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空き家の解体費用に使えるローンとは?空き家解体ローンやリフォームローンなど違いを解説

近年、国や自治体レベルでも大きな社会問題となった空き家問題。今まさに、実家の空き家の解体費用に悩んでいるという方も多いはずです。そこで今回は、空き家の解体費用に使えるローンについて徹底解説。空き家解体ローンやリフォームローンなどの特徴やそれぞれの違いを詳しく説明しながら、空き家問題を解決するヒントを探ります。

空き家の解体費用は100~300万円程度

「空き家」の定義は、住む人や使う人がいなくなった「空き家」と「特定空き家」の2つに分けられます。「特定空き家」とは、倒壊などの危険性がある状態や著しく衛生上有害となる恐れのある状態など、適切な管理がされず放置された空き家を指します。近年では、このような空き家が異臭問題を引き起こす可能性や犯罪の温床となる危険性が、深刻な社会問題として注目されています。

<補助金や助成金もあるが必ず使えるとは限らない>

一般的な空き家の解体費用は、地域や条件によって変わりますが、100~300万程度かかります。この解体費用は基本的に現金一括で支払わなければなりません。現在は、国や自治体に申請することで、解体費用の補助金や助成金を受け取ることもできますが、いくつかの審査と条件を満たす必要があります。

空き家解体に使えるローンの種類

高額な解体費用を一括で準備することは難しく、ローンの利用を検討する方が増えています。空き家の解体工事の費用には、空き家の解体費用に特化したローンの他にも、住宅ローンやリフォームローン、フリーローンなどを活用することができます。

空き家の解体費用に特化した「空き家解体ローン」

銀行名福岡銀行
ローン名空き家解体ローン
金利年2.9%(変動)
返済期間6ヵ月以上7年以内
主な用途本人または3親等以内のご家族が所有・共有する空き家の解体費用。

外部サイト:福岡銀行の空き家解体ローン

空き家の解体に最も利用しやすいのは「空き家解体ローン」です。建て替えを前提としない解体工事の借入も対象です。担保や保証人が不要なことが多く、金利も比較的低めに設定されているところがメリットです。

<補助金を受けていると金利がお得に>

提携する自治体から補助金を受ける場合には、金利が0.2~0.5%程度引き下げられるケースもあります。福岡銀行の「空き家解体ローン」では、北九州市や田川市など提携自治体から補助金を受給している場合は、金利がお得に引き下げられます。

<すべての金融機関で取り扱われているわけではない>

「空き家解体ローン」は地方銀行や信用銀行などで提供されていることが多く、全ての金融機関で取り扱われているわけではありません。しかし、空き家問題の深刻化と利用者のニーズに応え、無担保・低金利の解体ローンの取り扱いを検討する金融機関がますます増えてくることは予想されます。

空き家のリフォーム費用にも使える「空き家活用ローン」

銀行名武蔵野銀行
ローン名空き家活用ローン
金利年2.50~3.50%(変動)
返済期間6ヵ月以上10年以下
主な用途空き家の改築・改装資金、空き家の解体資金
空き家解体後の駐車場等の造成にかかる費用や土地の有効活用に係る各種設備資金、空き家の防災・防犯上の設備対策資金

外部サイト:武蔵野銀行の空き家活用ローン

次に利用しやすいのが「空き家活用ローン」のような活用型ローンの商品です。活用型ローンでは、主に空き家のリフォームを対象にしています。中には、空き家を購入するための資金や空き家の防火・耐震、防災・防犯上の設備対策費、太陽光発電などの設置費用に対応している商品もあります。

<空き家活用ローンは解体にも>

現在は大手銀行を中心に、空き家の解体費用を利用対象とする「空き家活用ローン」が多く登場しています。武蔵銀行の「空き家活用ローン」は、空き家に関するあらゆる資金に対応しており、空き家の解体費用はもちろん、解体後の土地利活用の費用にも利用できます。

<活用型ローンの名称はさまざま>

「空き家活用ローン」のような活用型ローンの名称は、池田泉州銀行の「空き家対策応援ローン」北海道銀行の「空き家解体・有効活用ローン」など、金融機関によってさまざまですが、金利は年2~3%台、最大借入額は500万円までが一般的です。

住宅関連の幅広い用途に利用できる「住宅諸費用ローン」

銀行名清水銀行
ローン名しみず住宅諸費用ローン
金利1.975~2.175%(変動・2023年2月現在)
返済期間1年以上15年以内(6ヶ月単位)
※100万円以下の場合は10年以内
主な用途リフォーム資金、家具家電の購入、空家解体及び修繕費など

外部サイト:清水銀行のしみず住宅諸費用ローン

空き家の解体費用を対象としているローンの中には、住宅関連の幅広い用途に利用できる「住宅諸費用ローン」もあります。「住宅諸費用ローン」は、太陽光発電設備、オール電化リフォームなどを含むリフォーム費用や家電・家具の購入費用、引っ越し費用や各種保険料まで住宅に関するありとあらゆる費用に対応しています。

<もしものための団信付きもある>

清水銀行の「しみず住宅諸費用ローン」は、リフォーム資金や諸費用の他に、空き家の解体及び修繕費などにも対応しています。2023年2月現在の金利は年1.975%〜と圧倒的に低めです。「団体生命信用保険」への加入が義務付けられていますが、費用は清水銀行が負担します。

<住宅関連ローンも活用できる>

「住宅関連ローン」も「住宅諸費用ローン」と同じく、空き家の解体費用に対応しています。ただし、利用条件や金利、最大借入額や期間などは金融機関によって異なるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。

銀行によってはリフォーム以外にも使える「リフォームローン」

銀行名富山銀行
ローン名とやまリフォームローン(ジャックス保証型)
金利年2.5~3.0%(変動)
返済期間最長20年(空き家解体資金の場合は上限500万円、最長10年)
主な用途リフォーム、空き家解体資金

外部サイト:富山銀行のとやまリフォームローン(ジャックス保証型)

リフォームローン」の一部には、空き家の解体費用に対応する商品もあります。
「リフォームローン」は、主にマイホームの増改築や修繕、バリアフリー化や太陽光発電設置などの費用に利用されており、審査が通りやすさと手続きのしやすさから多くの方に選ばれています

<借り入れ金額の上限は500万円まで>

空き家の解体費用としてリフォームローンを借り入れる場合、他の用途とは利用条件が変わることがあります。富山市銀行の「とやまリフォームローン(ジャックス保証型)」で空き家の解体費用として借り入れる場合は借入上限500万円、返済期間は10年までに変わります。

<すべてのリフォームローンが対応しているわけではない>

すべてのリフォームローンが、空き家の解体費用に対応しているわけではありません。金融機関によっては、通常のリフォームローンとは別に「リフォームローン(空き家解体型)」とうたっている商品もありますので、あらかじめ対応可能か確認しておきましょう。

用途を問わず自由に使える「フリーローン」

空き家の解体に、手軽に利用できる既存のローンは「フリーローン」でしょう。「フリーローン」は一度だけ借り入れをする目的別ローンのひとつです。カードローンよりも低い金利で自由に使えるため、空き家の解体費用はもちろん結婚や出産、子どもの進学費用などまとまった資金が必要なときに便利に利用できます。

<金利は他のローンより高め>

「フリーローン」は取り扱っている金融機関も多く、審査に通りやすいのが特徴ですが、用途の自由度が高い分、他の目的別ローンよりも金利が高めです。また、最大借入額が300万円までと低めというデメリットもありますが、支払い方法の手段の1つとして「フリーローン」があることを知っておくと安心です。

空き家解体後に家を建てるなら「住宅ローン」

「住宅ローン」は、空き家の解体費用のみには対応しませんが、空き家の解体後に新しい家を建てる場合には、「住宅ローン」に解体費用を組み込むことも可能です。住宅ローンは金利が低めなため、お得に利用できることがあります。ただし、解体工事と建て替え工事を1つの業者に依頼しなければならず、費用が割高になる可能性もあります。

<融資が始まるのは新築住宅が完成してから>

空き家の解体費用は、解体工事が完了したタイミングで業者に現金で支払わなければなりません。しかし「住宅ローン」は、新築住宅が完成した時点から始まることが一般的で、解体費用に「住宅ローン」を利用する場合には、解体費用は先に自己資金で支払うか、解体業者に支払いを待ってもらう必要があります。

空き家解体に助成金や補助金が出ることも

空き家の解体費用の負担を抑えるために、自治体の助成金や補助金を活用することも可能です。空き家問題は、自治体レベルでも大きな課題となっているため、解体費用に補助金が出るケースも増えています。

<利用条件は自治体による>

ただし、お住まいの自治体の制度によって対象となる空き家や状態、助成金や補助金の額は異なります。空き家を解体する前に自治体のホームページなどで詳細をチェックしておきましょう。

たとえば、東京都墨田区の「老朽危険家屋の除去費用等助成制度」では、管理不全のため危険な状態になっている建築物の解体費用に対し、上限200万円まで助成しています。ただし、当該建築物があった跡地を原則10年間、区へ無償貸与することが条件となっています。

空き家を解体するメリット・デメリット

空き家の解体には、大きな金銭的負担と精神的負担がかかります。そこでここからは、空き家を解体することにどんなメリットやデメリットがあるのかを詳しく解説していきます。

空き家を解体するメリットは管理が楽になる

空き家を解体することの大きなメリットは管理が楽になり、心配事が減ることです。
たとえ誰も住んでいない空き家であっても適切な管理をしなければ、崩壊の危険性が高まり、周辺の景観を乱して近隣住民に迷惑をかけてしまうことがあります。また、放置された空き家が放火や窃盗など犯罪の舞台となってしまう可能性もあります。

<更地にすると売りやすくなる>

空き家を解体して更地にすることで、土地が売却しやすくなります。場合によっては、空き家付きで売却するよりも、土地の価値がアップする可能性も高まります。シロアリ被害がひどい建物やリフォームすらできない状態の空き家の場合は、解体した方が良いでしょう。

空き家を解体するデメリットは費用がかかること

空き家の解体費用が、家計にとって大きな負担となることは確かです。たとえ、解体すべき空き家が立っている土地を購入したいという業者がいたとしても、解体費用が土地の売却費用よりも高くなる可能性もあり、慎重に対応しなければなりません。

<固定資産税などの軽減措置がなくなる>

土地や家屋には、毎年固定資産税がかかります。空き家であっても、住宅が現存する場合には「住宅用地の軽減措置特例」が適用されるので、固定資産税は軽減されます。しかし、空き家を撤去してしまうと軽減措置が受けられず、固定資産税が高くなります。

ただし、自治体によって「特定空き家」に指定された家屋を改善せずに放置した場合にも、固定資産税の軽減措置が適用されなくなるので気を付けましょう。

空き家の解体費用を借りるならクラウドローンを活用

空き家の解体費用に利用できる自分にあったローンを探すのは至難の業。すべてのリフォームローンや住宅ローンが解体費用に使えるわけではなく、対応する商品の名称も金融機関によってさまざまです。

そこで、お役に立つのがクラウドローン。クラウドローンは、お金を借りたい人と融資したい金融機関をつなぐ日本初の金融プラットフォームです。希望の借入条件を登録するだけで、融資可能な金融機関のみを一覧化。空き家の解体費用に利用できるローンが効率的に探せるだけでなく、高い確率で融資が成立します。

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空き家解体費用が足りないときはローンや助成金を活用しよう

実家の空き家問題は、避けては通れない問題です。しかし、空き家の解体やリフォーム費用は、簡単に出せるものではありません。空き家の解体費用でお困りのときは、まず、自治体の補助金や助成金が利用できるかを調べましょう。そして「空き家解体ローン」や「リフォームローン」などの活用も検討すると良いでしょう。

空き家の解体費用が、自分たちの生活の負担になってはいけません。無理のない返済計画を立て、ローンを賢く利用しましょう。


POINT

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