2024年06月21日
お風呂の耐用年数は、一般的に15〜20年と言われています。特にタイルや浴槽のヒビは、水の侵入による土台の腐食を招く危険性があるため、早急な対応が必要です。しかし、お風呂のリフォームにはまとまった費用が必要なのでは?と躊躇している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、戸建てのお風呂リフォームの費用相場、費用を抑えるコツ、そして利用可能な補助金について詳しくご紹介します。
目次
戸建てのお風呂リフォーム費用の相場は70万〜150万円です。施工前の状況、希望の工法、ユニットバスのグレードによって費用が大きく変わります。
戸建てのお風呂リフォームは、マンションに比べて広い空間を確保できるため、オプションも充実させやすく、費用が高くなる傾向があります。
では、工法、グレードごとにおおよその費用をみてみましょう。
お風呂の施工方法には、在来工法とユニットバス、ハーフユニットバスという3種類があります。
在来工法は、コンクリートやモルタルで下地を作り、防水処理を施した後に、タイルなどで仕上げる工法です。
対してユニットバスは、浴槽、壁、床、天井が一体となった規格製品で、防水性の高い素材で作られています。
在来工法とユニットバスの良いところを組み合わせたハーフユニットバスは、浴槽と洗い場、壁の下部分だけがユニットになっており、壁の上部分と天井は在来工法のように自由に施工できます。
近年はユニットバスが主流となっていますが、築年数が長い家のお風呂や、大理石やヒノキなど素材にこだわったお風呂は、在来工法で作られているところが多くあります。
お風呂リフォームは、施工前と後の組み合わせによって費用が変わってきます。主なパターンと費用は以下のとおりです。
施工方法 | 費用相場 | 施工日数 |
---|---|---|
在来浴室からユニットバスへ | 70万~150万円 | 1週間程度 |
在来浴室からハーフユニットバスへ | 60万〜200万円 | 1週間程度 |
ユニットバス交換 | 50万円〜150万円 | 3〜5日程度 |
在来浴室から在来浴室 | 150万〜250万円 | 1週間~2週間 |
設備やパーツの交換 | 施工内容によって異なる | 施工内容によって異なる |
在来工法からユニットバスへのリフォームは、タイルやコンクリートの解体が必要になるため、ユニットバスの入れ替え工事と比較して高額です。
また、ユニットバスは一定の規格サイズで造られているため、在来工法によるお風呂のサイズによっては設置が難しい場合があります。その場合、セミオーダーのシステムバスを販売しているメーカーに依頼するという方法があります。セミオーダーシステムバスは、通常のユニットバスよりもサイズや形状の自由度が高く、在来工法のお風呂の形状に合わせやすいのですが、オーダーメイド品であるため、通常のユニットバスよりも費用が高くなります。
在来工法で作られたお風呂は、タイルのひび割れや防水下地の亀裂から水が浸入し、土台が腐ってしまっている事例が多くみられます。それらはタイルや床を撤去してみないとわからないため、工事着手後に追加工事が発生する場合があります。発生しうる追加工事は、「腐食したお風呂場下の土台の交換」「腐食した洗面所床板の張替え」「床下のガス管の移動」などで、それぞれ5万円前後の費用がかかります。追加工事の名目で高額な費用を請求してくる業者もいますので、見積もりの段階で、追加料金が発生した場合のおおよその費用を聞いておくと安心です。
ハーフユニットバスへのリフォームは、ユニットバス部分のグレードや、自由に施工できる壁材の価格によって費用が大きく変わります。壁や天井の材質にこだわりたい方や、天井に傾斜があるなどの理由でユニットバスへのリフォームが難しい家などにおすすめの工法です。在来工法から在来工法へのリフォームと比較して価格を抑えることができます。
お風呂のリフォームの中で、最も安価で仕上げることができるパターンです。最新のユニットバスは、壁や浴槽の断熱性能が優れているので、光熱費の節約やヒートショック対策が期待できます。また、掃除のしやすさに重点を置いて開発されているものが多く、手軽に綺麗なお風呂を維持できるのも大きな魅力です。「古いユニットバスの解体」「新しいユニットバスの組み立て」「電気、給排水の工事」「脱衣所側の壁やドアを作り直す工事」の作業費を合算して25万〜35万円、それにユニットバス代がかかります。
在来工法は、床や壁のタイル、浴槽を、それぞれ様々なメーカーから選ぶことができるので、こだわりを追求したオリジナルのお風呂を作ることができます。また、お風呂場のサイズを自由に設定することができるので、ユニットバスの規定サイズとは異なった空間や、斜め天井でも施工することができます。お風呂場全体をリフォームする場合、費用、施工日数ともに最も負担が大きくなる工法ですが、浴槽や壁のタイルなど、パーツのみのリフォームであれば負担を抑えることも可能です。
一体型のユニットバスは、浴槽と他の設備が一体化されているため、浴槽のみの交換はできません。ただし、水栓やドアなど、一部の設備やパーツであれば交換可能です。また、在来工法のお風呂は、気になる箇所だけを自由に交換することができます。このように、不調が生じている部分だけをリフォームすることで、費用を抑えつつ快適なお風呂を維持することができます。部分リフォームの費用目安は以下の通りです。
リフォーム内容 | 金額 |
---|---|
浴槽の交換 | 10万~50万円 |
浴室の塗装 | 10万~20万円 |
壁の張り替え | フィルム壁材:8万~20万円 塗装:10万~20万円 タイル:10万~15万円 樹脂パネル壁材:10万~30万円 |
天井の張り替え | フィルム天井材:3万~6万円 パネル天井材:4万~7万円 |
床材の張り替え | シート床材:5万~15万円 タイル:10万円~ 部分補修:3万円~ |
ドアの交換 | 5万~15万円 |
給湯器の交換 | 10万~40万円 |
シャワー水栓取替え | 費用相場:4万~8万円 |
ユニットバスの交換、またはユニットバスへのリフォームを行う際、金額を大きく左右するのはユニットバスのグレードです。各メーカーごとに、グレードの違う複数のシリーズを展開しています。
グレード | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
ベーシック | ・シンプルなデザイン ・浴槽に断熱材を使用していないことが多い ・扉が折戸のみであることが多い | 40万~75万円 |
ミドルグレード | ・乾きやすい床や断熱材の入った浴槽など、快適さを追求している。 ・ベーシックではオプションである機能が標準装備されていることが多い | 65万~100万円 |
ハイグレード | ・高級感のあるデザイン ・自動洗浄機能や打たせ湯機能などハイグレードにしか付加できないオプションがある | 85万~200万円超 |
ユニットバスには、標準装備に加えて、希望の機能だけをオプションで追加することができます。リフォーム後にオプション機能のみ追加する場合、別途工事費がかかる上、セット購入ではなく部品購入になるので高額になります。リフォーム時に必要な機能をしっかりと検討し、まとめて発注するようにしましょう。
オプション | 機能 | 価格帯 |
---|---|---|
追い炊き機能 | 給湯器の追い炊き機能と、浴槽の循環アダプタ機能が必要。 | 約3万~4万円 ※給湯器を交換する場合は更に20万前程かかる |
浴室暖房乾燥機 | 左記金額は天井埋め込み型。後付けの場合、壁掛型の方が安い。 | 電気:約5万~15万円 ガス:約10万~20万円 |
ジェットバス | 浴槽の側面や底面の穴から噴射する、浴槽内部にジェットバス機能がついたもの。 | 約10万~30万円 |
床暖房 | ブランドによって機能が追加できるものとできないものがある。 | 約10〜15万円 |
浴室テレビ | ユニットバスの浴室テレビは埋め込み型が多い。 | 壁掛け:約10~14万円 埋め込み:約12~22万円 ポータブル:約2~6万円 |
手すり | 約1万~3万円/1本 | |
高断熱浴槽へのアップグレード | ブランドによって標準仕様のものとオプションのものがある。 | 約5万~15万円 |
お風呂をリフォームする際、業者選びはとても大切です。
「リフォームしたいけれど、どこに頼めばよいのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、お風呂のリフォームを依頼できる4種の業者の特徴や、その業者ならではのメリット、デメリットをご紹介します。
大手の住宅メーカーは、自社が建てた家だけではなく、他社の家のリフォームにも対応してくれます。大手ならではのノウハウと信頼性、先々の保証があり、安心して依頼することができます。反面、TVCMやチラシなどの広告宣伝費、契約している施工業者へ発注する際の中間マージンが費用に上乗せされるため、高額になりがちです。また、資材はハウスメーカー指定のものの中から選ばなければならないことが多く、それ以外で使用したいものがある場合は料金が高くなる可能性があります。
地域密着型の小規模な業者が多い工務店は、職人さんと直接話しができるので、要望への柔軟な対応が期待できます。大手ハウスメーカーに依頼するより費用を抑えることができるのもメリットのひとつ。しかし、大手ハウスメーカーと比較してアフターケアが充実していなかったり、水回りが専門分野ではない業者や、技術力不足の業者もあるため、慎重に見極める必要があります。
家電量販店やホームセンターは、買い物のついでに気軽に相談できるというハードルの低さが魅力です。ポイントサービスやセット割引サービスを行っている店舗もあり、お得感があります。しかし、依頼主が施工業者を選ぶことができず、業者に技術力の差がある場合があるため、当たり外れがある可能性があります。
大手リフォーム専門店と、地域密着型の小規模な専門店があります。大手リフォーム業者は、ハウスメーカーと同様で、保証やアフターケアが期待できますが、費用が高くなりがちです。小規模の業者は、水回りのリフォームが得意な業者を見つけることができれば、高い完成度が期待できます。ただし、リフォーム業者には資格が必要ないため、必ずしも技術力があるとは限らず、過去の実績など、情報収集を徹底する必要があります。
一日の疲れを癒す大切な場所であるお風呂。せっかくリフォームするなら、後悔のない仕上がりにしたいものですよね。では、できるだけ費用をかけずに満足のいくリフォームを行うために、リフォーム費用節約術を見てみましょう。
お風呂のカタログを見ていると、どれも素敵でワクワクしますよね。しかし、魅力的な機能全てを追加していくと、すぐに予算をオーバーしてしまいます。
「高齢者が安心して使えるお風呂にしたい」「掃除の手間を最小限にしたい」「楽しめるお風呂にしたい」など、リフォームの目的を明確にし機能に優先順位をつけることで、予算オーバーの際に削る機能が明確になり、予算超過を防ぎながら希望通りのお風呂を作ることができます。
お風呂の設備を製造販売するメーカーは複数あり、ほぼすべてのブランドが定価ではなく割引価格で販売されています。そして、業者によって各メーカーから仕入れる際の割引率が異なることがあります。導入したいメーカーが決まっている場合は、そのメーカーとのつながりのある業者を選ぶことで、高い割引率を期待できることがあります。または、メーカーにこだわらず、依頼した業者が得意とするメーカーを選ぶという方法もあります。
リフォーム工事には定価が無いので、1社のみの見積もりではそれが適正価格かどうかが判断できません。同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼し、見積もりの内訳を比較検討することで、業者の信頼度を読み取ることができます。大雑把に費用を上乗せしている業者や、必要な費用が記載されておらず、後日追加料金が発生する可能性がある業者もありますので、見積書をしっかりと確認することが大切です。
お風呂をリフォームする際、国や各自治体からの補助制度が活用できる可能性があります。
これからご紹介する補助制度は、2024年6月に利用可能なものです。補助金によっては、申請金額が予算の上限に達した場合、早期に終了してしまう可能性もありますので、必ず事前に各申請先に確認を取りましょう。以下表は、お風呂リフォームが対象となる代表的な補助金制度です。
補助制度 | 対象リフォーム | 受付期間 | 条件 |
---|---|---|---|
介護保険 | ・手すりの取り付け ・段差の解消 ・滑り防止等のための床材変更 ・引き戸等への扉の取替え ・上記の各工事に付帯して必要となる工事 | 随時 | 要支援または要介護認定されている |
子育てエコホーム支援事業 | 《必須工事》 ・高断熱浴槽の設置 ・節湯水栓の設置 ・高効率給湯器の設置 《任意工事》 ・浴室乾燥機の設置 ・浴室や脱衣室への手すりの設置 ・浴室や脱衣所の段差の解消など | 2024年4月2日~2024年12月31日 ※予算上限に達し次第終了 | ・リフォームする住宅の所有者等であること ・エコ支援事業者と工事請負契約などを締結してリフォームをすること |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | ・ユニットバスへの取り換え ・高断熱浴槽の設置 ・内窓や手すりの設置 ・高効率給湯器への取り換え ・基礎補強、シロアリ被害による劣化箇所の補修 ・三世代同居のための浴室の増築 | 2024年5月13日~2024年12月23日 ※予算上限に達し次第終了 | ・建物状況調査の実施 ・リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たすこと ・リフォーム履歴と維持保全計画の作成 |
要支援・要介護認定されている方が安全に暮らせるよう自宅環境を整えるためや、介護スペースの確保のために行う工事が対象になる補助金です。工事費の上限20万円の7〜9割が補助金として支給されます。補助金の利用は1名に対して原則1回ですが、工事費が20万円の範囲内であれば複数回に分割することも可能。また、要介護状態区分が上がった場合、転居した場合も、再度上限20万円まで利用可能です。ケアマネージャーを通して申請します。
住宅の所有者が、エコホーム支援事業者*と工事請負契約等を締結し、対象のリフォームを行った際に、1戸あたり上限20万円まで補助される制度です。《必須工事》が補助金対象のリフォームであり、《任意工事》は《必須工事》と同時に行う場合のみ補助の対象になります。また、以下の条件に当てはまる場合は補助金の上限が引き上げられます。
*工事発注者に代わり、交付申請等の手続きを代行し、交付を受けた補助金を工事発注者に還元する者として、予め本事業に登録をした工事施工業者
世帯の属性 | 既存住宅購入・長期優良住宅の有無 | 1戸あたりの上限補助額 |
---|---|---|
子育て世帯又は若者夫婦世帯 | 既存住宅を購入※1※2しリフォームを行う場合※3 | 60万円 |
長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合※4 | 45万円 | |
30上記以外のリフォームを行う場合※4 | 30万円 | |
その他の世帯※5 | 長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 | 30万円 |
上記以外のリフォームを行う場合 | 20万円 |
※1 売買契約額が100万円(税込)以上であることとします。
※2 令和5年11月2日(令和5年度経済対策閣議決定日)以降に売買契約を締結したものに限ります。
※3 自ら居住することを目的に購入する住宅について、売買契約締結から3ヶ月以内にリフォームの請負契約を締結する場合に限ります。
※4 自ら居住する住宅でリフォーム工事を行う場合に限ります。
※5 法人、管理組合を含みます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、建物の性能向上の促進や、子育て世帯のリフォーム工事の支援を行うための制度です。
リフォーム後、一定の性能向上が認められるが長期優良住宅認定を取得しない場合は上限80万円/1戸、長期優良住宅認定を取得する場合は上限160万円/1戸とし、補助対象となる工事費等の合計の1/3の額が補助されます。
毎日利用するお風呂のリフォームは、満足のいくものにしたいですよね。とは言え、リフォームの規模によっては思った以上に高額になることもあります。そんな時は、リフォームローンの借入を検討してみてはいかがでしょうか。住宅ローンの返済中でも、リフォームローンを併用することは可能です。
リフォーム業者が信販会社と提携して提供しているリフォームローンは、手軽に申し込めて審査も通りやすい傾向があります。また、銀行のリフォームローンは、信販会社のリフォームローンより金利が低めに設定されているものが多くあります。
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お風呂のリフォームには、日数や費用面において少なからず負担がかかります。予算やリフォームしたい内容、希望をしっかりと検討し、長く気持ちよく使える、納得のいくお風呂を作り上げてください。
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