2023年02月16日
実家を相続したものの、片付けることもできない状態の空き家が多く存在していて、このような空き家の増加は大きな社会問題となっています。
この記事では空き家の片付けについて、費用のことや安くおさえるコツなどを解説します。
目次
空き家を売却する場合は、家のなかにあるものをすべて片付け、処分しておくと、少しでも高く良い条件で売却することができます。
空き家を放置している場合は、動物や虫のすみかになったり、老朽化が進み家屋が倒壊する危険があります。また、不審者が勝手に入ったり、窃盗や放火などの危険もあるため、近隣住民にとって大きな不安材料ともなります。
トラブルを回避するためにも空き家になった時点で片付けや管理を始めることが大切です。
空き家を片付ける方法は、自分でやるか業者に依頼するかのどちらかになります。費用や時間を自分がどれだけかけられるかによって選択肢は変わります。自分でやる場合と業者に依頼する場合のそれぞれのメリット、デメリットを解説します。
メリット
空き家を自分で片付ければ業者に依頼するよりも安く済みます。自治体のごみ処理場は粗大ごみの回収でもさほどお金はかかりません。まだきれいで使えるものならリサイクルショップに買い取ってもらうこともできますし、自分のペースで思い出の品の選別や遺品整理ができます。
デメリット
空き家から離れたところに暮らしている場合、片付けのたびに時間をかけて足を運ぶことになります。大きな家財など自分たちで片付けられないものは業者に頼むことになります。
空き家が古い場合は床に穴があいていたり、壁がくずれてケガをする恐れもあります。
少人数で作業してもなかなか終わらず、運搬用の車の手配や粗大ゴミをのせての車の移動もひと苦労です。
メリット
業者に依頼すれば自分の時間や手間をかける必要がありません。
片付けに期日がある場合は、期日までに片付けを終わらせられます。
不要な家財は処分もしてくれて、ゴミ屋敷状態の家でもきれいに片付けてくれます。
掃除や害虫駆除が必要な場合なども請け負ってくれることがあります。
デメリット
業者に依頼すると決して安くない費用が発生します。
費用の安さだけを重視すると片付けや遺品整理の作業の質が低かったりすることがあるようです。また、盗難や回収品の不法投棄、作業後に法外な追加請求をしてくるなどのトラブルに巻き込まれる恐れもあります。業者に依頼する場合は、空き家整理の実績や業者の評判などを総合的に判断したうえで慎重に選定しましょう。
解体 | 不要品の処分 | 物品買取 | 家具や家電の移動 | 細かな仕分け | 遺品整理 | |
解体業者 | ◎ | △ | × | × | × | × |
不用品回収業者 | × | ◎ | △ | × | × | × |
遺品整理業者 | × | ○ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
業者それぞれ得意分野が異なります。自分が希望する片付けをしてもらうために特徴を理解しておきましょう。そして、自分の予算や時間からどんな作業を依頼したいのかをはっきりさせておくことも大切です。
仕分けの作業から依頼したいなら遺品を大切に扱ってくれる遺品整理会社がおすすめです。仕分けは自分でおこない、不用品の引き取りだけをお願いしたい場合は、不用品回収業者に依頼すれば安く済ませることができます。
間取り | 料金相場 |
1R・1DK | 30,000円~80,000円 |
1DK~1LDK | 50,000円~200,000円 |
2DK~2LDK | 90,000円~300,000円 |
3DK~3LDK | 150,000円~500,000円 |
4LDK以上 | 220,000円~600,000円 |
空き家の片付けを業者に頼むときの費用は、家の広さと処分するものの量で決まります。
業者によってサービス内容や料金設定がことなるので、複数の業者に見積もりをとることをおすすめします。片付け費用の相場には地域差があり、都市部の方が高めになる傾向があります。また、ゴミ屋敷など特殊清掃が必要な場合は追加料金がかかったりすることもあるので、損をしないように見積でしっかり確認しましょう。
なかには、料金が相場よりも異常に高かったり、不用品を正しく処分せず不法投棄をしたりする悪質な業者もいます。被害にあわないように、口コミやホームページの記載内容、電話対応の仕方などをチェックし、あやしい業者に依頼してしまわないように注意しましょう。
すべてを業者にお願いしてしまえばラクに片付けが終わりますが、少しでも片付け費用を抑えたい場合は、自分ができる片付けは自分で頑張りましょう。空き家バンクという制度もあるので活用しましょう。
処分するものの量によって片付け費用が変わるため、使えるものは買取業者やオークションサイト、地域掲示板サイトなどを利用して、売ったり譲ったりするとよいでしょう。
やりとりするうえで気を付けたいのは配送料です。大きな荷物を遠方に送ると配送料が高くなってしまいます。配送料を負担してもらえるなら問題ありませんが、なるべく近くに住んでいる人や、受け取りに来てくれる人とのやりとりがおすすめです。
自分で捨てられる不用品を捨てていくことで片付け費用をおさえることができます。
大きいものも解体して小さく袋にまとめれば一般ゴミとして捨てることができたり、規定内の粗大ゴミであれば、わずかな処理手数料で回収してくれるところもあります。
ここで注意したいのは、地域によってゴミの出し方が異なるということです。ごみを出す地域のゴミの出し方を自治体のホームページなどで確認して、誤った捨て方をしないように気をつけましょう。
「空き家バンク」とは空き家を有効活用することで、空き家の増加を防ぎ、定住する人を増やし、地域を活性化することが目的です。
空き家の売却や賃貸を希望する所有者が空き家バンクに登録します。空き家バンクの情報はそれぞれの自治体のホームページで閲覧できるようになっていて、その地域に移住や定住、住み替えを希望している方が空き家探しすることができます。
自治体によっては空き家バンクに登録した物件の改修費用として補助金を交付しています。
その一部を紹介します。
小山市空き家バンク利用促進補助制度
池田町空き家バンク活用事業補助金
各地域によって、補助金制度の内容は異なります。売却を考えているなら自治体の空き家バンクをチェックしてみましょう。
空き家の片付けで出る不用品の処理は自分たちの手には負えないものもあります。そんな時は無理せず、業者に依頼しましょう。
業者に頼むとき、手持ちの資金では足りない場合はクレジットカードやローンを利用することも考慮に入れましょう。
クレジットカードなら手元にお金がなくても手軽に支払いができます。片付けの代金をクレジットカードで支払える業者も多くあります。不安な場合は事前にクレジットカードでの支払いが可能か確認しておきましょう。
クレジットカードで分割払いを選べば、月々の支払い金額を安くおさえることができます。また、まとまった額の支払いであればポイントが貯まります。
「フリーローン」とは使い道に制限がないローンなので、片付け費用の支払いにも利用できます。カードローンやキャッシングにくらべると金利が低めでお得です。
フリーローンは銀行などの金融機関に申し込み、審査に通ると一括でまとまった金額を融資してくれます。振込は審査の結果が出たあとで、1〜2週間程度かかります。即日融資できるタイプのローンではありません。
返済は毎月決まった日に銀行口座から自動引き落としになります。
引き落とし日までに銀行口座の残高が返済額に足りているか、毎月気を付けるようにしましょう。
契約手続きをしたときに返済計画も決まるため、お金の管理に自信がない人には向いているローンです。
人口の減少にともない、空き家の増加が全国的に大きな社会問題になっています。このような状況を受けて「空き家対策特別措置法」(特措法)が施行され、倒壊の危険があるなどの問題がある空き家(特定空き家)の所有者に修繕や撤去の指導ができ、さらにそれに従わなかった場合は、行政が強制的に撤去できる「代執行」の措置が取れるようになりました。さらに、特定空き家に指定されると、土地にかかる固定資産税が最大6倍に跳ね上がることになりました。
特措法の施行以降、民間金融機関は空き家関連ローンを始めるところが多くなりました。空き家関連ローンの種類は、大きく分けて解体ローンと活用ローンの2つあります。解体ローンは、空き家解体工事費に対するローンで、活用ローンは空き家の改修を対象としています。リフォームローンは基本的に自分が住む家でないと使えませんが、空き家対策ローンはリフォーム後に賃貸に出す場合にも使えるものもあります。
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空き家を放置しておくと、近隣の迷惑になりトラブルを引き起こしたり、特定空き家に指定されると税金が高額になってしまうので大変な損をします。
空き家を売却するにしても、更地にするにしても、すみやかに片付けに取り掛かることが重要です。できることなら、まだ住人がいる段階でこの先の家屋の扱いについて相談しておくとよいですね。
お金をかけないように自力で頑張るにも限度があります。業者の力も借りつつ迅速に片付けて空き家を活用しましょう。
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空き家問題は社会的な課題です。この記事では、空き家片付けの重要性と方法、自分でやるか業者に頼むかの選択肢について解説しています。自分で片付ける場合はコスト削減や地域のゴミ回収を活用しましょう。また業者に頼む場合は、信頼性やサービス内容を検討しましょう。さらに、クレジットカードやローンを活用して費用を補う方法も提案しています。空き家対策ローンなど、様々な選択肢があります。空き家の放置は避け、迅速に対処することが大切です。