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介護保険の住宅改修費はいつ戻る?20万円枠と償還払い・受領委任払いの立替額を試算

介護保険の住宅改修費は、工事が終わって領収書などを出したあとに支給されます。償還払いでは工事費の全額をいったん立て替えるため、手元に必要な金額は「自己負担額」ではなく「工事費の全額」です。受領委任払いに対応する市町村と事業者を使えば、窓口で払うのは自己負担分だけで済みます。ただし着工前の事前申請が済んでいない工事は、原則として対象になりません。この記事は2026年10月7日に確認した公開情報にもとづく一般的な説明で、個別の要介護認定や工事の可否は、担当のケアマネジャーや市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センターで確認してください。

まず確認したい三つの数字:20万円・9割・事前申請

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厚生労働省の資料「介護保険における住宅改修」では、支給限度基準額は生涯20万円とされています。要支援・要介護の区分にかかわらず定額です。保険給付は原則として工事費の9割(上限18万円)で、所得に応じて8割(上限16万円)または7割(上限14万円)になります。

20万円は1回の工事ごとの枠ではなく、通算の枠です。限度額の範囲内なら、複数回に分けて申請できます。たとえば最初に15万円の工事をした場合、残りの枠は5万円です。ただし、要介護状態区分が三段階以上重くなったときと、転居したときは、改めて20万円までの枠が設定されます。

対象になる工事は、手すりの取付け、段差の解消、滑りにくい床材などへの変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への便器の取替え、およびこれらに付帯して必要な工事の6種類です。手すりのように見えても、工事を伴うのか、置いて使う用具なのかで扱う制度が変わることがあるため、先にケアマネジャーへ確認すると迷いません。

お金が動く順番を時系列でたどる

厚生労働省の資料に載っている流れを、お金の動きに置き換えると次のようになります。

  1. ケアマネジャー等に相談し、施工事業者を選んで見積もりを取る
  2. 着工前に、支給申請書・工事費見積書・住宅改修が必要な理由書・完成予定の状態が分かる写真または図面を市町村へ提出する
  3. 市町村が内容を確認し、結果が伝えられる
  4. 工事、完成、事業者への支払い
  5. 領収書・工事費内訳書・改修前後の写真(賃貸などで所有者が別なら承諾書)を提出し、支給が決まる

理由書は、介護支援専門員、地域包括支援センターの担当職員、作業療法士、福祉住環境コーディネーター検定2級以上の資格を持つ人などが作成します。ここでの見積書は複数の事業者から取ることが勧められています。やむを得ない事情があるときに限り、工事完成後の申請も認められていますが、例外扱いです。退院が急に決まったなどの場面でも、まず市町村に「着工してよいか」を電話で確認するのが安全です。

支給の時期は自治体の事務の流れで変わります。船橋市のページでは、完了報告書などを提出した翌月の下旬に指定口座へ振り込まれると案内されています。ほかの市町村で同じとは限りません。「いつ戻るか」は、申請書類をそろえて出した日から数週間から1か月以上かかることがあると見込み、窓口で支払予定日を聞いておくのが現実的です。

償還払いと受領委任払いで、立替額はこう変わる

償還払いは、利用者が工事費の全額を事業者へ支払い、あとから保険給付分が戻る方式です。受領委任払いは、利用者が自己負担分だけを事業者に払い、保険給付分は市町村が事業者へ直接支払う方式です。北九州市のページでは、受領委任払いを使えるのは市の研修を受けた登録事業者に限られると書かれています。つまり、受領委任払いは全国一律の制度ではなく、導入の有無や対象事業者は市町村ごとに違います。事前申請の時点で、使いたい方式を担当窓口と事業者の両方に伝えておく必要があります。

次の試算は、工事費を税込の仮定額とし、給付額を「工事費と20万円のうち小さいほう×給付割合」で求めたものです。

仮定の工事費負担割合償還払いで一時的に払う額後で戻る額最終的な自己負担
15万円1割15万円13.5万円1.5万円
24万円1割24万円18万円6万円
24万円2割24万円16万円8万円
24万円3割24万円14万円10万円

24万円の1割負担の行を式で書くと、給付額は20万円×0.9=18万円、自己負担は24万円−18万円=6万円です。この6万円には、1割負担分の2万円に加えて、限度額を超えた4万円が全額含まれます。受領委任払いが使える場合、同じ工事で窓口に払う額は6万円で、償還払いより18万円少なく済みます。工事費が20万円を超えた部分は、介護保険の給付に関係なく自己負担になる点を、見積もりの段階で確認してください。

なお、負担割合が何割になるかの判定基準日は、自治体によっては領収日です。北九州市のページにその旨の記載があります。負担割合が切り替わる時期をまたぐ場合は、いつ領収書を受け取るかも金額に影響します。

見積書を取る前に決めておく三つのこと

一つ目は、改修の目的を具体的にすることです。「玄関の上がりかまちに手すりを付ける」「トイレの出入口の段差をなくす」のように箇所と目的を決めておくと、理由書の作成が進み、事前確認でも内容が伝わりやすくなります。二つ目は、見積書の内訳を材料費と施工費に分けてもらうことです。厚生労働省の通知でも、材料費や施工費を区分した見積書が求められています。三つ目は、賃貸住宅や持ち家でも名義が別の場合に、所有者の承諾書が要ることを早めに伝えることです。工事後に承諾書がないと支給の手続きが止まります。

手すりの取付けで、壁の下地補強が必要になることもあります。補強が手すりに付帯して必要な工事と認められるかは市町村の判断です。見積もりに含める前に、事前申請の段階で担当窓口に聞いておきましょう。

支払い方法を並べて考える

手元資金の準備は、利用する方式で必要額が大きく変わります。受領委任払いが使えるなら、必要な現金は自己負担分だけです。償還払いしか選べない場合は、工事費の全額を一時的に用意します。立替期間は、工事の完成から給付金の入金までの数週間から数か月と見ておくと無理がありません。

公的な制度では、介護保険の給付に加えて、自治体が独自に助成を設けている場合があります。内容は自治体ごとに違うので、介護保険の窓口で併用できるかを確認してください。自己資金で立て替えられるなら、利息の負担は生じません。足りない部分は、金融機関のリフォームローンなど、工事費の立替に使える資金を検討します。ただし給付金が戻る前提で短期間だけ借りる場合も、手数料や利息を含めた総額を確認してください。給付が決まる前に、給付を当てにして支払い計画を立てすぎないことも大切です。

資金の集め方を比較するなかで、CrowdLoanのような選択肢の情報も確認できます。いずれも審査があり、承認や金利を事前に約束するものではありません。条件は申込み前に必ず公式の案内で確認し、返済できる範囲で検討してください。

出典・調査日

調査日:2026年10月7日。制度は改正される場合があるため、申請前に市区町村の最新の案内を確認してください。


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