2024年03月04日
個人事業主や経営者が、事業資金としてまとまった費用が必要になった時、資金調達の手段としてビジネスローンを利用するという選択肢があります。ビジネスローンとは、民間の銀行や消費者金融、クレジット会社などが提供する事業者向けの融資です。同じ事業資金調達手段に、銀行融資や公的機関からの融資がありますが、これらの融資とビジネスローンにはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、ビジネスローンの種類や適した利用方法、また銀行融資との違いや上手な使い分け方などをご紹介します。
目次
ビジネスローンも融資の一形態であり、銀行融資との区別が難しいのですが、金利や審査にかかる時間など、様々な点で違いがあります。
ビジネスローンと銀行融資の大きな違いは以下の表のとおりです。
金利 | 特徴 | |
---|---|---|
銀行融資 | 年1~3% | 金利が低め 借入上限額が高い 必要書類が多い 融資実行まで時間がかかる 担保や保証人が必要 |
ビジネスローン | 年1~18% | 金利が高め 借入上限額が低い 融資実行までの時間が短い 無担保・保証人不要のケースが多い 銀行、信販会社、消費者金融などが取り扱う |
ビジネスローンは銀行融資に比べて審査期間が短く、スピーディーに融資を受けることができます。無担保で借りられるものが多く、保証人が不要なケースもあり、すぐにでも資金が必要な場合に便利です。
一方、銀行融資は事業計画書などの必要書類が多く、審査に時間がかかりますが、ビジネスローンに比べて金利が低く設定されています。長期的な借入が必要な場合は、ビジネスローンよりも銀行融資の利用が適しています。
ビジネスローンを提供している金融機関は、大きく分けて2つあります。銀行系が提供するものと、信販会社や消費者金融など銀行以外の金融機関が提供するものです。では、それぞれのメリットとデメリットをみてみましょう。
ビジネスローンの種類 | 金利 | 特徴 |
---|---|---|
銀行系ビジネスローン | 1~15% | 金利は低めだが借入までに時間がかかる |
ノンバンク系ビジネスローン | 3〜18% | 審査は通りやすいが金利が高い |
銀行融資と比較して金利が高めに設定されているビジネスローンですが、その中で低い金利を探すのであれば銀行系ビジネスローンが適しています。中でもメガバンクの金利は低く、地方銀行は多少高めのところが多い傾向があります。ノンバンク系と比較すると審査が厳しく時間がかかりますが、銀行融資と比べれば利用しやすくなっています。
金利が低いところほど審査が厳しく、逆に審査に通りやすいところほど金利が高いと言えるでしょう。
信販会社や消費者金融が提供するビジネスローンは、審査時間が最短30分程度のところもあり、審査が通りやすいローンです。一部の会社では、WEBやATMを利用して借入や返済が行えるサービスも提供されています。また、一度審査を通過すれば、限度額内で自由に借入や返済が可能な法人カードローンを組み合わせることで、より臨機応変に事業資金を用意することができます。ただし金利は高めに設定されており、高額や長期の借入には向いていません。
次は、比較的低金利で借りることができる銀行ローンについて細かく見ていきましょう。銀行が事業資金として貸し出す融資は、大きく分けて3種類あります。
ビジネスローン | プロパー融資 | 保証付き融資 | |
---|---|---|---|
保証料 | 必要な場合もある(保証料込の場合も) | 不要 | 必要 |
担保 | 基本的に不要 | 必要なケースが多い | ある方が有利 |
金利 | 高い | 低い | プロパー融資より高い |
限度額 | 数十~百数十万円程度 | なし | 2億8,000万円(無担保の場合は8,000万円) |
対象となる事業者 | 小規模企業・個人事業主など | 実績のある企業や大企業 | 中小企業・小規模企業など |
審査の厳しさ | 比較的通りやすい | 非常に厳しい | 厳しい |
審査にかかる時間 | 数日~2週間程度 | 2週間~1ヵ月程度 | 1~2ヵ月 |
保証人や担保が不要なことが多く、スピーディーに借入れることができるビジネスローンと、銀行と事業主が直接取引を行うプロパー融資、信用保証協会に保証料を支払い保証してもらう保証付き融資です。プロパー融資と保証付き融資は、ともに銀行融資と言われるものです。
前述した通り、ビジネスローンの審査は通りやすく、銀行融資の審査を待っている余裕がない場合や、審査を通過することができなかった時などに有効です。申し込みには代表者の本人確認書類や決算書、個人事業主の場合は確定申告書などが必要になります。
金利は銀行融資に比べて高く、借入限度額は数百万円程度までのものが多いため、設備資金のような、長期に渡る高額な借入には向いていません。急な支払いや、少額の借入での利用には便利です。尚、ローンによって、または創業時で業歴がない場合などは、融資の条件に保証機関の利用を求められることもあります。場合によっては、信用保証協会への保証料の支払いが必要になります。
プロパー融資は、信用保証協会を通さず直接銀行から資金を借りる方法です。返済が滞った場合の損失を銀行が負うことになるので、審査が非常に厳しく、銀行との長い信頼関係がある事業者や、経営状態が優良な企業でないと通過するのは難しいでしょう。
プロパー融資の審査を通過した企業は信用度が高いので、借入限度額が無く、低い金利で融資を受けることができます。事業拡大のための設備投資のような、多額の資金が必要な際に適した借入方法です。
また、ひとつの銀行では対応が難しい大きい額の融資の場合、複数の金融機関が、1社に対し同一条件のもと融資を行う「シンジケートローン」という融資方法がとられることもあります。
銀行から融資を受けるには高い信用が必要です。まだ銀行との取引実績が少ない中小企業が、公的機関である信用保証協会の保証を受けて銀行から融資を受ける仕組みを保証付き融資といいます。返済が困難になった場合、信用保証協会が立て替えて返済を行ってくれるので、銀行がリスクを負う必要がありません。そのため、プロパー融資ほどの厳格な審査がなく、中小企業でも融資が受けやすくなります。
銀行から保証付き融資を受けるには、銀行と信用保証協会の審査を受ける必要があります。審査を通過したら、信用保証協会に信用保証料を支払い、銀行から融資を受けます。万が一の時に信用保証協会に立て替えてもらった返済金は、事業者が信用保証協会に返済します。
ビジネスローンと銀行融資にはそれぞれメリットとデメリットがあり、資金の使用目的や希望金額によって適した借入方法が異なります。ここでは、それぞれの融資がどのような使用目的に適しているかを紹介します。
融資実行のハードルが低く、金利が高めに設定されていているビジネスローンは、以下のような時の借入に適しています
長ければ1カ月以上の審査期間が必要ですが、借入限度額が高額であり、金利が低く設定されている銀行融資は、以下のような時の借入に適しています
ビジネスローンと銀行融資は、どちらか一方を選択して利用しなければならない、というものではありません。
例えば、銀行融資を申し込んだけれど、審査に時間がかかるため、今すぐ必要な事業資金が足りないとします。その場合は銀行融資の審査待ちの間にビジネスローンを借入、融資が実行され次第、金利の高いビジネスローンはすぐに返済する、という方法があります。
また、追加融資が難しい銀行融資とは別に、比較的スムーズに追加融資が受けられるビジネスローンからも融資を受けておいて、緊急時に備えるという利用方法もあります。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、自身に最適な方法で活用しましょう。
事業を運営するにあたり、様々な資金の調達方法があります。数ある銀行のビジネスローンをひとつひとつ比較し、自分に合ったローンを見つけるには、相当の時間と労力が必要です。
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多くの銀行が、事業者や個人事業主向けにビジネスローンを提供しています。固定金利や変動金利、融資実行までの期間や融資限度額、担保の種類など、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあり、必要な資金の種類によって適したサービスが異なります。できるだけ多くのサービスを比較検討し、自分の状況に最も適したビジネスローンを選択しましょう。
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個人事業主や経営者にとって、迅速な資金調達手段としてビジネスローンは欠かせない選択肢です。この記事では、銀行融資や公的機関からの融資と比較して、ビジネスローンのメリットや特性を詳細に解説しています。また、ビジネスローンの種類や効果的な利用方法についても紹介し、経営者が賢く資金を調達するための指南書となっています。金融機関選びに迷っている方にとって、実用的な情報が満載です。