2023年01月20日
脱酸素社会の実現を図る中で、温室効果ガス排出量削減の一翼を担うソーラーパネルは、最も注目されているもののひとつです。
ソーラーパネルによる自家発電は環境のためになることはもちろん、電気料金を抑えられる、売電収入を得られるといったお得なメリットもあるため、新築時に設置する家庭も増えています。後付けでソーラーパネルを設置することも可能ですが、高額な費用が必要になるため、まとまったお金がない場合はリフォームローンを利用するのもおすすめです。
この記事では、ソーラーパネルの費用相場やリフォームローンの金利、メリット・デメリットなどを詳しくご紹介していきます。
目次
政府は、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しています。この実現を目指す中で、問題視されていることのひとつに「二酸化炭素排出量の約3割は家庭が占めている」ことが挙げられます。
この対策として、東京都は住宅メーカーに対し、2025年(令和7年)4月より、新築一戸建て住宅などへのソーラーパネル設置を義務化しました。
こういった社会の脱酸素への取り組みを理解し、環境保護のために一人ひとりが積極的な行動をしていきたいところです。
ソーラーパネルの設置は環境のためだけでなく、家庭へのメリットも少なくありません。
電気料金が高騰している中、このようなメリットのあるソーラーパネルはさらに注目を集めています。
太陽光発電システムを住宅に設置する場合、費用は設置面積に左右されます。
経済産業省のデータによると、太陽光発電の設置費用は、2021年が1kWあたり新築で平均28.0万円、リフォームで30.2万円となっています。
住居用のソーラーパネルの容量は、一般的に3~5kWが多いことから、設置費用の相場は84万~150万円程と考えておくと良いでしょう。容量1kWあたりの設置費用は年々低下傾向にあり、以前に比べ費用は安くなってきています。
なお、太陽光発電システムだけでは電力を蓄えておくことができないため、蓄電したい場合は別途「蓄電池」が必要です。蓄電池があれば、蓄えておいた電力を夜間や災害時などに使用できるメリットがあります。ただし、容量によりますが、蓄電池の費用相場は約80〜200万円程となっており、さらに高額な費用が必要となります。
その他、定期点検代、パワーコンディショナー交換代など、システム設置後にも発生する費用があることを理解しておきましょう。
発電量は、ソーラーパネルを設置する屋根の形状や角度、住宅の立地(周辺の建物の状況等)、季節などによって異なります。より効率良く発電するために、性能の良いパネルを使用し、多くの面積に太陽光が当たるように工夫することも大切です。
例えば、東京で南向きに5kWのソーラーパネルを設置した場合、年間予測発電量は5,620kWhとなります。2023年の電力買取価格は1kWhあたり16円なので、全てを売却すると年89,920円、季節により異なりますが月平均は7,500円程度です。
ただし、現在は電力会社から購入する電気料金が高騰しているため、発電した電気は全て売却するよりも、自家消費に回す方がお得です。
また、電力会社からの購入を減らすことにより、再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)の削減にもなり、電気代を節約することができます。
ソーラーパネルの法定耐用年数は17年程とされていますが、適切にメンテナンスをしていれば、30年以上使用できる場合もあります。
自家発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)により、10年間は通常の買取価格よりも高価格で買取ってもらうことができます。この売電収入分と電気代削減分を初期費用に充てることで、設置から10年程度で元は取れるといわれています。
初期費用回収後も、自家消費・売電を継続、あるいは全量自家消費型太陽光発電への切り替えなどで、光熱費を削減しながら災害へ備えることができます。
一般的なリフォームローンの特徴
金利 | 年利2~3%程度 |
最大借入額 | 500~1,000万円程度 |
最長返済期間 | 10~15年程度 |
頭金 | 基本的に不要 |
リフォームローンとは、建物の増改築や機能性向上のためのリフォーム費用を借入することができる商品です。太陽光発電システム設置など、環境に配慮したリフォームが用途であれば、金融機関によっては優遇金利となる場合があります。
基本的には無担保型であるため、審査にかかる時間も比較的短く、借入しやすくなっていますが、その分借入期間は短く、最大借入額も低めです。有担保型にすることで、無担保よりも低金利で長期間、高額の借入も可能です。ただし審査は厳しくなります。
金融機関によって使途の範囲は異なりますが、主に以下のような資金用途があります。
リフォームローンの融資は、一般的に工事完了後となりますが、リフォーム工事着工時など先に代金を一部支払う必要がある場合は、金融機関によって分割融資が可能な場合もあります。必要に応じて確認してみましょう。
ソーラーパネルの設置にも便利なリフォームローンですが、メリットだけでなくデメリットもあります。それぞれをよく理解した上で利用しましょう。
リフォームローンの融資条件は金融機関によってさまざまですが、頭金なしで借入できる場合も多いため、借入しやすく、フリーローンなどに比べ低金利な点は魅力です。
まとまったお金がなくても、審査に通過すればすぐにソーラーパネルを設置でき、早期から光熱費の削減や災害対策が行えます。
なお、電力の買取価格は年々下降傾向にあるため、太陽光発電を始める時期は早ければ早いほどお得です。
売電収入をローン返済に充てることができるので、経済的負担を抑えられるメリットもあります。
ローンが残っている状態で、万が一修理や買い替えが必要になってしまうと、負担が更に増えることになりますので、できるだけ早期に完済することが望ましいでしょう。
太陽光発電システムは、10年のメーカー無料保証がJIS基準で決められていますが、ソーラーパネルの寿命は長いため、10年目以降に故障など不具合があったときには、大きな出費がある可能性があります。また、パワーコンディショナーは最も故障の恐れがあるとされており、無料の保証だけでは不安な面もあります。
メーカーによって異なりますが、有料で15年以上の保証をつけることができる場合がありますので、いざというときのために申し込みしておくと安心です。
太陽光発電システムを少しでも長持ちさせるためには、定期点検を欠かさないことも大切です。
多くの金融機関でリフォームローンを取り扱っていますが、状況にあったローン商品を選択することが大切です。ここでは、ローンの選び方のポイントをご紹介します。
ローン選びにおいて重要な事項のひとつは金利です。金利には「変動金利」と「固定金利」があり、固定金利は、返済が終了するまで金利が一定で変わることがないものであるのに対し、変動金利は景気によって金利が変動します。
固定金利は、毎月の返済金額が最後まで一定であるため返済計画が立てやすく、低金利のときに固定金利でローンを契約すれば、総支払額を抑えることができるメリットがあります。
変動金利は固定金利よりも低金利な傾向がありますが、将来上昇してしまう可能性もあります。リフォームローンの返済期間は最長10~15年と長めなので、変動金利が固定金利を上回るリスクはあると言えます。短期間で完済する場合であれば、変動金利がおすすめです。
金利やローン内容は銀行によって異なるため、複数のリフォームローンを比較してから選択するのがおすすめです。
銀行によって異なりますが、web契約や給与口座の振込指定、使途がエコ住宅へのリフォーム資金(太陽光発電システム設置住宅やオール電化住宅等)といった条件で、金利優遇を受けられる場合があります。このような優遇がある銀行にも注目しながら、状況に沿った低金利のローンを選びましょう。
ソーラーパネル設置費用:150万円(5kW相当)
金利:3%
返済期間:10年
ボーナスによる返済:なし
返済方式:元利均等方式
毎月の返済金額 | 14,484円 |
年間返済金額 | 173,808円 |
返済総額 | 1,738,080円 |
ソーラーパネルの設置に、リフォームローンを利用する場合のシュミレーションをご紹介します。ローンは早期に完済することが望ましいですが、貯蓄が大幅に減ってしまうと、もしもの場合に備えることは難しくなります。
長期で計画的に返済すれば、表のように月々の負担は抑えることができます。設置より10年間は固定価格買取制度(FIT)が適用され、安定した売電収入が得られることや、電力自家消費によって電気料金が削減できることもあり、実質的にはより少ない負担でローンを利用することもできます。
ソーラーパネルの設置に使えるローンは、実はリフォームローンだけではありません。
状況によっては、新たにローンを組まなくてもお得に設置できる方法もありますので、併せて検討してみましょう。
一部の銀行では、ソーラーパネルの設置に特化した「ソーラーローン」を提供しています。ソーラーローンでは、「システムの設置と併せて行うリフォームの資金」も借入することができる場合があります。
銀行のソーラーローンは、リフォームローン同様低金利なのが魅力ですが、その分審査は厳しめです。
なお、銀行ローン以外にも、ソーラーパネル設置業者が提携している信販会社のソーラーローンがあります。固定金利で2.5%前後、最大借入額は1,000万円程度で、銀行よりも審査は通りやすくなっています。信販会社ローンの場合は、ソーラーパネルの購入手続きと併せてローンの手続きも行うことができるので、手間が少ないというメリットがあります。
ソーラーパネルの設置資金を用意するには、リフォームローンやソーラーローンを組む以外にも、住宅ローンの借り換えによる差益で資金を賄う方法もあります。
借り換えの目安としては、住宅ローンの残高が1,000万円以上ある、住宅ローンの残存返済期間が10年以上ある、借り換えの金利差が1%以上あることなどが挙げられます。
有担保型である住宅ローンは、無担保型のリフォームローンに比べ金利が低くなっています。住宅ローンの借り換えによって、ソーラーパネル費用分の差益が見込めるのであれば、新たにリフォームローンを組むよりもお得にソーラーパネルを設置することができ、負担の軽減になります。
信販会社のローンは審査に通りやすいなどのメリットがありますが、金利に関しては銀行ローンの方が低い傾向にあり、支払額を抑えたい場合にはおすすめです。
複数の銀行リフォームローンを比較し、より低金利な商品を選びたい、そんなときは「クラウドローン」を活用してみましょう。クラウドローンとは、ローンを組みたい個人とローンを提供したい銀行をつなぐ、融資マッチングのプラットフォームです。
簡単な登録をするだけで、複数の銀行から希望ローンの一括提案を受け取ることができ、手間や時間がかかるローン比較が手軽に行えるのが魅力です。クラウドローンを活用して、低金利なリフォームローンを探してみましょう。
まとまったお金がなくても、リフォームローンを利用すれば、負担も少なくソーラーパネルを設置でき、早期から光熱費を削減することができます。また、ソーラーパネルの導入によって、家庭での節電意識が更に高まり、環境保護へ繋がるといえます。
できるだけ早く太陽光発電を始めたい、そんな方はリフォームローンを賢く使い、ソーラーパネルの設置を実現しましょう。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://pre.crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。
詳しくはこちら
クラウドローンとは
“借りたい”を登録して
お得な提案を待つだけ
融資をしたい銀行から、直接プラン提案を受けることで、
資金を必要としている一人でも多くの人に、融資の機会を提供します。
ソーラーパネルの設置は、環境に配慮した行動として注目されています。自家発電によるエネルギー削減だけでなく、経済的なメリットも大きいため、多くの家庭で採用されています。リフォームローンを活用すれば、まとまった費用を用意せずに設置できる点が魅力です。東京都のソーラーパネル義務化政策など、地域ごとに取り組みが進んでおり、環境保護に貢献できる良い機会です。また、ソーラーパネル設置にはリフォームローンの他にも選択肢があります。太陽光発電に興味がある方は、さまざまなローン商品を比較し、最適な選択を検討してみてください。