2026年08月20日
「いつかはレクサス」という言葉があるように、レクサスは多くの方にとって憧れのブランドです。実際に購入を検討する段階になると、販売店で勧められることが多いのが残価設定ローン、いわゆる残クレです。月々の支払いを抑えられるため、憧れの一台に手が届きそうに見える場合もあります。
ただし、同じレクサスでも、残クレにするとかえって負担が大きくなる車種があります。この記事では、残クレの仕組みをおさらいしたうえで、車種ごとの残クレとの相性についても解説します。
目次

残価設定ローンとは、契約が終わる時点での車の買い取り価格をあらかじめ「残価」として設定し、その分を据え置いて組むローンです。毎月の返済対象になるのは、車両価格から残価を差し引いた部分だけになります。
たとえば車両価格800万円のレクサスRXで、残価率を50%の400万円と設定した場合、月々の返済対象は残りの400万円です。車両価格の全額を返していく通常のローンと比べると、毎月の支払額は大きく下がります。トヨタをはじめとするメーカー系のローンとして、販売店でそのまま申し込むことができます。
契約が満了したとき、選べる道は3つあります。車を販売店に返却するか、新しい車に乗り換えて再びローンを組むか、据え置いた残価を支払って自分のものにするか、のいずれかです。
ただし、返却や乗り換えを選ぶ場合には条件が付きます。走行距離には上限が設けられており、超えた分は追加費用の対象になります。ボディの傷やへこみなども査定でマイナスに働き、想定していた残価に届かなければ差額を精算する必要があります。

残クレと銀行のマイカーローンには、それぞれ異なる特徴があります。主な違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 残クレ | 銀行マイカーローン |
|---|---|---|
| 月々の支払い | ★少ない(残価を据え置くため) | 多め(全額を分割返済) |
| 金利水準 | 販売店系で年4~8%程度 | ★銀行で年1~3%台 |
| 総支払額 | 高くなりやすい(残価にも金利がかかる) | ★低くなりやすい |
| 車の所有権 | 契約中は販売店・信販会社 | ★購入後すぐ自分のもの |
| 高額車との相性 | 残価率が高い車なら有効 | ★高額車こそ低金利で有利 |
| 走行距離制限 | あり(超過すると追加費用) | ★制限なし |
| カスタム自由度 | 原則不可 | ★自由 |
| 向いているケース | NX・RXで3~5年ごとの乗り換え前提 | LX・LSを長期保有、総コスト重視 |
残クレは「月々の支払いを抑えて、数年ごとに新しい車へ乗り換えたい」方向けの仕組みです。反対に、長く乗りたい、自分の好みにカスタムしたい、総支払額を抑えたいという希望があるなら、銀行のマイカーローンのほうが向いています。

残クレを検討するうえで、見逃せないのが据え置いた残価にも金利がかかるという点です。据え置いた残価は「あとで払う分」ですが、返済が終わるまでのあいだ、この残価にも金利が発生し続けます。つまり、月々の返済対象には入っていないのに、利息は毎月支払っている状態なのです。これが「月々は安いのに、総支払額は思ったより大きい」という結果につながります。
レクサスのラインナップを、人気車種を中心に紹介しました。全体的にSUV系は残価率が高く、セダン系は年数の経過とともに低下する傾向が見られます。
| 区分 | 車種 | 価格帯 | 3年残価率の目安 | 残クレとの相性 |
|---|---|---|---|---|
| ◎ | NX(NX350 Fスポーツ) | 約580万~720万円 | 約85~90% | 残価率が高く、月々の負担を大きく抑えられます |
| ◎ | RX(RX350 Fスポーツ) | 約650万~850万円 | 約89~92% | 新車価格に迫る残価率で、月々のコストを最小化しやすい車種です |
| ○ | LBX | 約420万~490万円 | 約88~93% | 残クレ・銀行マイカーローンのどちらでも。比較的手の届く価格帯です |
| ○ | IS(Fスポーツ) | 約500万~680万円 | 約75~82% | セダン系は年数とともに価値が下がります。中期保有なら銀行マイカーローンも検討を |
| △ | UX | 約450万~560万円 | 約70~78% | コンパクトプレミアム。長く乗るなら銀行マイカーローンのほうが総コストは有利です |
| ⚠ | LX | 約1,590万~2,100万円 | 約92%(リセール高) | 金利負担が大きく、2,000万円級を残クレで組むと総支払額が膨らみます |
| ⚠ | LS | 約1,111万~1,773万円 | 約55~65%(低下傾向) | 残価率が低いうえ据え置き額も大きく、最も注意が必要な車種です |

レクサスのなかでも残クレに向いているのはNXとRXです。とくにFスポーツ系のグレードはレクサスの中でもリセールバリューがトップクラスで、3年落ちの残価率は、NX 350 Fスポーツで85〜90%程度、RX 350 Fスポーツで89〜92%程度と、新車価格に迫る水準です。
残価率が高いということは、据え置ける金額が大きく、月々の返済対象がその分だけ小さくなるということです。たとえば700万円のNX 350 Fスポーツを残価率85%、つまり595万円を据え置いて3年の残クレを組んだ場合、実質的に返していくのは残りの105万円になります。金利を年5%と仮定すると、月々の支払いは6万円弱に収まる計算です。
3〜5年で乗り換えるつもりであれば、月々の負担が軽く、しかも残価が下がりにくいこの組み合わせは相性が良いといえます。
注意が必要な1台目がLXです。価格帯は1590万円から、最上級グレードで2100万円ほどになります。LXもリセールバリューは非常に高く、3年の残価率は92%程度とされていますから、数字だけ見れば残クレに向いているように思えるかもしれません。
問題は、残価率ではなく金額の絶対値にあります。残価率を90%とすると、据え置かれる残価は1430万円〜1890万円です。ここに販売店系の年4〜8%という金利がかかり続けるため、1000万円を超える元本に対する利息は、年間で数十万円から100万円規模に達します。
単純にリセールが高いから残クレが有利という訳ではなく、LXの場合は前提となる金額が大きすぎて、金利の負担も大きくなります。現金一括で購入できるなら総コストは抑えらますが、そうでなければ金利の低い銀行マイカーローンを使うほうが賢明でしょう。
もう1台がLSです。1111万円から1773万円という価格帯で、レクサス最高峰のセダンとして憧れる方も多い車種になります。ただし残クレで購入する場合、最も注意が必要な1台といえるでしょう。
3年落ちの残価率は55〜65%程度が目安で、LXやSUV系と比べるとかなり低い水準です。セダンは年数とともに価値が下がりやすく、売却のタイミングを外すと損失も大きくなります。
残価率が低いと、据え置ける金額は小さくなります。その結果、月々の返済対象が大きくなり、支払額も高くなるという流れです。高額でありながら残価率が低いという組み合わせは、残クレのデメリットが最も表に出やすいパターンになります。

車両価格1500万円、期間5年、残価率50%(残価750万円)という条件で、残クレを年5%、銀行マイカーローンを年2%と仮定して比べてみます。
| 項目 | 残クレ(年6%・5年) | 銀行マイカーローン(年2%・5年) |
|---|---|---|
| 借入対象額(車両価格) | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 月々の返済(残クレ:半額設定) | 約5.8万円 | 約26.3万円 |
| 5年後の残価(据え置き) | 750万円(残価) | 完済(0円) |
| 5年間の利息総額 | 約270万円 | 約78万円 |
| 総支払額(5年分) | 約1,098万円+残価精算 | 約1,578万円(完済) |
| 残価に対する利息 | 残価750万円にも金利が発生 | なし |
残クレの場合、月々の支払いは約5万8,000円、5年間の支払額は約1,098万円です。ただし、これで支払いが終わるわけではありません。据え置いた残価750万円が残るため、車を自分のものにするには、この金額を別途用意する必要があります。ローンを組み直せば、さらに金利がかかります。
一方、銀行マイカーローンで1,500万円を借りると、月々は約26万3,000円。残クレより負担は大きく見えますが、5年間の総支払額は約1,577万円で、返済は完了します。車も自分の資産として残り、売却して次の車の購入資金に充てることもできます。
同じ車に5年間乗っても、ローンの選び方によって、これだけ大きな差が生まれます。
銀行のマイカーローンを検討する場合、複数の銀行を比較できるクラウドローンの利用が便利です。銀行と個人をつなぐ国内初のマッチングプラットフォームで、現在40の金融機関が参画しています。
一度情報を入力すると、まず銀行の保証会社による事前審査が行われます。通過すれば、具体的な金利や借入可能額が提案として届きます。複数の銀行から提案が届いても、電話が次々とかかってくることはなく、メール1通とマイページの申し込み一覧から内容を確認できます。
事前審査の結果は3カ月間有効です。購入する車が決まっていなくても審査を受けられるため、抽選販売や納期が読みにくい人気車種を狙う場合も、先に資金の見通しを立てられます。借入可能額が分からないまま販売店に行く必要がなく、価格交渉の際にも心強いでしょう。
参画する金融機関の中には、クラウドローン経由でのみ適用される特別金利を用意しているところもあります。店頭や銀行のサイトから直接申し込む場合には適用されない金利で、同じ銀行でも、申し込み方法によって条件が変わることがあります。
とくにLXやLSのような高額車では、金利が0.5%違うだけでも、総支払額に数十万円の差が生じることがあります。少しでも金利の低いローンを選ぶためにも、複数の金融機関を比較することが大切です。
残価設定ローンは月々の支払いを抑えられる一方、据え置いた残価にも金利がかかるため、総支払額は高くなりやすい仕組みです。
レクサスでは、残価率の高いNXやRXを3年程度で乗り換える場合は、残クレも選択肢になります。一方、LXは車両価格が高く、LSは残価率が低いため、高金利と重なると負担が大きくなります。この2車種では、総コストを抑えやすい銀行マイカーローンも検討したいところです。
ローンは月々の支払額だけでなく、金利や残価、乗り換え時の条件まで含めて比較することが大切です。複数の銀行を比較するなら、一度の入力で事前審査を受けられるクラウドローンも活用してみましょう。
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