2024年02月21日
公認会計士は医師や弁護士と並ぶ国家資格のひとつで、難易度の高い資格です。高い専門性が求められるため、多くの人は予備校に通い資格取得を目指します。公認会計士は国家資格でありながら医師や弁護士のように受験資格が制限されていないので、学生、社会人問わず誰でも試験を受けることができます。公認会計士になるまでに必要な勉強期間や試験までの流れ、費用や費用を抑える方法について解説をします。
目次
公認会計士は企業の監査や会計を専門とする国家資格です。公認会計士になるためには、合格率10%の公認会計士試験に合格しなければなりません。独学で受験をすることも可能ですが、専門的な知識と対策が必要であるため、予備校に通うことが一般的です。大手予備校の費用相場は70〜85万円とやや高めですが、毎年の合格者の8〜9割が大手予備校の受講生となっています。
予備校では複数のコースが用意されており、校舎に通って実際の教室で講義を受ける通学コース(全日・夜間)や、WebやDVDを通じて講義を受ける通信コースなど、自分の生活スタイルに合った選択が可能です。
公認会計士試験は1次試験が5月と12月、2次試験が8月に行われます。予備校では「春コース」や「秋冬コース」など時期ごとにコースが用意されており、予定している受験のタイミングに合わせてコースを選びます。
受講期間はすでに勉強を進めている人向けの1年ほどの短期コースから、長いもので2.5年ほどのコースなどいくつかのコースが設定されており、自分の学習プランに応じて選ぶことができます。合格までには2~3年の学習期間をかけて目指すのが一般的で、予備校では1.5〜2年のコースが多く選ばれています。
費用はそれぞれのコースにより異なります。
公認会計士になるために必要な費用は予備校費用だけではありません。受験料のほか、公認会計士として登録する費用もかかります。どのような費用がかかるのか、費用の詳細について解説をします。
受験料は1次試験の「短答式」と2次試験の「論文式」の2つの試験を合わせて19,500円です。また、「短答式」に合格し、「論文式」だけを再受験する場合も同額の19,500円かかります。
公認会計士の試験は1回での合格は難しく、数回受験するケースは珍しいことではありません。3~5回程度受験をするパターンが多いと言われています。
試験に受かり3年間の実務経験と実務補修、修了考査を終えると日本公認会計士協会へ登録し、正会員となります。
正会員として入会するときは、登録免許税や正会員の入会金、施設負担金など15万円程度が必要です。登録後も年会費およそ12万円程度を継続的に支払うことになります。
大手監査法人に所属している場合は、入会にかかわる費用は監査法人が負担するケースが多いです。
公認会計士試験に合格するには「短答式試験」と「論文式試験」の2つの試験に合格する必要があり、この2つの試験が難関といわれています。
この試験に合格した後もすぐには公認会計士になれるわけではありません。
公認会計士には年齢などの受験資格の制限はありませんが、難関試験に合格するためには勉強が必要です。公認会計士合格に必要な勉強時間は、3,500時間と言われています。受験期間の設定は1.5~2年程度が多く、ゼロから公認会計士を目指す場合は予備校の2年コースを受講するパターンが一般的です。
公認会計士になるための第一関門が「短答式試験」です。毎年12月と5月の年2回開催されるマークシート方式の試験で、合格すれば「論文式試験」に進むことができます。合格点は総合点70%が目安。合格率は10~15%です。
「論文式試験」は毎年1回、8月に行われます。合格基準は総合で52%ですが、得点比率が40%に満たない科目が1つでもある場合は不合格となります。総合で不合格であったとしても、成績の良い科目は「一部科目免除制度」により、2年間は論文式試験を免除されます。合格率は35%程度です。
公認会計士になるには、会計にかかわる仕事での3年以上の実務経験が必要です。以前は2年でしたが、2022年5月18日からは3年になりました。ほとんどの公認会士試験合格者は監査法人に就職をし実践経験を積みますが、中には監査法人ではないケースもあります。
補習所に通学し、単位を取得することも必要条件になっています。監査法人等で働きながら、退社後の夜間や休日に実務補習所に通うこととなります。現在はeラーニングも増え、隙間時間や休日に講義を受講することも多くなっています。監査法人側が補習所を優先してくれて業務を調整してくれるケースもあります。
修了考査は、毎年1回12月に行われる筆記試験です。実務補習で勉強する内容の「監査」「会計」「税務」「経営・IT」「法規・職業倫理」の5つの科目を2日間に渡って受験します。修了考査は制限なく何度でも受けることができますが、年に1度しか実施されていないので注意が必要です。終了考査の合格率はおよそ60%とそれまでの短答式試験などに比べると高めです。
公認会計士と名乗るためには修了考査試験合格後、日本公認会計士協会への名簿登録が必要となります。日本公認会計士協会とは、公認会計士を総括する特別民間法人です。登録には書類の手続きと登録料(およそ15万円)が必要です。登録後も年会費(およそ12万円)を継続的に支払います。
公認会計士になるためには、予備校費用、通学費、受験料、登録料などさまざまな費用がかかります。一番大きな出費となる予備校費を抑える方法について紹介します。
教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際、受講費用の20%が支給される制度。支給額の上限は最大で10万円までです。ハローワークに申請をし、支払われることとなります。
制度の利用には以下の条件があります。
ご自身が条件を満たしているかはハローワークで確認することができます。
また、教育訓練給付制度が利用できる公認会計士講座を開講しているか、修了の条件について予備校にも確認をしましょう。
公認会計士の予備校の中には、成績優秀者は割引料金で受講できる特別奨学金制度や特待生制度を設けているところもあります。
予備校により制度の利用条件は異なり、利用には一定の成績が必要になりますが、既に公認会計士の学習を進めている人には有利な制度になるので是非利用をしましょう。
また、予備校によっては奨学金制度を行っているところもあります。奨学金は返済しなければなりませんが、入塾時に授業料を用意できない場合でも費用を補うことができます。
各予備校では、時期によって早割りキャンペーンや紹介キャンペーンなど、さまざまなキャンペーンを実施しています。タイミングによってはキャンペーンを利用して受講料を安く抑えることができます。資料請求で割引クーポンがもらえる場合や、無料セミナーや校舎での個別相談等の各種イベントなどへの参加で割引がある場合もあるので、ホームページをチェックしてみましょう。
予備校によって、また申込コースにより支払方法は異なりますが、「初回に一括払い」または「前期と後期に分けての2回払い」のどちらかを選択するのが一般的です。
現金払いや振込みのほか、クレジットカード払いに対応している場合もあります。月払いに対応している場合もありますが、その際には分割手数料がかかります。
公認会計士の予備校の費用には教育ローンが利用できます。教育ローンには日本政策金融公庫の「教育一般貸付」という国の教育ローンや、銀行や信用金庫・農協など民間金融機関の教育ローンがあります。教育ローンは奨学金と違い、学生であれば保護者が契約を行うことが一般的です。
日本政策金融公庫は固定金利で2.25%(令和5年10月時点)と低く、返済のしやすいローンですが、利用には年収(所得)の上限額が子どもの人数に応じて決まっています。
銀行の教育ローンは変動金利で1.5~3%程度なので国のローンより高くなる可能性もありますが、フリーローンなどに比べると低金利なため安心して利用できます。
社会人であれば銀行の教育ローンを本人が契約し利用できるものもありますが、ローンの審査には年収や雇用形態、勤続年数などが問われ、継続した収入が見込まれることが条件になるため、働きながら勉強する場合に限ります。
公認会計士の予備校にはまとまった費用が必要です。資格を取得するまでの費用に不安を感じる場合は、教育ローンを検討してみましょう。
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公認会計士は、司法試験・医師免許と並び3大国家資格と言われる難関資格ですが、しっかり勉強すれば合格可能な試験です。学習に必要な時間を理解して、どのくらいの期間をかけて合格を目指すのか学習計画を立てる必要があります。予備校により費用は異なります。講座内容やスケジュール、合格実績を確認して自分にあった予備校を選びましょう。
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公認会計士は国家資格であり、その資格取得のためには高度な専門知識が必要です。この記事では、公認会計士試験の概要から勉強期間、必要な予備校費用まで網羅的に解説しており、受験資格の制限がないため、学生から社会人まで幅広い層に役立つ情報が満載です。特に、費用を抑える方法にも触れており、資格取得を目指す方々への具体的なサポートが期待できます。