2022年11月17日
デンタルローンは歯科治療に用途を限定したローンで、保険診療だけでなくインプラントや歯列矯正などの自由診療にも利用できます。歯科医院によっては無利子の場合もあり、手元の資金が足りないときに大いに役立ちます。
この記事ではデンタルローンのほか歯科医院で使える支払方法を解説。無利子と有利子では支払額がどのくらい違うのかもシミュレーションします。低金利のローンを簡単に探せるサービスも紹介しますのでぜひお役立てください。
目次
デンタルローンは歯科治療にのみ利用できるローンで、歯科医院が提携する信販会社が提供するものと銀行が目的別ローンとして扱っているものがあります。
歯科治療には、健康保険が使える保険診療と使えない自由診療(自費診療)があります。窓口での負担割合は、保険診療が原則3割なのに対して自由診療は全額自費のため、治療費は高額になります。
例えば自由診療で歯列矯正をおこなうと、全体の矯正で100万円前後かかります。そのほか、次のような高額な治療ではデンタルローンを利用する人が多いです。
デンタルローン | フリーローン | カードローン | |
金利 | 2.5~8%程度 | 3~15%程度 | 4.5%~18%程度 |
フリーローンとカードローンは、いずれも事業用や投資用以外であれば目的を問わず利用できます。2つの違いは、フリーローンは必要な費用を一括で借り入れたのち返済計画に基づいて返済していくのに対し、カードローンは限度内であればATMで繰り返し借りられます。
これらのローンは用途を問わないため、デンタルローンに比べると金利は高めです。また、審査はデンタルローンよりは通りやすいので、デンタルローンの審査に落ちた方でもフリーローンやカードローンであれば利用できる場合もあります。
デンタルローンは返済期間や支払回数を選べるため、家計に合わせて毎月の支払額を調整できます。提携デンタルローンは6〜84回から自分に合った回数を選べるのが一般的です。銀行のデンタルローンの返済期間は銀行ごとに異なりますが、6ヵ月以上15年以内(1ヵ月単位)など最長の返済期間が長いものも多いです。
提携デンタルローンの金利は信販会社により異なり、5%前後が一般的です。しかし、歯科医院と信販会社の契約によっても金利は変わるため、同じ信販会社のローンでも歯科医院によっては金利が異なる場合があります。さらに、金利を歯科医院側が負担することで、実質無利息のデンタルローンを取り扱う歯科医院もあります。
それでは、デンタルローンが無利子と有利子だった場合で支払う金額にはどのくらい差が出るのか、歯列矯正を例にシミュレーション結果を見てみましょう。
矯正方法 | 費用の目安 |
表側ワイヤー 全体 | 60万~100万円 |
裏側ワイヤー 全体 | 100万~150万円 |
マウスピース 全体 | 80万~120万円 |
歯列矯正には上の表のようにいくつかの方法があり、それぞれ金額が変わります。しかし、いずれの方法でも全体を矯正するには100万円前後の費用がかかります。また、無利子で利用できるデンタルローンはの最大分割回数は48回までが一般的です。
そこで今回は、次の条件をもとにシミュレーションをおこないました。
借入額:100万円
金利:5%
返済方法:元利均等方式
返済期間:4年(48回払い)
ボーナス月の増額:なし
毎月の返済額 | 返済総額 | |
無利子の場合 | 20,833円 | 1,000,000円 |
年利5%の場合 | 23,029円 | 1,105,392円 |
100万円を48回払いで借り入れると、無利子と金利5%では10万円以上の差が生じます。しかし、無利子でも毎月の返済額は2万円を超えてしまいます。このため、毎月の返済額を1万円台に抑えるには、頭金を用意するか、金利がかかっても分割回数の多いローンを利用する必要があります。
デンタルローンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットと合わせて詳しく見ていきましょう。
デンタルローンの最大のメリットは、お金を貯めてからではなくすぐに治療を開始できる点です。例えば、インプラントは歯が抜けてから時間が経つと歯を支える骨が吸収されてしまうため、適切な時期におこなう必要があります。歯列矯正のように治療期間が長期にわたる場合は、早く治療を開始することでその分治療も早く終わります。また、費用が高い治療をあきらめることなく、治療の選択肢を増やすことができます。
さらに、用途を限定している分、フリーローンやカードローンに比べて低金利で利用できるのもメリットといえます。
デンタルローンには審査があり、誰でも利用できるわけではありません。申込は18歳以上で安定した収入があることが条件で、さらに過去に金融事故がある場合や返済が困難と判断されると審査を通過できず、融資を受けることができません。なお、審査基準はフリーローンやカードローンに比べると厳しい傾向にあります。
また、基本的には金利がかかるため、一括払いに比べると支払金額が増えるのもデメリットです。
デンタルローンの審査では、主に次の情報をもとに返済可能か判断します。
申込者の属性では、安定的な返済が可能かを判断します。このため同じ年収であってもフリーランスに比べて会社員の方が、さらに勤続年数が長い方が審査に有利となります。
信用情報とは、ローンの借り入れやクレジットカードの支払いといった個人の金銭取引をまとめたものです。これまでの借入額や返済履歴のほか、自己破産や債務整理、返済の遅れや滞納による強制解約など金融事故の情報も記録されており、信用情報に問題があると審査の通過は難しくなります。
他社での借入額が大きいと、年収に占める年間返済額の割合(返済比率)も大きくなります。審査通過の目安となる返済比率は25~35%程度されおり、他社のローンとデンタルローンを合わせた返済額がこれを超えると審査の通過は難しくなります。
銀行のデンタルローンは、どこの歯科医院でも利用できます。一方、提携デンタルローンは、歯科医院が信販会社と提携していないと利用できません。
また、どの信販会社のローンを取り扱っているかは、歯科医院ごとに異なります。デンタルローンの利用を検討中の方は、希望の歯科医院でデンタルローンを扱っているか、またその内容についてもあらかじめ確認しておきましょう。
歯科医院で利用できる支払方法には、デンタルローン以外に現金、院内分割、クレジットカードなどがあります。また、デンタルローンを利用できない場合のために、フリーローンについても検討しておきましょう。
どこの歯科医院でも利用できて一番シンプルなのが現金による一括払いです。手数料がかからないのがメリットですが、治療前にまとまったお金を用意する必要があります。
院内分割とは、歯科医院が独自で提供する分割払いの制度です。このため、あらかじめ決められた回数での分割払いや前金を払って残りを分割払いなど、支払方法は歯科医院ごとに異なります。多くの場合は無利子で利用できますが、治療期間中に返済を終わらせる必要があるため、歯列矯正などの長い期間を要する治療でないと分割払いのメリットは少ないです。
自由診療の支払いに、クレジットカードが使える歯科医院も多いです。すでにクレジットカードを持っている方であれば、手続きなしで手軽に利用できます。
一括払いであれば手数料がかからないうえにカードのポイントがつくため、現金で支払うよりもお得です。分割払いは3~24回から支払回数を選べるのが一般的です。ただし、手数料の実質年利は12~15%程度で、デンタルローンに比べて高めです。
治療予定の歯科医院に提携ローンがない場合や借入希望の銀行にデンタルローンがない場合は、フリーローンも検討してみましょう。フリーローンは使い道を問わないため、見積書などの用途確認書類が無くても借入が可能です。
また、デンタルローンに比べると金利は高めですが、審査が通りやすいというメリットもあります。
デンタルローンを使えば、手元に資金が無くても歯科治療が開始できます。また、無利子や低金利のデンタルローンを利用すれば、金利負担を抑えて治療費を調達できます。歯科医院を選ぶ際は、どのようなデンタルローンを扱っているかもチェックしましょう。
ただし、歯科医によって得意な治療と不慣れな治療があります。自分の受けたい治療の年間実績を確認するなど、安心して通える歯科医院を選ぶことも大切です。
歯列矯正やインプラントなどの治療は高額のため、デンタルローンの利率の違いで支払う金額に大きな差が生じます。治療予定の歯科医院に提携デンタルローンがない場合はもちろん、ある場合も銀行のデンタルローンを検討してみましょう。
ただし、デンタルローンを取り扱っている銀行は多くはありません。このため、選択肢をデンタルローンだけでなくフリーローンやカードローンにまで広げて探すのがおすすめです。
クラウドローンでは、希望する借入条件を登録しておけば、登録した条件で融資可能な銀行から直接プランの提案が受けられます。たくさんの銀行のローンを個別にチェックする必要がないため、忙しい方にもおすすめです。また、デンタルローンに絞らずに探せるので、数多くの中から自分に合ったローンを選べます。
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デンタルローンは歯科治療に特化したローンで、自由診療にも利用可能。本記事ではデンタルローンの利用方法や支払いシミュレーションを解説し、低金利のローンを見つける方法も紹介します。