2024年03月06日
新規開業によって会社を設立する際に、開業資金をどうやって調達するかは大きな問題です。さまざまな資金調達方法の中でも、比較的審査が甘く融資を受けやすいビジネスローンを検討する方も多いことでしょう。そこで今回は、開業資金にビジネスローンを活用することはできるかをくわしく解説。また、開業資金の目安やビジネスローン以外の資金調達方法、ビジネスローンの効率的な探し方もあわせて紹介します。
目次
各業種において必要な開業資金額の幅はありますが、2021年の日本政策金融公庫による新規開業実態調査によると、開業資金に使用された平均金額は941万円です。ただし、最も一般的な中央値はおよそ580万円であり、比較的小規模な開業も増加しています。
しかし、実際の起業には開業資金の他にも、事業を運営するための「運転資金」が最低でも3か月分は必要です。さらに、事業が軌道に乗るまでの生活費などの「予備資金」を考慮に入れると、1,400万円程度が必要になります。
業種によって必要な開業資金は異なりますが、一般的な開業資金の主な内訳は次の通りです。
資金名 | 内訳 |
---|---|
開業資金 | 店舗費用・リフォーム費用 設備・家具費用 初期人件費・初期仕入れ費用 加盟金と初期ロイヤリティ(フランチャイズの場合) |
運転資金 | 店舗家賃・人件費 仕入れ費用・借入金の返済と利子分 ロイヤリティ(フランチャイズの場合) |
予備資金 | 生活費 |
店舗や事務所を構えて起業する場合は、まずテナントの賃借に必要な初期費用やリフォーム費用が必要です。また、事業を運営するために必要な機器や什器の準備資金も必要です。さらに、フランチャイズの場合は加盟金や初期ロイヤリティも必要になります。
開業後の事業を運営するためには、事業が軌道に乗るまでの店舗家賃や人件費、仕入れ費用を代表とする「運転資金」を、最低でも3~6か月分準備しておく必要があります。また、開業のための借入金がある場合は、利息分を合わせた月々の返済も始まります。
開業資金の他に「予備資金」を用意しておくことも重要です。事業が軌道に乗るまでの「運転資金」の他に半年から1年分の生活費を備えておけば、万が一の場合にも慌てることがありません。
起業する際、店舗を構えるかどうかによって必要な開業資金の金額が変動します。店舗を構えて起業する場合には、以下の店舗費用に加えて、リフォーム費用や設備費用などを合わせた100万円から数百万円程度の店舗資金が必要になります。
条件に合う居抜き物件があれば、これらの店舗資金を大幅に抑えることができますが、開業初期には人件費や仕入れ費用として、さらに数十万円の資金も必要です。
店舗を構えずに起業する場合は、上記の店舗費用がほとんど必要ないため、店舗を構える起業よりもかかる費用を安く抑えることができます。事業の内容によっては、通信機器などの設備費用や営業活動のための広告費などが必要になりますが、開業資金を100万円以内に抑えることも可能です。
自宅で開業する場合も、開業資金を数十万円程度に抑えることができます。自宅の一部を改装して店舗として利用する場合はリフォーム費用などが必要になることはありますが、小規模な改装であれば、それほど大きな出費にならずに済むでしょう。また、必要に応じて、設備費用や広告費などの営業活動費用がかかることもあります。
ビジネスローンは、事業運営におけるさまざまな資金不足に対応できますが、起業や開業資金の調達に適したビジネスローンの数は多くありません。一部のビジネスローンは第一期から利用でき、決算書や事業計画書の提出が不要なものもありますが、開業資金としての利用を認めていないものがほとんどです。
なぜなら、通常のビジネスローンは、開業後1~3年以上経過し、業績も比較的安定している状態の事業主が、一時的な運転資金不足や急な資金不足に直面した際に利用することを想定しているためです。
しかし、起業や開業資金に利用可能なビジネスローンが全く存在しないわけではありません。どうしても開業資金にビジネスローンを利用したい場合は、「有担保」のビジネスローンの利用を検討しましょう。
「有担保」のビジネスローンは、高額な有価証券や不動産、または連帯保証人を担保にすることで資金を融資するため、開業資金としても借り入れやすい可能性があります。また、担保や保証人が付いていることで審査に通過しやすい傾向にあります。
一般的なビジネスローンの申請には、1年以上のビジネス実績を示す確定申告書類や決算書の提出を求められます。そのため、すでに副業サラリーマンとしてある程度の副収入がある方や、個人事業主として1年以上ビジネスをおこなっている実績がある場合、手元にある確定申告書類を申請書類として提出することができます。したがって、法人化直後にビジネスローンを申込んでも、大きな問題はありません。
ビジネスローンを開業資金として利用する場合には、以下の審査基準を満たさなければなりません。ここからは、ビジネスローンの審査を通過するためには、どのような対応が必要なのかをくわしく見ていきましょう。
一般的なビジネスローンの審査は、他のローンに比べて比較的通りやすい傾向にありますが、ビジネスローンを取り扱う会社は、事業主の事業に関する見通しや資金用途から融資可能であるかを判断します。
したがって、これから始める事業に関する知識とスキル、そして資金用途に計画性があることをしっかりとアピールできるよう準備しておく必要があります。良質な事業計画や将来の見通しを提示し、融資可能性を高めることが重要です。
事業主に知識やスキルがあり、事業計画や資金計画が堅実であっても、実際の事業に持続性や継続性がなければ、貸し倒れの危険性があるとみなされてしまいます。そのため、ビジネスローンを申請する前に、ビジネスの将来の見通しや市場の需要を慎重に分析し、これから始める事業が持続可能かを再確認しておくことも重要です。
ビジネスローンでは、事業の将来的な収益性が重要な審査要件のひとつとなります。なぜなら、事業の収益性は事業主の返済能力と密接に関連しており、ビジネスローンの返済に充てる収益を見込めなければ、貸付を受けることが難しくなるからです。
もし、事業が立ち上がってから軌道に乗るまでは、返済に充てられる程の収益が見込めないと予想される場合は、返済のための財源を確保する方法を明確にしておくと良いでしょう。
ビジネスローンの申請時には、事業主の信用力を過去の信用情報から判断するのが一般的です。そのため、開業資金を得るために新たにビジネスローンに申請する際には、現在借り入れている他のローンをできるだけ減らしたり、完済しておくことをおすすめします。
また、過去の返済遅延や金融事故などで信用情報に不利な記録がある場合は、その記録が消えるまで一定期間待ってから申請するなどの対応も必要になります。
ビジネスローンが利用できない場合に備えて、ビジネスローン以外で開業資金を調達する方法もあらかじめ検討しておくと安心です。開業資金を調達する方法として、主に次の3つが挙げられます。
日本政策金融公庫は、「新規開業資金」や「女性、若者/シニア起業家資金」など、さまざまな事業者を支援する資金制度を設けています。これらの制度は、金利が1~2%と非常に低く設定されており、借入限度額も7200万円までと高い点が特徴です。
ただし、開業資金としての借入には自己資金が10%以上必要であること、また、希望者が多く審査が厳しいこと、そして一度審査に落ちると半年以上は再申請できないことなどに留意しなければなりません。
国や自治体が提供している補助金や助成金を開業資金として活用する方法もあります。自治体によっては「起業支援金」や「創業助成金」などと呼ばれています。これらの補助金や助成金は、他の融資とは異なり返済する必要がないため、開業後の資金負担を減らしたい場合に有効です。
ただし、国や自治体が提供する補助金や助成金は原則後払いです。そのため、事前に開業のための自己資金を確保しておく必要があります。
銀行融資も、開業資金の調達方法として有効なひとつです。銀行融資は比較的低金利で利用できるところが大きな魅力です。しかし、銀行融資では特に慎重な審査をおこなうため、借入までの期間が1か月ほどかかることがあります。また、有価証券や不動産などの担保や連帯保証人、収益化の実現性の高い事業計画書の用意が必要です。
個人事業主であれば、開業する事業によって多額の資金を必要としない場合はノンバンク系のカードローンで資金調達をすることも可能です。カードローンなら、銀行融資や日本政策金融公庫の融資よりも短い時間で融資を受けられるため、急な資金不足にも対応できます。
また、カードローンであれば、必要な分だけ必要なときに借りることができるのが大きなメリットです。ただし、ビジネスローンや銀行融資よりも金利が高めであるため、借り過ぎには注意が必要です。
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ビジネスローンは開業資金には比較的活用しにくいことがわかりました。どうしても開業資金にビジネスローンを利用したい場合は、有担保のビジネスローンを検討しましょう。そして、ビジネスローン以外にも、日本政策金融公庫や銀行融資、補助金など、さまざまな資金調達方法を検討しておくとさらに安心です。開業資金の調達には、自己資金と合わせて適した手段を選びましょう。
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新規開業に際しては資金調達が重要な課題となりますが、ビジネスローンはその有力な選択肢の一つです。この記事では、開業資金としてビジネスローンを利用するメリットとデメリット、他の資金調達方法との比較を詳細に解説しています。また、効率的なビジネスローンの探し方や開業資金の目安についても紹介されており、これから起業を考えている方にとって価値ある情報源となるでしょう。