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新車の値引きはどこまでできる?|おすすめのタイミングや成功のポイントも解説

新車は中古車に比べて本体価格が高く、ディーラーに値引きしてもらえるかどうかで購入の判断が決まることは珍しくありません。
車を購入する側であるドライバーの中には、ディーラーには悪いと思いつつも、値引きできるなら可能な限り安くしたいと考える人も一定数存在しています。

しかし、いくら「できるだけ安くしたい」といっても、実際のところ新車の値引きはどこまでできたら成功なのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では新車値引きの目安や値引きにおすすめのタイミング、成功のポイントなどを解説します。

新車の値引きはどこまでできるのか?

新車の値引きについて戦略を立てる場合、ディーラーの事情と自分の懐事情、購入したい車の種類などを総合的に勘案して判断する必要があります。
まずは、新車の値引きはどこまで認められる可能性があるのか、値引き相場について解説します。

新車の基本的な値引き相場は5~15%

ディーラーや店舗独自の事情がある場合を除いて、新車の値引き相場(車両価格に対する割引率)は、概ね次のようなイメージでとらえてよいでしょう。

自動車の種類車両価格に対する割引率
特段の事情がない普通自動車10%程度
フルモデルチェンジ直後最大で5%前後となり、値引きは難しい傾向
フルモデルチェンジ直前10~15%
軽自動車1~5%程度
外車5%程度

基本的に、車両価格が高いほど値引き額が大きくなる傾向にあるため、もともと車両価格が安い車を選ぶ場合、値引きは厳しいものと考えておいた方が無難です。

さらに値引ける可能性はある?

値引き相場の上限は、実質的にフルモデルチェンジ直前の割引率「15%」と考えられますが、もしこれ以上の値引きを狙いたい場合はどうすべきなのでしょうか。
この点については、色やデザイン・サイズ・話題性など、もろもろの理由から市場で人気がない「不人気車」を探してみると、さらなる値引きが期待できます。

特に、発売後2年以上が経過しているラインナップで、特段マイナーチェンジなども行われていない車の場合、タイミングによっては割引率が20%以上になる可能性もあります。
不人気車種を探す方法はいくつかありますが、例えば軽自動車で不人気車を探したい場合は、全軽自協(一般社団法人 全国軽自動車協会連合会)の「軽四輪車通称名別新車販売確報」を見てみましょう。

こちらを見ると、どの車がどれだけ売れているのか、具体的な台数がある程度把握できます。
機能性などを考慮せず、まずは値段優先で考えるなら、相対的に見て販売台数が少ない車を探してみましょう。

大幅値引きが可能な時期とは?

一般的に、新車が値引きされやすいタイミングとしては、次のような時期があげられます。

時期具体的な月
ディーラー等の決算期2月、3月、8月、9月など
ボーナス支給のタイミング6月、12月など

上記の時期に加えて、新型車が近々登場する予定の車種に関しては、旧型モデルを安く購入できる場合があります。

国産車の場合は、自動車メーカーのWebサイトや、モーターショーで公開された情報などをチェックすると、最新情報をチェックできます。
外車(欧州車)の場合は10月以降に翌年度のモデルが輸入されることが多いため、7~9月頃を狙って商談するとお買い得になる可能性が高いでしょう。

あまり車に詳しくない人は、現在乗っている車の整備を依頼した際などに、ディーラーで営業マンやサービススタッフなどに聞いてみるのも一手です。

車の値引きは「オプション」も重要

車の値引きを考えるにあたっては、車両本体価格だけでなく、オプションがどれだけ値引けるかも考慮して判断することが大切です。
以下、新車を購入する際のオプションについて、メーカーオプション・ディーラーオプションそれぞれの値引き相場を解説します。

メーカーオプションは「本体価格と同じ」枠

メーカーオプションとは、メーカー側の工場で取り付けられるタイプのオプションをいいます。
いわゆる純正ナビや先進安全装備、バックモニター、サンルーフといったオプションが該当します。

こちらはディーラーにとってマージンがそれほどない、利益幅の狭い商品となっているため、値引き額も渋くなりがちです。
よって、メーカーオプション単体で値引きを検討するのは難しいものと考えられ、実際に交渉する際は「車両本体価格」と同枠で値引き交渉するイメージになるでしょう

値引きを検討すべきは「ディーラーオプション」

ディーラーオプションは、メーカー側から車が出荷された後、ディーラーに到着してから取り付けるタイプのオプションをいいます。
フロアマットやETC車載器、ドアバイザー、リモコンエンジンスターターなどが該当します。

こちらはディーラー側で利益をコントロールできるオプションにあたり、値引き相場も10~25%と比較的高めに設定されています。
ディーラーとしては、実質的に「車両価格+メーカーオプション」で利益を確定していることから、ディーラーオプションはドライバーが本当に欲しいものだけを選んだ上で、個々のオプションまたは合計額で値引き交渉をするとよいでしょう

新車価格(オプション込み)の具体的な値引きのイメージ

新車価格(オプション込み)の具体的な値引きの理想値は、例えば次のようなイメージで計算できます。

項目値引き前金額値引き(理想値)値引き後金額
車両本体価格3,000,000円▲200,000~300,000円2,880,000~2,980,000円
メーカーオプション180,000円
ディーラーオプション250,000円▲50,000円200,000円
合計3,430,000円▲250,000~350,000円3,080,000~3,180,000円

なお、上記の理想値はあくまでも一例であり、軽自動車など車両本体価格が安い車を選んだ場合は、値引き額も減少します
一つの目安として、ディーラーオプション込みで30~40万円の値引きに成功すれば、その交渉は成功と考えてよいでしょう。

新車値引きを成功させるためのポイント

割引率や値引きの理想値などが分かっても、実際に良い条件で値引きを成功できるかどうかは、ドライバーの交渉力にかかっています。
そこで、交渉を少しでも有利に進められるよう、新車値引きを成功させるための具体的なポイントを解説します。

本命の車と代替案をいくつか決める

新車を購入する際は、本命車(自分が欲しい・狙っている車種)を絞った後で、本命車に似たタイプ・性能の車を代替案としていくつか検討しておきます。
ディーラーまで足を運ぶ前に、オプションも含めそれぞれの車につきWeb経由で見積りを出しておくと、どの車が自分の希望条件にマッチするか比較検討しやすいでしょう。

また、自動車情報誌や新車情報Webサイトの中には、各車種について平均値引き額を出しているものもあるため、そちらの情報をチェックして判断する方法もあります。

購入予定の店舗の情報収集をする

購入したい車種が代替案も含めて決まったら、次は各ディーラーの中で、自分がどのお店で購入するのかを決めていきます。
購入する店舗は、特段自宅からの最寄りである必要はないため、例えば県外のお店で購入しても問題はありません。

実際に店舗の情報収集をする際は、次のような媒体をチェックしてみましょう。

  • ディーラー側で更新しているWebサイト
  • 各店舗でスタッフが更新している店舗ブログ
  • 最新情報を発信している店舗SNSアカウント など

店舗側が運営・更新している媒体には有益な情報が転がっており、過去の記事・コンテンツをさかのぼってチェックすると、次のような情報が分かります。

  • 決算セールなど、例年値引きやセールを実施している時期
  • 新型車の販売情報

これらの情報をチェックすることで、安く購入できそうなタイミング・車種が見えてくるため、しっかり目を通しましょう。

また、店舗サイトによってはスタッフ紹介ページなどを設けているところもあり、そちらを確認するとどんな人が店舗で働いているのか、最近入社した・店舗に配属された人は誰なのか、ある程度把握することができます。
スタッフ紹介ページがない場合は、ブログをさかのぼって読んでいくと、長年働いている担当者や新人の存在が分かる場合があります。

「新人」とコンタクトをとる

スタッフ紹介ページやブログなどを確認して、出向く予定の店舗の情報が把握できてきたら、次はそのお店で働く「新人」とコンタクトをとれるよう動きましょう
さりげなくコンタクトをとるには、いったん整備やオイル交換などを口実に来店し、そこで新人の顔を見つけた際に挨拶すると、次回の商談時に接触しやすくなります。

ただし、すべてのディーラーや店舗サイトがスタッフ紹介ページ・ブログなどを設けているわけではないため、Webによる情報収集では新人が誰なのか分からないこともあります。
そのような場合は、研修を終えた新入社員が配属される5~6月頃、異動がある10月頃などを狙って、車を購入する旨を伝えつつ“誰が電話に出るのか”を確認してみましょう。

店舗のスタンスにもよりますが、電話がかかった後で「新人の○○がお受けいたします」という声が聞こえたら、その新人をターゲットに積極的にコミュニケーションをとり、商談を進めるのがよいでしょう。

なぜ新人を選ぶべきなのか?

新車購入にあたり新人を狙うべき理由は、心ある管理職(店長)なら「新人に現場経験を積ませたい・成功体験を与えたい」と考えるからです。
紆余曲折の末、契約にこぎ着けた経験を持つ営業マンは、その後の取引でも自信を持って提案ができるようになるでしょう。

そのような事情もあって、他スタッフと比較して大きめの値引き額でも、新人の場合は将来を考えて店長が要望を通してくれる可能性があるのです。
これに対して、販売経験の豊富なベテランスタッフの場合、ある程度「買ってもらえそう(目標達成に貢献してくれそう)」なお客さんのデータベースを持っていることは珍しくありません。

そのようなスタッフに交渉を持ちかけても、正直「うるさい客に時間をかけたくない」という思いから、交渉を打ち切られてしまうリスクは否めません。
もちろん、新人だからといって要望が100%通るとは限りませんが、海千山千のベテランスタッフを相手にするよりは値引きのチャンスは多いはずです。

相見積もりを取る

新車購入では、1店舗だけで交渉を終えることのないよう、本命だけでなく代替案のディーラーとも接触し、良い見積りを出してもらえるよう交渉しましょう。
これを相見積もりといい、複数のディーラーに見積り依頼を出すことで、それぞれの見積額の比較検討ができます。

いくら本命であっても、1つのディーラーだけに見積もりを依頼したところで、それが相場から見て高いのか、それとも安いのかは分からないものです。
直接ディーラーに足を運ぶほか、メーカーWebサイト経由でオンライン見積りを出すなどして、違いを確認した上で決断しましょう。

なお、車種によってはフロアマットなど「販売にあたり最低限つけることが想定されているオプション」が設定されていることがあります。
よって、Webサイトで大まかな金額を確認したら、その後ディーラーに見積り依頼を出すと確実です。

相場の範囲で「即決」価格を提示する

ディーラー側と価格交渉する際は、あらかじめ引き際を作っておくと、営業担当者としてもゴールが見えやすいためおすすめです。
具体的には、相場の範囲で「即決」価格を提示すると、営業担当者・ディーラーの前向きな判断を促しやすくなります。

ただし、即決する旨を伝える場合でも、交渉初期の段階で相場からかけ離れた金額を提示してしまわないよう注意が必要です。
いったん営業担当者から「冷やかし」または「がめつい」客だと思われてしまうと、その後の交渉でも不利になるため、新車の値引き相場を頭に入れた上で交渉することが大切です。

即決できない場合は時間をかけて交渉する

営業担当者に即決価格を伝えても、その日に商談がまとまるとは限りません。
ディーラー側としても、ライバル車があること・顧客がその見積りをもらった上で動いていることなどは想定しているため、即決できない状況もシミュレーションしながらセールストークをしているからです。

よって、初日の交渉で即決価格に至らない場合は、代替案となる車を取り扱っている店舗でも同じように交渉しながら、もっとも良い条件で契約できるよう話を進めましょう
ただし、その際に他社の見積りをちらつかせて交渉すると、他のお店でも同様の交渉をしていると勘繰られてしまうため、最悪の場合は交渉が滞るおそれがあります。

どんなに交渉を重ねる場合であっても、最終的に「あなたから買いたい」という意思は、折々で営業担当者に伝えることが大切です。

下取りは「ディーラー」と「中古車買取店」で相見積もりを

現在乗っている車を下取りに出す場合、ディーラーの下取り査定額と中古車買取店の買取額につき、それぞれが提示した金額を比較検討してから判断しましょう。
ディーラーに下取りを依頼した場合、例えば「下取車査定料」などの名目で手数料が発生するため、同じ査定額でも注文書上で手数料が相殺されてしまうおそれがあります。

中古車買取店の場合も、諸経費の出費がなく査定額がそのまま支払われるのかどうか、事前に確認しておきたいところです。
ちなみに、ディーラー側に対して「買取店の金額次第では中古車買取店に売る」旨を伝えると、下取り額を値引きなどの形で調整してくれるケースもあります

新車値引きを依頼する際の注意点

新車値引き時にベースとなるのは、あくまでも車両本体価格やオプションです。
しかし、ディーラーの営業担当者の成績になる(売上になる)商品は、以下の通りたくさんあり、値引きに少なからず関係するものもあります

  • カーローン
  • 任意保険(自動車保険)
  • メンテナンスパック(一定期間の点検・車検・オイル交換などをセットにしたもの)
  • ボディコーティング など

カーローンを例にとると、ディーラー側の正直な気持ちとしては、現金一括で車を購入する顧客よりも「自社で提供するカーローンを組んでくれる」顧客の方がありがたく、ローンを組むかどうかで値引き額が増減することもあります
その理由としては、ローン客紹介手数料がもらえること、金利差がディーラーの懐に入ることなどがあげられます。

車を買う側にとっても、ローンが組めること自体は悪い話ではなく、自店舗(自社)で発行しているクレジットカードを選ぶことで、実質年利が4%弱から3%弱にまで下がるケースもあります。
しかし、基本的にディーラーが取り扱うローン商品は年利が高い傾向にあるため、支払負担を軽くするなら金融機関でローンを組むのが理想です。

新車のカーローンを組むなら「クラウドローン」を

金融機関でカーローンを組むと、ディーラーで取り扱っているカーローンに比べて、低い金利でローンを組める可能性があります。
しかし、審査の難易度は高くなり、平日の営業時間中に手続きを進めるなどの手間もかかります。

低金利ローンのマッチング&比較サービス「クラウドローンなら、Web上で基本情報や借入希望額などを入力すれば、クラウドローン提携の保証会社による事前審査が受けられます。
その上で、全国各地の金融機関から提案が届くため、自分にもっともマッチする条件で申し込むことができます。

まとめ

新車の値引きは、一見ルールがないように見えて、実際には値引きの上限が存在しています。
営業担当者と交渉する際は、その上限を踏まえて交渉を進めることが大切です。

また、担当するスタッフによっても交渉の難易度は変わってくるため、交渉相手を選べるのなら新人スタッフを選ぶなど、自分の希望が通りやすくなるよう戦略を練りましょう。
交渉初日でよい結果が出なくても、引き続き担当者に対して誠実なスタンスで交渉すれば、最終的には納得のいく結果が得られるはずです。


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