現代では実現するのが難しい美麗なフォルム、人と車が一体になる操作感などが魅力的なクラシックカーは、多くの愛好家を生み出しています。
熱狂的な愛好家ではなくても、一度はクラシックカーに乗ってみたいと考えている人は、意外と多いかもしれません。

しかし、クラシックカーを取得する場合、一般車よりも多くの予算を見込む必要があります。
この記事では、クラシックカーに乗る魅力や取得するメリット、注意点などに触れつつ、取得のためローンを組む方法についても解説します。

クラシックカーとは

クラシックカーは、登場した年代によって、概ね以下のように区分されています。

• ベテランカー：1904年以前
• エドワーディアンカー：1905～1914年
• ヴィンテージカー：1919～1930年
• ポストヴィンテージカー：1931～1942年
• ヒストリックカー：1945～1971年

概ね、自動車が誕生した1800年代終盤から、10年区切りで名称が付いているものと考えられます。
そして、この中のどの年代までがクラシックカーに分類されるのかについては、人それぞれで考え方が異なります。

クラシックカーと聞くと、現代で乗られている一般的な車とは違う、どこか味わい深い車のイメージを持つ方が多いでしょう。
そのような車をクラシックカーとしてイメージした場合、例えば昭和の時代の経済成長期に販売されていた車の中にも、最新型の車にはない独特なデザインのものを見かけることができます。

しかし、クラシックカーという名称は、厳密に定義されているものではありません。
よって、昭和の時代の車をクラシックカーに含めない人もいれば、十分クラシックカーとしての価値があると判断する人もいるのです。

少なくとも、日本ではクラシックカーの定義があいまいなため、自動車業界で歴史的価値が認められている車であれば、クラシックカーを名乗れる可能性が高いでしょう。

クラシックカーが持つ魅力とは

クラシックカーは、現代の新車にはない魅力がたくさんあり、特に「現代ではまず見かけることのないルックス」・「現代車に残っていない機能」などがそのまま残っている車は、多くの愛好家たちの心をつかんで離しません。
以下、クラシックカーが持つ魅力をいくつかご紹介します。

現代にはないデザインの美しさ

クラシックカーの多くは、その車が生まれた時代をそのまま切り取ったような、現代の感性から見て奇抜なデザインをしているものが多く見られます。
現代の車は、燃費性能などの縛りもあることから、どうしても個性的なフォルムを実現するのに限界があります。

税制優遇の基準に達するためには、空気抵抗を減らして走行性能を向上させるなど、各種条件とデザインを両立させる必要があります。
その結果、メーカーを問わずデザインが似通ってしまい、個性を演出するにも限界が生じます。

しかし、クラシックカーが生まれた時代のデザイナーたちは、のびのびとコンセプトに沿った美しい車をデザインすることができていたものと推察されます。
その美しさは、時代を経てもなお愛好家に支持されているのです。

同じ車を手に入れるのが難しい

クラシックカーは、コレクション癖がある人に対しても、ある種の魅力を感じさせる車です。
言わずもがな、クラシックカーが製造されていた時代は古く、現代では絶版となっているものがほとんどです。

源流を継いだ後継車があっても、そのパーツをクラシックカーに流用できるとは限らず、もちろん車自体を買い替えることも難しくなります。
つまり、どのメーカーにおいても「再生産ができない」という点において、クラシックカーは非常に貴重な車といえるのです。

流通している量が少ない車や、製造されてから長い年月が経過した車の場合、世界中を探して数台しか見つからないこともあります。
そのため、クラシックカーは「世界で自分だけが持っている車」という付加価値に魅力を感じるコレクターにとって、喉から手が出るほど欲しい車といえるかもしれません。

ドライバーの技量が試される車である

現代の車には、様々なアシスト機能が搭載されています。
アシスト機能の一例として、車両に取り付けられたセンサーによる障害物検知・衝突防止を実現する「プリクラッシュコントロール」という機能は、比較的新しい車両に搭載されている機能です。

その分、安全性は高いものと考えられますが、自分の意思・判断で操縦する喜びが失われていると考えるドライバーも少なくありません。
当然ながら、クラシックカーにそのような機能は初期状態で搭載されておらず、必然的に「ドライバーの技量」を問う場面が多くなります。

マニュアルミッションが搭載されている車も多く、ドライバーの操作次第で動きが変わるため、運転中に少しでもボーっとしていると思わぬ大事故に発展するおそれもあります。
しかし、自分が車の特性を理解して運転できれば、まさしく“人馬一体”ともいえる感覚を味わえるでしょう。

クラシックカーを持つことのメリットとは

クラシックカーは、非常に個性的かつ希少性が高い車のため、普段から乗っていなくても「持っている」だけで価値が生まれる車といえます。
以下、クラシックカーを持つメリットについて、主なものをいくつかご紹介します。

自分だけの「カッコよさ」を追求できる

クラシックカーを街で見かけたとき、思わず二度見した経験がある方も多いのではないでしょうか。
古いデザインの車は、保有している人が少ない分だけ、乗っているだけでその個性が際立ちます。

形状だけを見ても、クラシックカーがどことなく曲線的で優美な印象を与えるのに対して、現代の車は空力を意識した分だけシャープな形状のものが多く見られます。
ライトに関しても、クラシックカーは丸形で愛嬌のある目のようなライトが搭載されているものを多く見かけますが、現代車はつり上がった目、細目のライトなど複雑な形状をしています。

どちらが自分にとって魅力的かは人によりますが、車好きの人にとっては、クラシックカーに乗っているだけで自分だけの「カッコよさ」を演出することにつながります。
単なる移動手段を超えた満足感を車に求めるなら、クラシックカーは最適の車種といえるでしょう。

資産価値がある

状態の良いクラシックカーは、金や芸術作品・不動産といった、いわゆる「実物資産」の一つに数えられることがあります。
つまり、クラシックカーそのものが、投資対象として魅力的な存在になり得るのです。

実物資産はインフレに強いとされ、モノの価値が上がれば自動車の価格も上がることになり、株や外貨などに比べて経済変動の影響を受けにくいものと予想されます。
実際、運転するのではなくコレクションとしてクラシックカーを保有している人も一定数存在していることから、資産価値は十分にあるものと考えられます。

もちろん、スクラップ同然のクラシックカーに高値が付くとは考えにくく、少なくとも乗れる状態・見た目には綺麗な状態を保っていることが、投資対象と判断される最低限の条件となるでしょう。

オーナー同士で交流の機会が生まれる

車に関するトピックは、多くのファンやドライバーを引き付けるものですが、クラシックカーも例外ではありません。
そもそも、クラシックカーに乗っている人は世界中を見渡してもさほど多くなく、日本国内ともなればなおさらコミュニティが限られているのが現状です。

それだけに、似たような趣味を持つオーナー同士で交流の機会が生まれることは、人生においてかけがえのないつながりに発展する可能性を秘めています。
車をきっかけにした人間関係の中で、楽しいひと時を過ごせるだけでなく、パーツや修理に関する相談を持ち掛けることもできるでしょう。

現代では、SNSによって気軽に色々な人とつながることもできるようになったため、全国規模で仲間を見つけることも難しくなくなりました。
自分から愛車の情報を発信することで、他のファンとのコミュニケーションに発展する可能性も十分考えられます。

クラシックカーを手に入れる際の注意点

クラシックカーには唯一無二の魅力があるものの、誰にとっても気軽に手に入れられるものではなく、毎日のメンテナンスにもお金や労力がかかります。
以下、クラシックカーを手に入れる際の、主な注意点について解説します。

クラシックカーは総じて高価

世界経済の先行き不安などを理由に、クラシックカーは金融商品化する傾向にあります。
そのため、近年では簡単に手に入りにくくなった車種も存在しています。

旧車の雑誌や昔のカタログなどを見て、思わず一目惚れしてしまった車を購入したいと思っても、いざ手に入れようと思ったら予算を大幅にオーバーしてしまうことは珍しくありません。
オークションや人づてに車を手に入れようとしても、購入価格が適正な市場価値かどうか判断するには一定の経験が求められ、気軽に購入するのは難しいでしょう。

かつては比較的安価で購入できた日本の国産旧車でさえ、数百万円に価格が高騰しているケースも見られます。
登場時点から高級車だったクラシックカーを手に入れる場合、相応の金額を準備する覚悟が求められます。

メンテナンス・維持にもお金がかかる

クラシックカーは、希少性が高い分だけ、現代で流通している車に比べて不便な部分が数多く存在します。
特に、故障部位のメンテナンスや車体の維持は、市販されているパーツを流用するのが難しいため、専用パーツや改造パーツなどを探すことになります。

車は生産されてから10年を境に、少しずつ部品の供給が減っていきます。
よほどのベストセラー車種でない限りは、車が古くなればなるほど、部品を手に入れるのが難しくなるのです。

普段からきちんと整備をしているのに、予期せぬ形で故障が発生してしまうのも、クラシックカーの特徴に分類されます。
故障を修理したタイミングで、新たな不具合が見つかることも珍しくなく、いつまでも車に乗れず心が折れてしまうドライバーも少なくありません。

また、古い車は総じて燃費が現代車よりも悪くなりがちで、エンジンや周辺の性能改善にも限界があります。
新車登録から13年を過ぎた車は自動車税も割高になるため、維持費も決して馬鹿にならない点に関しては覚悟が必要です。

クラシックカーの購入でローンは組める？

購入も維持もお金がかかるクラシックカーを手に入れるため、せめて「購入金額だけでも負担を軽くしたい」と考えるドライバーは少なくありません。
そこで役に立つのが、銀行やディーラーなどで取り扱いのあるマイカーローンですが、多くの商品は一般的な新車購入に特化した商品設計となっているケースが多く、基本的に車両の購入価格とその他諸経費までしかカバーできないものと考えられます。

購入後の不具合が心配なクラシックカーをローンで購入するには、レストア（乗車可能な状態に復元する）費用までカバーしてくれるローン商品を選ぶことが大切です。

クラシックカーの購入に役立つ「クラウドローン」

クラシックカーが対象となるカーローンを自力で見つけようとすると、時間・労力的な限界から十分なリサーチができず、自分にとって不利な条件でローンを組んでしまうおそれがあります。
そこでおすすめなのが、全国各地の銀行からWeb経由で提案を受けられる「クラウドローン」です。

クラウドローンを利用すれば、様々な金融機関に足を運ぶ必要がありません。
希望の条件を入力するだけで、様々な金融機関のローン商品の中から、クラシックカーの購入に適した提案を選ぶことができます。

まとめ

クラシックカーは、独特のデザインや希少性、運転の楽しさなど、多くの魅力を持つ車です。
クラシックカーとの出会いによって、同じ車のオーナーとの人間関係が生まれると、より充実した人生を過ごすことにもつながります。その一方で、クラシックカーは誰もが気軽に購入できる価格帯の車とはいえず、購入後の維持費もかかります。
カーローンを組んで購入する場合、将来の不具合も想定して、レストア費用までカバーできる商品を選ぶことが大切です。

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