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親の介護に必要な費用はどのくらい?子ども世代の負担と利用できる制度を解説

一言コメント村田大輔 - 貸金業取扱主任者/クラウドローン株式会社代表

親の介護が必要になると、どれだけの費用がかかるのか、その負担をどう分担するかは多くの人にとって重要な懸念事項です。この記事では、介護にかかる費用の平均額や、負担の分担について詳細に説明しており、利用可能な費用軽減制度や、資金が不足した際の対処法も提供しています。介護費用に関する不安を軽減し、効果的な計画を立てるための実用的なガイドとなるでしょう。

親の介護でまず気になるのは、お金の問題。「これから始まる親の介護には、いくらの費用がかかり、子ども世代にはどの程度の負担がかかるのだろう」と不安になっている方も多いはずです。そこで今回は、介護にかかる費用の平均額と誰が費用を支払うのかを解説するとともに、親の介護費用に利用できる軽減制度や、介護費用が足りない場合の対処法を説明します。この記事を参考に、これから始まる親の介護費用の対応策を考えましょう。

親の介護にかかる総費用は約580万円程度

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、介護に要した費用の平均は月額8.3万円。また、介護をおこなった期間の平均は5年と1カ月程度という結果から、総費用の平均は580万円になると報告されています。

ただし、実際に介護にかかる費用は要介護度が大きく影響するため、要支援1の平均介護費用は月額4.1万円ですが、要介護5になるとひと月に平均で10万6,000円かかります。さらに、在宅または施設なのか、介護をする場所によってもかかる費用は変化します。

在宅介護に必要な費用は平均毎月4.8万円

  • 大人用紙おむつなどの消耗品
  • 介護サービスの利用料(自己負担分1~3割)
  • 医療費

在宅介護にかかる主な費用には、大人用紙おむつなどの消耗品を筆頭に、デイサービスや訪問介護サービスの利用料や医療費などが挙げられます。さらには、介護ベッドの購入や住宅改修など介護環境を整えるために、平均で74万円程度の初期費用も必要です。

在宅介護は施設入居よりかかる費用を抑えられますが、要介護5になれば平均で月7.5万円程度の費用が必要となり、介護負担だけでなく経済負担も大きくなります。

介護施設を利用すると毎月12.2万円程度必要

  • 家賃
  • 食費
  • 医療費
  • 共益費・管理運営費
  • 介護サービスの利用料(自己負担分1~3割)
  • 光熱水費

介護施設を利用した場合は、要介護度によって変わる介護サービス費用のほかにも、上記のような家賃や共益費・管理費、光熱費のような費用が発生します。

また、介護施設の種類によってもかかる費用は変化し、公的な「介護保険施設」では毎月10~15万円程度の費用がかかるとされていますが、民間が運営する「介護付き有料老人ホーム」や「住宅型有料老人ホーム」などサービスや娯楽が充実している施設では、さらに高い費用が必要です。

介護費用は親自身のお金で担うのが理想的

核家族化の進んだ現代では、被介護者や配偶者の大多数が、自分の収入や貯蓄を自らの介護費用にあてています。年金などの収入の範囲内で利用できる介護サービスや「特別養護老人ホーム」を選択するほかにも、ある程度の貯蓄を有している親の場合は、その資金を利用して民間の老人ホームなどを利用しています。

<子どもにも生活がある>

平成29年に内閣府がおこなった55歳以上の男女を対象とする「高齢者の健康に関する調査」でも、自分の介護費用については「年金などの収入でまかなうと考えている」という回答が63.7%を占めています。

なぜなら、親の介護と直面する子どもたち世代は、住宅ローンや子どもの進学などを抱えていたり、自分たちの老後資金を準備する必要があるからです。

親が支払えない場合は子どもが負担する

しかし、親の年金や資産が少ない場合には、民法上で扶養義務のある子どもが、親の介護と介護費用の全額または不足分を負担しなければなりません。しかし、子どもたちの家計によっても、親の介護費用まで負担するのが厳しいケースも存在します。

さらに、兄弟姉妹がいる場合は、誰かひとりに介護の負担が偏るとトラブルに発展する可能性があります。そのためにも、あらかじめ誰が介護の「どの部分を」「どの程度」負担するかについて、きちんと話し合っておく必要があるでしょう。

親の介護費用で困ったときは専門家に相談しよう

親の介護や費用に関する悩みはひとりで抱えず、以下のような窓口や専門家などに積極的に相談しましょう。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、介護・福祉・保健医療に関する支援をおこなう公的な機関です。担当のケアマネージャーなどに相談すれば、介護負担を軽減する制度を教えてくれたり、必要があれば、介護施設や医療機関につないでくれます。

社会福祉協議会

地域のさまざまな福祉サービスを担う「社会福祉協議会」は、車いすなど介護用具の貸し出しをおこなったり、1人暮らしの高齢者の見守りサポートをしています。地域によっては、前出の「地域包括支援センター」の運営もおこなっています。

ファイナンシャルプランナー(FP)

介護に関するお金の悩みをかかえているときは、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのがおすすめです。FPの中には介護や福祉にくわしい方もいるので、介護費用のために必要な家計の見直しや貯蓄方法を聞くことができます。

親の介護費用に利用できる支援制度

介護では、医療費や介護費用の不足に対応できるさまざまな軽減制度を利用できます。親の医療費や介護費が高額になった場合には、迷わず地域包括支援センターやケアマネージャーなどに相談しましょう。

医療費を軽減する制度

まずは、高額になった医療費の負担を軽減できる制度からみていきましょう。

医療費控除

「医療費控除」は、1年間に支払った医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合に適用される制度です。確定申告をおこなえば税金が軽減されて還付金を受け取れますが、その金額は負担した医療費や所得によって異なります。

高額療養費制度

「高額療養費制度」では、1カ月の療養費(支払った自己負担分)が所得や年齢によってそれぞれ定められた限度額を超えた場合、その超えた分の金額が戻ってきます。この制度を利用するには、加入している公的医療保険への申請が必要です。

介護費用を軽減する制度

次に、介護費用の自己負担額を軽減できる制度について確認していきましょう。

高額介護(予防)サービス費

「高額介護(予防)サービス費」は、1カ月に負担した介護サービス料金の自己負担額が個人や世帯の所得などによって決まる負担上限額を超えた場合、超過分の金額が介護保険から支給される制度です。
介護サービス利用料の自己負担額が上限額を上回ると、「高額介護(予防)サービス費」の支給申請書が自動的に送られてきます。

高額医療・高額介護合算療養費制度

「高額医療・高額介護合算療養費制度」とは、1年間の医療保険と介護保険の自己負担分の合算金額が所得や年齢によって定められた限度額を上回った場合に、超えた分の金額が戻ってくる制度です。
「高額療養費制度」や「高額介護(予防)サービス費」で月ごとの自己負担額を抑えてもなお負担が大きい場合に「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用すれば、さらに負担を軽減できます。

特定入所者介護サービス費

「特定入居者介護サービス費」とは、世帯全員が住民税非課税かつ預貯金等が一定額以下の方が特別養護老人ホームを利用した際、支払わなければならない居住費と食費の負担を、軽減できる制度です。
この制度の利用するためには、お住まいの自治体に「介護保険負担限度額認定証」を交付してもらい、利用する施設に提示する必要があります。

各自治体による助成金

これらの制度のほかにも、介護が必要な人の生活を支える独自の補助金や、助成金の制度を整えている自治体もあります。制度の有無や内容はそれぞれ異なるため、お住まいの都道府県または市区町村の窓口に確認してみましょう。

それでも親の介護資金が足りない場合の対処法

これらの軽減制度などを利用してもなお、親の介護資金が足りないケースもあり得ます。その場合は、以下のような対処法を検討してみましょう。ただし、親や家族の状況を踏まえて、最適な方法を選ぶ必要があります。

世帯分離をする

介護が必要な親と生計を一緒にしている場合は、「世帯分離」を検討してみましょう。「世帯分離」とは、同居していながら住民票の世帯を分けることをいい、親世代が単独世帯になることで、介護費用の自己負担額の軽減などが望めます
「世帯分離」に必要な手続きは、役所でおこないます。ただし、デメリットも存在するため、慎重な判断が必要です。

生活保護を申請する

親の生活自体が困窮している場合は、「生活保護」を申請することも検討しましょう。いくつかの条件をクリアすれば生活保護が受けられ、最低生活費の不足分を生活保護で補填することができます。
生活保護を受けたとしても、利用できる有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅は一定数存在するので、危惧する必要はありません。

自宅を利用して資金を調達する

親の自宅を売却して資金を得るほかに、自宅を活用して資金を調達しながらそのまま自宅に住み続けることができる「リースバック」や「リバースモーゲージ」という制度を利用して介護資金を調達する方法があります。
ただし、それぞれの手段にはメリットだけでなくデメリットが存在します。親や家族にとって最適な方法を慎重に選びましょう。

貸付制度を利用する

在宅介護の初期費用や施設入居のための一時金など、まとまったお金が一時的に必要なときは、低所得者や高齢者、障がい者などを経済的に援助する公的な「生活福祉資金貸付制度」という低金利な貸付制度や、民間の銀行などが取り扱う「介護ローン」や「フリーローン」の利用も選択肢に加えましょう。

ただし、「介護ローン」は医療に関する費用には対応していません。医療費が足りない場合は「医療ローン」を検討しましょう。

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親の介護費用に困らないためには備えが必要

親の介護がいつ始まるのかは、誰にも予想することはできません。いつかの介護に備えて、親の収入や資産状況を把握しておくことはもちろん、利用できる制度や相談できる機関や専門家を知っておくことが大切です。そして、もし親の資金だけでは足りない場合は、介護や介護費用を誰がどう負担し、どう支払っていくのかを、両親だけでなく兄弟姉妹と一緒に、きちんと相談しておきましょう。


POINT

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