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2024年度から給付型奨学金の適用範囲拡大!出世払い型奨学金も新設│それぞれのメリットデメリットは?

2024年度より給付型奨学金の支援対象の拡大と出世払い型奨学金制度が新設されます。奨学金を調べていてもよくわからない、様々な制度があってどれを選んだら良いかを迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。この記事では給付型奨学金と出世型奨学金制度の紹介、教育ローンを借りるメリット、デメリットを紹介していきます

2024年度から適用範囲拡大 給付型奨学金制度の紹介

給付型奨学金制度は大学への進学を希望したくても、家計の経済的事情を理由に進学を諦めてしまう学生を一人でも減らすための制度です。給付型奨学金制度と呼ばれるものでは、企業などが支援するものを思い浮かべるのではないでしょうか。

2020年からJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)が返済不要の給付型奨学金制度をスタートしました。大学や短期大学、専門学校に進学する学生に対して、返済がいらない奨学金と授業料減免を組み合わせて支援する新制度です。さらに、2024年からは給付対象が拡大される予定です。現行制度で約60万人だった給付対象が約80万人へと大幅に拡大されます。これまで経済的事情を理由に進学を諦めていた学生に対しても進学のチャンスが大幅に広がります。

新制度の年収要件と支給額

現行制度では両親と子ども2人の年収約380万円以下の家庭が対象など支援の幅が限られていましたが、2024年度から年収要件が大幅に拡大されます。扶養する子どもが3人以上と、私立の理工農業系分野に進む学生がいる世帯は年収が600万円まで拡大されます。ただし、全額支給されるわけではないため、注意が必要です。年間の支給額は最大で160万円で、一例として両親と扶養する子どもが3人いる年収380万円~600万円の世帯の場合は年間40万円程度になる見通しです。

この他の給付対象の条件として、高等学校での成績の評定平均が5段階中の3,5以上や「進学しようとする大学などにおける学習意欲を有すること」などがあります。なお、学習意欲は学校との面談や、レポートにて判断されるため評定平均を満たしていない場合であっても給付対象となる場合があります

子どもが給付対象のための条件を満たしているか、どのぐらいの金額を支給されるのか気になる場合はJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)のホームページでご確認ください。

給付型奨学金を利用するメリット・デメリット
メリットデメリット
返済が不要支給される額は全額ではない
学業や課外活動に専念できる世帯年収や高校時代の成績など一定の条件がある

2024年度秋新設 出世払い型奨学金の紹介

  • 我が子が大学を卒業してからきちんと奨学金を返済できるだろうか?
  • 我が子が就職難に直面したり、病気になった時にきちんと返済できるだろうか?

子どもの進学時に奨学金の利用を考える保護者はこんな不安を感じるのではないでしょうか。そんな不安を抱えた人たちのために一定の収入を得られるまでは返済が猶予される出世払い型奨学金制度が導入されます

一定の収入が得られるまでの期間返済が猶予されるのが、2024年度秋入学から新設される出世払い型奨学金制度です。現行制度では大学卒業後すぐに奨学金を返済していく制度が返済型奨学金となっていました。同年度から新設される同制度ではJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)が授業料相当額を学生から立て替えて、大学に対して返済を行います。当面は大学院修士課程の学生と、実務家養成のための専門職大学院の学生のみが対象で、4年制大学へ進学する学生は支援の対象外です。同制度を利用した学生は卒業後年収300万円を超えるまでは毎月2000円を返済し、年収300万円を超えた時点から、所得に応じた金額を返済する必要があります

本制度はオーストラリアの制度に則ったもので、岸田文雄首相の「新しい資本主義」の構想の一環として行われます。現行制度では、大学卒業後の収入の額に関わらず返済の義務が基本的に生じます。そのため、就職難で十分な収入が得られない場合や、経済的事情の理由の如何に関わらず返済を求められます。毎月の返済のために生活に困窮したり、保護者や親族、知人から借りて返済するケースもあります。毎月の返済ができないことを理由に自己破産をしてしまった事例もあります。自己破産をしてしまうと、以下のようなリスクがあります。

  • 自動車ローンや住宅ローンを組むことができなくなる
  • クレジットカードを作ることができなくなる
  • 家や自動車が没収の対象となる
  • 弁護士、税理士、公認会計士などの職業に就くことができなくなる

現行制度でもJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)では、無利子の第一種奨学金を用意しています。しかし、全ての学生が適用されるものではありません。また、将来の収入額に関わらず大学卒業後の返済が必要です。そのため、上記のように返済することができず破産してしまう可能性が大いに存在する制度です。

出世払い型奨学金を利用するメリット・デメリット
メリットデメリット
就職難などの経済的事情に応じて返済が猶予される利用できるのは大学院修士課程など限定されている
返済に左右されない進路選択が可能一定年収に到達せずとも毎月2,000円の返済が必要

出世払い型奨学金が役に立つとき

  • 卒業後、就職が上手くいかず十分な収入が得られないとき
  • 親や家族の介護で仕事を休・退職する必要があるとき
  • 子育てなどで仕事を一時的にストップさせるとき
  • 職を失い、返済のための経済的余裕が十分でないとき
  • コロナ禍などのように急な収入減が想定されるとき

教育ローンについて

ここまで給付型奨学金制度、出世払い型奨学金制度を紹介いたしました。奨学金制度のほかに、まとまった金額が必要になった際に使用できる教育ローン制度をご存知でしょうか。

教育ローンと奨学金の何が違うのか、どんな人に向いているのかを紹介していきます。

教育ローンと奨学金制度の違い

教育ローンは大学の入学金などまとまった金額のお金が必要になった際に使われる制度です。奨学金制度では毎月一定の金額を借りるのに対し、教育ローンでは必要な金額が一括で納入されるため入学金などまとまった金額が必要な時に使われます。奨学金はJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)や地方自治体、大学、企業が取り扱っているのに対し、教育ローンは日本政策金融公庫や、銀行、信販会社が取り扱っています

取り扱い会社借りられる金額
奨学金日本学生支援機構や大学、企業など毎月一定の金額
教育ローン日本政策金融公庫や銀行、信販会社など必要に応じたまとまった金額

どんな目的で使われる?

奨学金制度は毎月1回一定の金額が銀行口座に振り込まれます。学費の支払いのほかに、教科書の購入、食費、交通費、生活費に使用することが一般的です。毎月一定の金額の振込で、大学入学後からの振込になります。そのため大学の入学金や前期授業料の支払いに奨学金制度を使うことはできません。また、奨学金を申し込むことができる期限は決められているため、家計の急変など緊急でお金が必要になったときにも奨学金制度は使うことはできません。一方、教育ローンはまとまった金額のお金が一括で必要なときに使うことができます

教育ローンの主な使用用途

  • 大学の入学金・学費の支払い
  • 入学前の準備にかかる費用の支払い(敷金返金、引っ越し費用、家具、パソコンなど)
  • 家計の急変時の支払い
  • 部活動やサークルの遠征・道具代など

国の教育ローンは世帯収入の制限以下であることなど利用条件を満たす必要がありますが、金利が低いことが特徴です。民間の教育ローンは審査のスピードが早く、使い道に細かい制限がありません。入学シーズンには金利優遇キャンペーンを実施することもあります。

教育ローンの借入可能額

奨学金制度を使って借り入れることができる毎月の最大借入金額は、JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)の場合、私立大学の自宅外通学の第一種奨学金(無利子)利用学生の場合64,000円です。第二種奨学金(有利子)の場合でも120,000円となります。

教育ローンを利用する場合の最大借入額は、日本政策金融公庫の場合で350万円(条件次第で450万円借りられる場合もあり)、民間金融機関は金融機関によって大きく異なりますが、500~1000万円借りることができます。返済期間は奨学金の場合は大学卒業後であるのに対し、教育ローンは翌月から返済する必要があります。(在学中は利子のみも可)さらに奨学金は保護者の収入や学力など一定の条件を満たすことで借りることが可能です。一方で、教育ローンは保護者の収入の制限などはありませんが、審査に通らなければなりません。そのため保護者の収入が不安定な場合や、他のローンの返済がある場合は借りることができない場合があります。この他にも奨学金を返済するのは学生本人である一方、教育ローンは保護者が返済するなど両者では大きく異なるので保護者と学生の間でよく話し合い、計画的に申し込む必要があります。

教育ローンは上記のように様々な目的に応じて使うことが可能です。そのため、教育資金をすぐに用意できないが、子どもに負担をかけたくないと考える保護者が利用したり、入学資金など奨学金では準備できない費用が必要な時、家計の経済事情の急変など緊急時に借りられることがメリットです。

教育ローンを利用するメリット・デメリット
メリットデメリット
子どもに負担をかけることなく教育資金の調達ができる審査に通る必要がある
入学金など奨学金では用意できない資金の準備ができる他のローンを組んでいる場合や案ていした収入がない場合は借りられないことがある
申込時期の制限がないため緊急の場合であってもお金を用意できる奨学金よりも金利が高い
成績や保護者の所得制限で奨学金を借りられない人も利用できる借りた翌月から金利のみであっても返済する必要がある
新生活や部活動にかかる費用などさまざまな目的で利用できる

奨学金を受け取りながら教育ローンを組むことも可能です。入学前の入学金などの資金は教育ローンで準備し、入学後の費用は奨学金で支払うことも可能です。ただし、借りる金額を増やす場合、保護者や学生が返済する金額は増加するため返済をすることができないことのないようにする必要があります。奨学金や教育ローンを利用する前に保護者と学生間で事前によく話し合ってから利用するようにしましょう

教育ローンの申し込み時期

教育ローンを借りるためには事前の書類準備が必要です。入学シーズン(10~3月)は申し込みが増えるため余裕を持った準備をする必要があります。

国の教育ローンは資金が必要な時期の2~3か月前、金融機関は2~3週間前が申し込みの目安です。受験の結果などで教育ローンを使わないことにした場合は辞退することができます。資金が用意できずに慌てることのないように、余裕を持って準備をするようにしましょう。

低金利の教育ローンを申し込むならクラウドローン

低金利な教育ローンを探すなら「クラウドローン」が便利です。銀行系ローンの複数のプランを比較しながら選べます。

クラウドローンはお金を借りたい人と融資したい金融機関をつなぐ日本初の金融プラットフォームです。希望の借り入れ条件を登録するだけで、融資可能な金融機関を見つけ出し、金融機関から直接プランの提案をしてくれます。 教育ローンのほかにカードローンやフリーローンなど、さまざまなローンを探すことができます。

教育ローンを賢く活用して後悔のない選択を

教育資金が足りない場合は、教育ローンを使い資金の確保をしましょう。

返済の負担が大きくならないよう、できるだけ早い段階から計画的に教育資金を準備して、ローンの割合を少しでも減らせるようにしましょう。教育ローンを利用する場合も事前に保護者と学生の間でよく話し合い、必要な金額のみ借りるようにしましょう。


POINT

「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決

クラウドローン(https://pre.crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
融資の目的や時期、金額などをクラウドローンに登録すると、各銀行が融資可能な金額や金利のプランの直接提案してくれます。時間と労力をかけずに複数の銀行からより条件のよい融資を見つけることができます。

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