2024年06月04日
認知症は高齢化社会とともに身近な問題となり、数年後には高齢者の5人に1人の割合で認知症になるとも言われています。認知症が進行すると、同居する家族に負担がかかり、介護施設への入居が必要になることも。
この記事では、認知症の方が利用できる介護施設の種類や費用相場、費用を抑える方法について詳しく解説していきます。ご家族に認知症の方がいらっしゃる方に、読んでいただきたい記事です。
目次
認知症は、治療やリハビリなどにより、それ以上進行していくことを抑えていくことが肝要です。「わが国における認知症の経済的影響に関する研究 平成26年度 総括・分担研究報告書」によると、月々にかかる認知症の医療費は、入院では34万円程度、通院外来では4万円程度が必要とのことです。公的医療保険制度や高額医療負担制度の利用などを考慮すると、月額5万〜8万円程度かかることになるでしょう。
親の認知症にかかる費用は、本人の資産でまかなうのが基本とされており、子どもや親族が無理に費用を負担する必要はありません。しかしながら、法律的に扶養する義務があるため、費用が不足する場合は、身内で話し合いながら介護を進めていく必要があります。
認知症の方が入れる介護施設は大きくわけて、公的施設と民営の施設の2種類があり、公的施設のひとつに、特別養護老人ホーム(特養)が挙げられます。
ここからは、認知症の方が入れる介護施設の種類や費用相場について、詳しく見ていきます。
下の表を見ると、認知症の介護施設の費用は、公的施設の特養の費用が安めの傾向になり、民間施設の介護付き有料老人ホームの費用は、高めの傾向であることがわかります。
なお、介護施設の費用は、施設の種類や本人の収入などにより異なります。
施設の種類 | 入居費用 | 月額費用 | 要介護度 |
---|---|---|---|
【公的】特別養護老人ホーム(特養) | 0円 | 4~16万円 | 要介護3以上 |
【民営】介護付き有料老人ホーム | 0円〜数千万円 | 15~35万円 | 要支援1以上 |
【民営】サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 0円~数十万円(敷金) | 12~25万円 | 自立~中度 |
【民営】グループホーム | 0円〜数十万円 | 10~20万円 | 要支援2以上 |
特別養護老人ホーム(特養)は、公的な施設であり、入居費用が不要です。月額費用は4~16万円程度かかり、入居対象者は要介護3以上の方になります。費用が比較的安く需要もあるため、待機が長くなることが一般的です。
介護付き有料老人ホームは、入居費用が0円~数千万円まで幅があり、月額費用は15~35万円程度になり、要支援1以上の方が対象です。リハビリやリクリエーションといった手厚い介護サービスも充実していますが、費用が高めになるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、入居費用が0円~数十万円(敷金)程度で、月額費用が12万~25万円程度かかります。自立から中度の介護が必要な方が対象です。サ高住は安全なバリアフリー設計の住居であり、生活支援や介護、緊急対応サービスが受けられますが、施設によって認知症に対応しているかどうか異なります。
グループホームは、入居費用が0円~数十万円程度、月額費用が10~20万円程度かかります。要支援2以上の方が対象で、家庭的な雰囲気でのケアが特徴です。少人数での共同生活を通じてアットホームなケアを提供しているため、認知症の方に適していると言えるでしょう。
詳細については、地域の包括支援センターや担当のケアマネージャーまでご相談ください。
入居費用(入居一時金)は、介護施設に入居するために必要な費用であり、施設によって金額は異なります。一度に全額を支払えない場合、一部前払い制を選べる施設もあります。
入居費用の支払いが必要なケースが多く、入居費用から入居後の家賃が償却されていきます。そのため、入居費用が不要の場合は、月額費用が高めになるのが一般的です。
また、早期に施設を退去した場合は、入居費用の一部が返還されることもあります。入居期間中の家賃相当額を差し引いた残金が返還されるため、入居期間が長いほど返還金は少なくなるでしょう。特に、高額の入居一時金を支払った場合は、入居期間に応じて返還されることが大半です。
毎月かかる月額費用は、要介護度、所得、居室の大きさ、施設の設備、立地などによっても変わります。居住費は、家賃のように毎月施設に支払い、食費は施設によって1日単位や1食単位で計算されます。外泊などで食事が不要な場合は、返金してくれる施設もあります。
基本的に、けがや病気で治療が必要になった場合は医療費が別途必要になります。また、介護付き有料老人ホームでは、おむつ代は自己負担になるでしょう。
認知症の方が厚生年金を受給している場合は、年金だけで公的および民間施設の費用を支払うことが可能でしょう。しかし、年金だけでは介護施設の費用を賄えないケースもあります。そのため、まずは認知症の方の年金支給額を確認し、不足している場合は、不動産などの資産を現金化するのも良いでしょう。
そのほか、住宅ローンや団体信用生命保険(団信)の契約内容を見直すことをおすすめ。団信が適用されれば、認知症の症状が高度障害と認められた場合、団信から残りのローンを支払われるケースもあります。
成年後見制度は、認知症の親に代わって財産を適切に管理する制度のこと。認知症になると、いつの間にか高額な保険に加入させられたり、不要なサブスクサービスを契約させられたりするケースも見受けられます。生活費や医療費の支払いなどをサポートする成年後見制度を活用すれば、こうした無駄な出費を防ぐことができるでしょう。
認知症の介護施設費用を抑えるためには、公的サービスの利用が効果的です。自治体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームや、質素な有料老人ホームなどは比較的費用が安いことがあります。
ここからは、費用を抑える方法や助成制度について具体的に解説していきます。
高額介護サービス費は、長期介護にかかる介護サービス費用の自己負担額を軽減する制度であり、経済的負担が軽減されます。公的介護保険サービスの自己負担額は、所得に応じて1〜3割程度であり、1ヶ月の自己負担額が上限を超えた額が介護保険から支給されます。
高額医療・高額介護合算療養費制度は、医療費と介護サービス費用の自己負担額を減免する制度です。世帯の年収や年齢によって自己負担限度額は異なり、限度額を超過した分は医療と介護それぞれ按分して支給されます。申請先は、勤務先を通して公的医療保険へ申請を行いますが、定年退職後の方や個人事業主の場合は、市区町村からの申請が可能です。
社会福祉法人などの利用者負担軽減制度は、介護サービスの自己負担額や居住費、食費を減免する制度のこと。要介護(要支援)認定を受けている方で、世帯全員が市町村民税非課税の方、生活保護等を受給している方などが対象に挙げられ、所得や預貯金、試算、親族、介護保険料の支払い状況などがチェックされます。
特定入所者介護サービス費は、認知症の方が介護施設へ入居した場合の居住費と食費の減免制度のこと。この制度を利用することで、長期が予想される介護施設の生活を安心して送ることができるでしょう。
認知症の介護費用も要件を満たせば、医療費控除の対象になることも。対象となるのは、診療費や治療費、介護サービス費用、薬代、施設の利用料などです。確定申告で必要になる領収書は、必ず保管してください。
生活保護を申請すると、介護サービス費用は介護扶助で賄われるため、自己負担額は0円でありながら、必要な介護を受けることができます。申請は、各都道府県の市区町村にある福祉事務所で行い、提出物としては、生活保護申請書、収入・無収入申告書、資産申告書などが必要になります。
障害者手帳を申請すると、公共交通機関や公共施設の料金割引、税金の控除・減免が受けられます。また、特別障害者(常時介護が必要な20歳以上の方)手当を申請した場合、毎月3万円程度受け取ることができます。
伊予銀行などの介護サポートローンは、介護施設の入居一時金や月額利用料、介護機器の購入費、住宅のバリアフリー改修費用などに使える商品です。介護資金を確保できるといったメリットがあります。銀行によって金利や借入限度額、返済期間が異なるため、ご注意ください。
認知症の施設費用に使えるローンをお探しなら、クラウドローンがおすすめです。クラウドローンは、お金を借りたい人と融資したい金融機関をつなぐプラットフォーム。金融機関から提案を受けた介護ローンを使うことで、介護機器の購入や施設費用を安心して確保することができます。
認知症の公的施設を選ぶことで費用負担を抑えられますが、入居一時金や月額費用、ご家族の日常の生活費などの支払いが一度に重なると、家計に大きな負担になることも。
そのような時、金利が低めの銀行の介護ローンをご活用ください。無料診断も約3分で完了し、手続きもWEBで完結できるため、介護に忙しい方でも、厳しめの審査や契約をスムーズに進めることができるでしょう。
認知症のお世話は、長期的な取り組みであり、将来が見えないこともあるでしょう。施設を検討中の方には、訪問看護や色々な情報を共有できる認知症カフェの活用もおすすめです。
地域の包括支援センターやケアマネジャーなどの専門家に相談しながら、安心できる認知症施設をお探しください。万が一、満足のいく施設に見つかり、費用が不足してしまう場合は、クラウドローンのご活用をおすすめします。
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