2023年07月27日
高校入学と同時に考え出すのが、大学受験と大学にかかる費用。通う大学が国公立か私立か、文系理系か医療系などによって費用も変動しますが、ある程度まとまった費用が必要になります。なかには、海外への短期留学を検討しているご家庭もあるでしょう。
今回は、大学4年間の学費の平均を説明するとともに、大学費用に使える制度について解説します。大学への進学を検討している親御さんは、こちらの記事を参考にされてください。
目次
大学の学費は、子どもの教育費の中でも大きな割合を占めます。
4年間で大学に納める学費の平均は、以下の通りになります。
このうち初年度に納付する費用は、国公立大学なら80~100万円、私立大学なら120~160万円が平均的(医・歯学部系除く)と言われています。
進学先や学部によっても差はありますが、私立大学の医学部や歯学部は、6年間で約2,300万円ほどかかると言われており、教科書や医学書なども高額であることが多いです。
また、任意で寄付金や後援会費を納付する学校もあるため、在学中の先輩にヒアリングしてみたり、大学情報をチェックしてみると良いでしょう。
<私立大学学部別 授業料、入学料及び施設設備費の状況>
出典:令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
大学にかかる費用は、大きく分けて入学金、授業料、施設設備費になります。
そのほか、通学定期代、一人暮らしする場合の引っ越し費用や敷金礼金、家賃、入学や卒業時のスーツ代なども考慮しておく必要があります。強豪校の大学の部活は、いろいろ費用がかかることが多いと言われています。
国立大の入学金は、28万2000円になり、全国共通です。公立大学は、学校によって金額が変わります。例えば、東京都立大学の場合は都内の出身者の入学金を安く設定するなど、出身地域によって入学金が異なる場合もあります。
一方、私立大学の入学金は、20~30万円程度と言われていますが、学校によって異なります。私立大学の医学部や歯学部の場合、入学金が1,000万円を超えるところもあります。
国立大学の学費は、文部科学省により標準額が定められており、初年度の授業料は、535,800円です。各大学の判断で20%を限度に増額も認められていますが、増額を決定している国立大学はごく少数です。
公立大学の学費は学校ごとに差はありますが、出身地域による差は設けていません。授業料の平均は、54万円程度です。
一方、私立大学の授業料は、学校ごとに差がありますが、文系が80万円程度なのに対し、理系は110万円程度と学部により差が出ます。
施設設備費とは、施設の使用や、実験、実習の実施にかかる費用のことをさします。
国公立大学は、原則として施設設備費の納入はありませんが、一部の大学では独自で設定していることもあります。ただし、私立大学ほどはかからないのが一般的です。
一方、私立大学の施設設備費は、文系が15万円程度、理系が18万円程度と授業料同様に理系のほうが高めの傾向になっています。
大学からの入学金や授業料の納入期限に関する書類はしっかりチェックしておきましょう。また、残高不足にならないように、普段から残高に余裕を持たせておくことも肝心です。
それでは、次に大学に費用を支払うタイミングをご説明していきます。
大学ごとに入学金の納入期限は異なりますが、初年度の納入金の期限は、合格発表から1~2週間程度が一般的と言われています。期限内に支払わないと、合格が無効になってしまうためご注意ください。
入学金のほか前期の授業料と施設設備費も、入学前に同時に支払うのが一般的なため、まとまった費用がある程度必要になることも覚えておきましょう。
後期以降の授業料は、学期始めから1~2ヶ月が納入期限となることが多いです。
ただし、大学によっては一年分の学費をまとめて支払う場合もあるため、大学進学を検討しているご家庭は、しっかりと資金計画を立てておくことが大切です。
学校の場所にもよりますが、通学定期代がかかったり、自宅外通学では、引っ越し費用や家賃、生活用品の購入費用がかかってくるため、自宅通学と比べて入学までに60万円程度多くかかると言われています。また、自宅外通学生への仕送り額は、平均年間100万円ほどかかるため、これらの費用もすべて見込んでおく必要があります。
入学する大学や学部によっても異なりますが、ノートパソコンやタブレットの購入が必要になる場合が多いです。
長期にわたってかかる大学の費用はなるべく抑えておきたいもの。志望大学を調べる際も、大学の費用に使える制度の有り無しを、チェックしておくと良いでしょう。
それでは次に、大学の費用に使える制度を三点ご紹介していきます。
正式名称「高等教育の修学支援新制度」である大学無償化制度は、金銭的な理由で進学が困難な子どもの支援を目的としており、奨学金との併用も可能です。この制度は、おもに私立大学や、東京大学といった有名大学に設置されており、大学のほか、高等専門学校、専門学校も対象になります。
入学金や授業料の免除にくわえて、月額およそ10,000~75,000円ほどの支給を得ることができ、返還義務も不要です。
家計の経済状況(世帯年収)の目安は、市町村税の所得割額と世帯の構成人数によって算出され、資産の合計額が基準額に当てはまることが条件となります。
学業の成績や意欲も判定されます。高校の評定平均値が3.5以上(5段階評価)であること、大学入試や在学中の成績が上位1/2以上であること、標準単位数以上に習得していることなどがチェックされます。一定した成績を取り続けておかないと認定が取り消される場合もあるため、ご注意ください。
また、手続きタイミングは、前年度の夏以降始まることが多いため、申請漏れがないように気を付けましょう。
そのほか、授業料免除の制度もありますので、親御さんもぜひチェックしてみてください。子どもに高等教育を受けさせることにより、就職の幅も広がっていく可能性が高いです。
給付型奨学金とは返済不要の奨学金であり、第一種奨学金は、利息なしの奨学金のことをさします。第二種奨学金などの有利子の奨学金でも、金利は低めなことがほとんどです。
そのほか、大学や地方自治体、企業が設けている奨学金もあります。
所得の上限額も設けられており、成績判定の目安は、高校の評定平均値が3.5以上(5段階評価)が必要です。また、学ぶ意欲と優れた成績が見込める学生であることが求められます。
家庭の状況や成績によって奨学金を利用することができるため、子どもが条件を満たす場合は、この制度を活用してみてください。
在学中の高校などを通して申請する場合もあるため、手続きの流れをチェックしておくと良いでしょう。
通常年間110万円を超える贈与は、贈与税が発生しますが、父母や祖父母から教育資金のために贈与される場合、1,500万円までは贈与税が非課税になるという特例があるのをご存知ですか。
この特例の利用は、教育資金に限定されます。ただし、30歳までに使いきれていないと余剰金に贈与税がかかるうえ、贈与者が死亡した場合も注意が必要です。
特例の対象は、2023年度の税制改正によって、2026年3月31日までに延長になったため、教育資金の贈与が期待できるかたは、祖父母に相談してみるのもおすすめです。
野球などのスポーツや絵画やピアノ指導費、留学の渡航費なども対象になるため、我が子に充実した教育環境を与えることができるでしょう。
大学受験のために貯蓄を切り崩してしまい、大学進学の費用が不足する結果になるのは避けたいもの。これまでの説明で、大学の費用には、10万円~100万円単位のまとまった資金が必要であることを、おわかりいただけたかと思います。
それでは次に、大学進学の費用を準備するポイントを解説していきます。
費用は大学によっても異なりますが、希望の大学に進学する場合、どのタイミングでいくら必要なのかをしっかり把握しておき、それに向けて資金を準備すると良いでしょう。
たとえば、自宅から通うのか、一人暮らしをするのか、クラブやサークル活動に参加するのか、大学生になったらアルバイトをするのかなど、大学に進学した後の生活をしっかりイメージすることにより、そこから必要になる費用や不足分を算出してみてください。
学資保険に加入している場合は、満期をいつに設定しているか、受け取る金額はいくらかなど、改めて契約書や保険会社の担当者へ確認をすると良いでしょう。
大学の初年度納付金は、入学前に必要になります。そのために、学資保険を初年度納付金に充てる予定の場合は、受け取りのタイミングをしっかり確認しておくことをおすすめします。
まとまった額を貯金するより、毎月コツコツ貯金するほうが貯めやすいと言われています。
たとえば、児童手当を大学進学用の口座に貯めておくのはいかがでしょうか。生まれてから中学卒業までの間に受け取る手当の総額は、200万円程度になると言われています。
専用の口座に貯金することでいくら貯まったか把握しやすく、貯金のモチベーションも上がってきやすいと言えます。
国の教育ローン | 銀行の教育ローン | |
借入限度額 | 子ども1人あたり350万円(要件を満たせば450万円) | 金融機関ごとに異なる |
金利 | 固定金利1.95%(要件を満たせば1.55%) | 変動または固定金利国の教育ローンより高め |
受け取り方法 | 1年間に必要な額を一括で借り入れ | 一括または必要な都度借り入れ |
返済期間 | 最長18年 | 銀行ごとに異なる |
正式名称「教育一般貸付」である国の教育ローンは、「教育費の経済負担的負担の軽減」を目的としており、奨学金との併用も可能です。さまざまな大学に幅広く対応しており、大学費用に限らず、合格前の受験料や交通費、宿泊費などにも利用できます。
借入限度額は世帯年収において350~450万円までの借り入れが可能であり、低金利で固定金利が設定されています。返済期間は、最長18年と長期での返済も可能です。
銀行の教育ローンは、大きく分けて「証書貸付型(一括借入)」と「カードローン型」の2つに分類されます。
借り入れ条件は、「年収200万円以上」「安定した収入がある」「継続年数が長い」などを満たす必要があります。借入額の目安は、500〜1,000万円程度ですが、金融機関によっては医歯系学部のかた向けの3,000万円が借り入れられる商品もあります。
必要な時に都度借り入れできるなど利便性が高い商品もありますが、資金計画をしっかり行うと良いでしょう。
大学に合格したあとも、有意義な大学生活や大学院生活を送るためには、まとまったお金が長期間必要です。万が一費用が不足してしまう場合、銀行の教育ローンを活用すれば、余裕を持った生活を送ることができるでしょう。
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国公立か私立か、大学院に進学するかどうかでも違いはありますが、大学進学の費用については、少しでも早いうちから資金準備や資金計画を立てることをおすすめします。
それと同時に、資金的に進学できる大学の候補を親子で絞っていくことも大切に。
クラウドローンを有効活用すれば、大学費用の資金面にもゆとりがうまれます。複数の子どもがいる場合は、ほかの子どもへ資金を回すことができることでしょう。
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大学進学にかかる費用は、進学する学校や学部によって異なりますが、大学無償化制度や給付型奨学金、教育ローンなどの制度を活用することで、負担を軽減できます。大学の費用には入学金や授業料、施設設備費などが含まれ、資金計画を立てる際にはこれらの要素を把握することが重要です。また、毎月の貯金や学資保険の活用なども考えましょう。教育ローンは国の教育ローンと銀行の教育ローンがあり、それぞれ特徴や利点が異なります。資金計画を立てる際には、自身や家族の状況に合わせて最適な制度を選択し、安心して大学進学を準備しましょう。