2024年04月17日
AGA(男性ホルモン型脱毛症)は、男性ホルモンの影響で生え際や頭頂部の毛髪が薄くなる脱毛症です。その治療法のひとつに自毛植毛があります。男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の毛髪を皮膚組織ごと採取し、薄毛が気になる部位に移植する治療法です。継続的なメンテナンスが不要な自毛植毛は、近年注目を集めています。自毛植毛は外科手術であり、どの施術方法を選択するかによって金額が変わります。また、植毛する本数によっても大きく異なるため、実際にカウンセリングを受けるまで、どの位の費用がかかるかわかりません。自毛植毛を検討している方の中には、費用面の不安で治療に踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、自毛植毛の術式や植毛を希望する部位別に、そのおおよその費用を紹介します。他の治療方法との比較や、費用を抑えるコツも合わせてご紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
自毛植毛にかかる費用は、その施術方法や、薄毛を解消するために必要な植毛の本数によって大きく変わります。多くのクリニックは、基本治療費と施術単位(グラフト)に応じた費用の合計で治療費を算出しています。グラフトとは、毛根、毛乳頭、周囲の皮膚を含めた、植毛に使用する自毛の単位です。
一般的な自毛植毛の費用は、50万〜300万円程度と言われていますが、実際の費用を知るためには、クリニックのカウンセリングを受ける必要があります。無料カウンセリングを行っているクリニックもありますので、一度足を運んでみると良いでしょう。
ここでは、カウンセリング前の基礎知識として、それぞれの術式ごと、薄毛が気になる部位ごとに、おおよその費用を紹介します。
自毛植毛は、19世紀末にドイツで初めて施術されたといわれており、200年もの間、日々進化を続けている技術です。人工毛植毛と違い、自身の髪や皮膚組織を移植するため、拒絶反応が起こりにくく、現在は植毛の主流となっています。さまざまな手術方法が考案されてきた中で、現在の代表的な施術方法はFUT法、FUE法の2種です。以下の表は各術式ごとのおおよその費用です。
術式 | 基本料金 | 1グラフト | 1000グラフト移植時の総費用 |
---|---|---|---|
FUT法 | 150,000~250,000円 | 600~1000円 | 750,000~1,250,000円 |
FUE法 (刈り上げる) | 900~2000円 | 1,050,000~2,250,000円 | |
FUE法 (刈り上げない) | 2000~2500円 | 2,150,000~2,750,000円 |
では、それぞれの術式にはどんな違いがあるのでしょう。
男性ホルモンに影響されない後頭部や側頭部の頭皮を、10〜20cmの横長の帯状に切除し、切り取った皮膚をメスで1グラフトずつ切り分けて薄毛部分に移植する、という術式です。顕微鏡を使用して丁寧に1グラフトずつ切り分けていくので、毛包へのダメージが少なく、生着率が高いと言われています。また、一度に多くのグラフトが採取できるので、施術時間が短く、費用を抑えることができます。反面、FUT法は頭皮を帯状に切り取り、切り取った部分を縫合するため、痛みが出やすく傷跡が残るというデメリットがあります。
広範囲にわたる移植を希望する人におすすめの術式です。
後頭部や側頭部から、植毛専門の医療器具であるパンチで毛髪を毛包ごとくり抜き、治療部位に移植します。メスを使った切開を行わず、直径1mm程度の刃のついた器具を使用するため、大きな傷跡が残らず回復が早いというメリットがあります。FUE法では、医師が1グラフトずつ、毛根を傷つけないよう慎重に採取していくので、時間と手間がかかり、高度な技術力が必要になります。そのため、FUT法と比較して費用が高額になりがちです。また、基本的なFUE法では、グラフトをひとつひとつ確認しながら採取するため、後頭部を刈り上げる必要があり、術後の一定期間は帽子を被るなどの対応が必要になります。一部クリニックでは、採取するグラフトを見極めてから、その毛髪だけを切って採取する方法や、独自で開発したパンチを使用し、長いまま採取し移植する、などの処置をしているところもありますが、更に洗練された技術と時間がかかりますので、より高額な費用がかかります。
施術希望範囲が小さい人、痛みが苦手な人におすすめの術式です。
自毛植毛は、1グラフト単位で費用を算出しているクリニックが多いため、移植本数によって負担が大きく変わります。1グラフトからは1〜4本の毛髪が生えるので、おおよその計算で1グラフトは毛髪2〜2.5本、1000グラフト移植すると、2000〜2500本の増毛が期待できます。
では、部位毎に移植が必要なおおよそのグラフト数と費用をみてみましょう。
AGAは、額の生え際から進行することが多い脱毛症です。おでこの左右が後退し、生え際がM字型になることから、生え際の植毛はM字修正と呼ばれています。浅いM字修正は400〜800グラフト位の移植で、平均費用はFUTで50万〜85万円程、FUEで60万〜100万円程になります。進行が進んでいると治療が必要な部位も大きくなりますので、その分費用がかかります。広範囲にわたるM字修正には、1000〜1500グラフト程の移植で、FUTで100万〜140万程度、FUEで120万〜170万の費用がかかることもあります。
生え際同様、男性ホルモンの悪影響を受けやすいのがつむじ部分です。進行度にもよりますが、頭頂部の自毛植毛は500〜1000グラフトの移植が一般的です。費用はFUTで60万〜100万、FUEで70万〜120万程度となります。
生え際から頭頂部まで、全体的に進行している場合は、2000〜3000グラフトの移植が必要になります。FUE法では、1回の手術で2000グラフトの移植を上限としているクリニックが多いので、2回に分けて行うか、FUT法のメガセッションと言われる大量移植を行っているクリニックでの治療を受ける必要があります。費用は2000〜3000グラフトの移植で、FUTで180万〜286万、FUEで240万〜350万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
AGA治療のための自毛植毛は、専門クリニックだけではなく、皮膚科で治療を受けた場合でも健康保険は適用されません。自由診療にあたるため全額自己負担となります。また、美容目的の治療という判断から、基本的には医療費控除の対象にもなりません。
ただし、自己免疫疾患や精神的疾患、火傷や事故などによる脱毛の治療は、一部保険が適用される可能性もありますので、詳しくはクリニックや皮膚科へ相談しましょう。
AGA治療には、自毛植毛以外にも内服薬や外用薬、LED治療など、AGAの進行を予防し、発毛を促す治療方法があります。それぞれの費用と、その効果の違いを見てみましょう。
以下の表は、前頭部から頭頂部の中央くらいの薄毛治療を想定した費用の目安です。
治療の種類 | 費用の目安 | 特徴 |
---|---|---|
自毛植毛 | FUT法:100〜140万円程度 FUE法:120~170万円程度 (1,000~1,500グラフト程度) | 手術は1回で終わるケースが多い 術後は自然に毛髪が生えてくる |
内服薬 | 抜毛予防薬:8,000〜11,000円/月 発毛薬:7,000円~10,000円/月 | 進行度によって薬の種類や数が異なり、費用に差がある 増毛後も継続してケアが必要 |
外用薬 | 5,000〜15,000円/月 | 抜毛予防薬との併用が効果的 |
注入療法 | 頭皮に治療薬を直接注入 クリニック処方:66,000~88,000円/回 HARGカクテル:100,000〜200,000円/回 | 抜毛予防薬との併用が一般的 月に1回程度で、6カ月~1年継続 |
LED治療 | 3千~1万円程度/回 機器を購入する場合50,000~100,000円 | 内服薬や注入療法との併用が効果的 |
AGA治療の内服薬や外用薬には、抜毛を予防する効果のあるものと、発毛効果のあるものの2タイプがあり、症状や進行度によって組み合わせて処方されます。効果が出るまで3カ月~半年ほどかかることが多く、継続的な使用が必要です。
注入療法は、抜毛予防薬や発毛効果のある薬、加えて育毛に必要な栄養成分等を頭皮に直接注入する治療法です。内服薬のように全身をめぐる血液循環に流入することがなく重篤な副作用がないので、病気や体質で投薬治療ができない方も受けることができる可能性のある治療法です。半年〜1年ほどの間、月1回程度の治療を継続する必要があります。
同じ注入療法でも、幹細胞から抽出された150種類以上の成長因子を配合した「HARGカクテル」を使用するHARG療法は、クリニックごとに薬剤が異なるクリニック処方と違い、どのクリニックで施術しても同じ効果が期待できます。
LED治療は、赤色LEDを頭皮に照射して毛乳頭細胞を活性化させ、抜毛抑制や発毛を促す治療法です。クリニックで治療を受ける方法と、治療器具を購入して自宅で使用する方法があります。
自毛植毛は、1回の施術で完了しますが、その他の治療は継続する必要があります。また、毛根がない部位の治療が可能なのは植毛のみです。
自毛植毛は痛みを伴う外科治療であり、「跡が残る」「一度にかかる費用が高額」等の理由から、他のAGA治療法に比べてハードルが高い治療法だと言えます。
しかし、自毛植毛は1回施術を行い生着すると、その後は自分の髪が生え変わり続けるため、他の治療法のように治療を継続する必要がありません。また薬物療法でみられるような副作用がない、というメリットがあります。ただし、生着した毛髪は生え変わり続けますが、もともと生え際や頭頂部にあった毛髪はAGAが進行する可能性があるため、状況によっては投薬が必要になる場合があります。
自毛植毛の治療は大きな効果が期待できるとは言え、その費用は決して気軽に治療を始められる金額ではありません。では、できる限り費用を抑えて治療を受けるにはどのような方法があるでしょうか。
自毛植毛に限らず、AGA治療はできるだけ早く治療をスタートすることが大切です。進行が進むほど費用がかさむうえ、良い結果を期待することが難しくなります。
自毛植毛は移植グラフト数によって金額が変わるため、広範囲にわたる治療が必要になると費用がかさみます。薄毛の範囲が広がる前に治療を始めることで、移植グラフト数を減らすことができます。また、早めに薬物療法などを併用することで、施術範囲以外の部位の進行も抑えやすくなります。
食事や睡眠の質、ストレスや運動不足は、薄毛の進行に大きな影響を及ぼします。薄毛の範囲が広がれば、その分費用がかさみます。また自毛植毛後も、施術範囲以外の部位の薄毛が進行してしまうと、再度移植が必要になってしまうこともあります。以下を参考に、規則正しい生活を心掛けましょう。
各クリニックでは、モニター価格やキャンペーン価格を設定しているところがありますので、上手に活用しましょう。
モニター価格は、クリニックのホームページやパンフレットに写真や体験談の掲載を許可する代わりに費用が安くなる仕組みです。顔写真を掲載するか、施術部位のみの掲載にするか、などで割引価格が変わることもありますので、カウンセリング時にしっかりと相談しておきましょう。
自毛植毛は自由診療であるため、クリニックによって費用が大きく変わります。クリニックのホームページで価格を比較したり、複数のクリニックでカウンセリングを受け、納得がいくまでしっかり検討しましょう。安さだけでクリニックを選んでしまうと、満足できず再度の施術が必要になるなど、結果的に費用がかさんでしまう可能性がありますので、治療内容や補償内容も確認しておきましょう。
薄毛が気になりだしたら、できる限り早めにスタートしたいAGA治療ですが、すぐに費用が調達できるとは限りません。そんな時に頼りになるのが医療ローンです。自毛植毛の治療費は、医療ローンを活用して分割払いで支払うことができます。用途を限定した目的別ローンである医療ローンは、フリーローンやカードローンと比較して金利が低いので、ローンでの支払いを計画している人は検討してみてください。
クリニックによっては、信販会社と提携していて、治療を申し込む際に合わせて医療ローンの申し込みが可能なところもあります。このような医療ローンは、手続きが簡単なうえ、比較的審査が通りやすい傾向があります。また、銀行系医療ローンは、信販系ローンより低金利で借りることができるものがありますので、合わせて検討することをおすすめします。
決して安くはない自毛植毛の費用を借りるなら、できる限り低金利の医療ローンを探したいですよね。でも、ホームページや銀行に赴いてひとつずつ情報を集めるのは大変です。自分にあった、より条件の良いローンを探したいという方は、ぜひクラウドローンを活用してみてください。
クラウドローンは、自身の基本情報と借入目的や希望金額などを入力するだけで、金融機関から条件にあった融資のオファーが届く、ローンのマッチングサービスです。届いた提案をしっかり比較検討し、もっとも有利なローンを選んで申し込むことができるので効率的です。
AGAは長期的な治療が必要です。副作用や費用、治療にかかる時間など、それぞれの治療法のメリット、デメリットを把握しつつ、後々後悔のないよう、自分にあった治療方法を見つけましょう。
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AGA(男性型脱毛症)の治療における自毛植毛は、高額な治療費が障壁となりがちです。この記事では、自毛植毛の手法とその費用について詳しく解説しており、特に費用を抑えるための方法として医療ローンの活用が提案されています。医療ローンを利用することで、治療初期に必要な大きな出費を分割して支払うことが可能となり、経済的な負担を軽減できます。これにより、AGAに悩む多くの方が治療を受けやすくなるでしょう。自毛植毛の具体的な費用例とローンの活用方法についても触れられており、事前の情報収集に役立つ内容となっています。