に登場した車が所定の基準で格付けるようになった結果、例えば「普通自動車に比べて軽自動車は格下」といった考え方をする人が増えました。
車格に関しては、絶対的な評価指標があるわけではないものの、概ね次のような指標を総合的に勘案した上で、車格が判断されます。
車格という点に関しては、セダンは今なお高級な車種に分類されており、日本の皇室でも御料車にセダンが採用されているのはよく知られています。
車としての実用性に目を向けセダンを再評価すると、やはりスタンダードな車種ということもあり、セダンは今なお使い勝手の良い車に分類されます。
以下、セダンが実用性に優れる部分について、主なものをいくつかご紹介します。
日本で数多くのドライバーが運転してきた歴史のあるセダンは、ボディサイズが機械式駐車場にマッチするため、都市部でも機械式駐車場を選んで駐車できるのがメリットです。
近年では大型セダンも登場しているため、必ずしもすべてのセダンが機械式駐車場に駐車できるわけではありませんが、少なくとも国内メーカーが販売しているセダンに関しては、条件を満たすものが比較的多い傾向にあります。
駐車場によっては、SUVやミニバンはもちろん、軽自動車でさえ駐車できないケースもあることから、駐車スペースが限られる都市部で車を持つ場合、駐車場の選択肢を増やせるセダンは魅力的な車種になるでしょう。
ちなみに、比較的新しいタイプの「ミドルルーフ用」・「ハイルーフ用」の駐車場を選べば、車高が高い車でも駐車できる可能性があります。
セダンタイプの意外なメリットとして、洗車がしやすい点も注目ポイントに数えられます。
SUV・ミニバンに比べて車高が低いため、普段のお手入れや洗車がしやすく、いつでも愛車をキレイに保ちたい人にとってはおすすめです。
また、セダンの4WD(四輪駆動)車に関しては、もともとの走行安定性も加わり雪道に強いとされ、メーカーによっては雪道でキビキビ走る性能を追求した車種を取り扱っているところもあります。
逆に注意しなければならないのがFR(後輪駆動)車で、こちらはエンジンが前・駆動輪が後輪という特徴から、雪道で必要なグリップ力を確保するのが難しいとされます。
FR車の場合、雪道では発進時に後輪が空転したり、坂道で後部が左右に揺れたりと、走るだけで危険な挙動をする車種もあります。
そのため、どうしてもFR車に乗らなければならない場合は、横滑り防止装置などが搭載されたものを選んだ方が安心です。
ここまで、セダンの評価や魅力などをご紹介してきましたが、セダンタイプのラインアップはどのメーカーも減少傾向にあります。
しかし、中古車に目を向けると、高級車種を除けばセダンは比較的手が届きやすい状況となっています。
地域によって相場は異なるものの、中古車市場全体を見ると、総じてセダンは不人気車種として扱われています。
そのため、リセールバリューも下がり、結果として高品質の車をお値打ち価格で手に入れられるチャンスが増えました。
新車でセダンを購入する場合、お手頃価格のエントリーグレードを選ぶか、もしくはスポーツタイプ・高級車を選ぶかの2択になることが多い傾向にあります。
よって、セダンに乗ってみたいと思った人は、まず中古車でセダンを購入してみて、その乗り心地を確かめてから上級グレードを検討すると、後悔のない買い物ができるでしょう。
中古車でセダンを購入する場合、比較的安価で良品を探しやすいとはいえ、少しでも状態の良いセダンを買おうと思ったら相応の予算を確保する必要があります。
貯金には手を付けたくない、頭金を含め予算が足りないなどの事情がある場合は、金利の安い金融機関のカーローンを利用するのがおすすめです。
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かつてはもっともポピュラーな車種の一つであったセダンは、SUVやミニバンの台頭により、近年人気が低迷しています。
主な理由として、若者の車離れや運転の難しさのほか、SUVなど多様な車種が登場してセダンのメリットが薄れてきたことなどがあげられます。しかし、セダンには今なお根強いファンも多く、高速走行時の安定性や静粛性の高さ、車格の高さなどを魅力に感じている人は一定数存在しています。
中古車市場に目を向けると、セダンは比較的手頃な価格で手に入りやすいため、一度乗り心地を試してみてはいかがでしょうか。
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