決済代行会社の全東信は、2026年7月6日に大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受け、サービスを停止しました。加盟店で売上金の未入金が生じている場合は、債権の確認と、営業を続けるための資金繰り対応を並行して進める必要があります。
この記事では、2026年9月9日時点で確認できる公表情報をもとに、飲食店が確認したい5つの対応を整理します。自店の債権額・届出方法・回収見込みは、破産管財人や裁判所からの個別の案内を優先してください。
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全東信はクレジットカード売上の早期決済代行を手がけていました。破産手続開始とサービス停止は、イオンフィナンシャルサービスの加盟店向け案内でも公表されています。従来の端末を使えるか、未入金分を誰に確認すべきかは、契約先からの案内に沿って確認しましょう。
帝国データバンクの7月6日公表情報では、負債総額は2025年3月末時点で約1,259億2,900万円です。この数字は会社全体の負債であり、加盟店への未入金総額や今後の配当額を表すものではありません。出典:帝国データバンク「株式会社全東信」
入金が止まると、利益が出ている店舗でも仕入れや家賃の支払いが難しくなることがあります。回収を待つだけでなく、「いつ、いくら不足するか」を把握することから着手してください。

契約書、決済明細、売上データ、通帳や入出金履歴、契約先からの通知を保存します。日付ごとの決済額から手数料・取消・返金・入金済み額を確認し、未入金の根拠を残しましょう。金額に差がある場合は、推測で確定せず、問い合わせ事項として分けて記録します。
| 整理する項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 決済の記録 | 決済日・金額・明細番号・取消や返金の有無 |
| 入金の記録 | 契約上の入金予定日・実際の入金日と金額 |
| 未入金の根拠 | 差額と計算方法、契約書や通知との対応 |
| 今後の資金繰り | 仕入れ・家賃・給与・税金・借入返済の期限と金額 |
今後1~3カ月程度の入出金予定表を作り、手元資金で支払える期限と不足額を明らかにします。相談時にこの資料を示せると、必要額や希望時期を説明しやすくなります。
代替サービスは、自店の業種が加盟対象か、利用できるブランド、導入までの期間、決済・振込手数料、入金周期を確認して選びます。申し込めばすぐ利用できるとは限りません。導入までの支払方法は店頭や予約時に案内し、利用客との行き違いを防ぎましょう。
複数の決済手段を用意する場合も、ブランド名だけで分散できたと判断せず、実際の契約先や入金経路を確認します。管理の手間と費用を含めて、停止時に使える代替手段を決めておくことが大切です。
経済産業省は7月10日、全国の日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工中金、信用保証協会への特別相談窓口設置を公表しました。公庫等のセーフティネット貸付は、今後の影響が懸念される事業者にも対象を広げています。出典:経済産業省・中小企業庁の支援策
新規借入だけでなく、既存借入の返済条件変更も相談対象です。金融庁も金融機関にきめ細かな支援を要請しています。資金不足が生じる前に、影響の資料、必要額、返済の見通しを伝えましょう。支援策があることと、希望額の融資が決まることは別で、個別の審査があります。出典:金融庁の金融上の対応要請
全東信は7月31日にセーフティネット保証1号の対象事業者に指定されました。指定期間は2026年7月6日~2027年7月5日です。売掛金等の要件、認定申請先、必要書類は、所在地の市区町村と信用保証協会で確認してください。出典:新潟県信用保証協会の指定告示案内
一般保証とは別枠で融資額の100%を信用保証協会が保証する仕組みですが、事業者の返済が不要になる制度ではありません。市区町村の認定後にも金融機関・保証協会の審査があり、認定書の有効期間や申込期限にも注意が必要です。
破産管財人や裁判所から届いた通知で、債権届出の要否、提出先、期限、記載方法を確認します。通知が届かない、明細と金額が一致しない、期限が不明といった場合は、管財人室に確認してください。相談や届出に使った書類と送付記録も保存します。
届出をしただけで全額の入金が約束されるわけではありません。配当の有無・時期・金額を未確定のまま入金予定に組み込まず、個別の案内に基づいて資金繰り表を更新しましょう。権利関係や対応に争いがある場合は、弁護士への相談も検討してください。

決済を受け付ける仕組みと、支払いまでの資金を用意する方法は別の問題です。新しい融資を受けても決済端末は復旧せず、代替決済を導入しても過去の未入金分が戻るとは限りません。それぞれに対策が必要です。
売掛債権を売却して資金化するファクタリングは、契約内容と手数料を確認して利用するものです。決済代行サービスすべてを同じ契約とみなしたり、一般的な手数料率をそのまま全東信の負担として扱ったりすることはできません。
早期資金化で受け取れる手取り額、差し引かれる費用、本来入るはずだった将来の売上を確認しましょう。利用を繰り返す場合は、翌月以降の入金が減っても支払いを続けられるかを点検します。また、一つの事業者の停止で決済と資金繰りの両方が止まらないかを確認します。
金融庁は、高額な手数料が資金繰りを悪化させるおそれや、ファクタリングを装う違法な貸付けに注意を呼びかけています。契約名だけで判断せず、実際の支払義務を確認してください。出典:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」

| 確認点 | 売掛債権の資金化 | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 費用 | 手数料・諸費用を引いた手取り額を確認 | 利息・保証料・手数料を含めた返済総額を確認 |
| 確認される情報 | 対象債権の内容や取引先など | 事業の収支・既存借入・返済能力など |
| 使い道 | 売却できる債権の有無を確認 | 運転資金・設備資金など商品ごとの対象を確認 |
| 所要時間 | 必要書類・契約・入金日を確認 | 審査・契約・融資実行の日程を確認 |
| 継続利用 | 将来の売上入金への影響を確認 | 一括借入か、限度額内で借りる方式かを確認 |
| 資金計画 | 売却後の入出金予定を作成 | 毎月の返済を含む収支予定を作成 |
いずれも「即日」「低コスト」といった表示だけで選ばず、自店が使える条件を確かめましょう。未入金の債権を第三者に売却できるかは、権利関係や買い手の判断によります。破産した取引先への債権を通常の売掛金と同じ条件で資金化できると考えないことが大切です。

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事前審査は融資の確約ではありません。借入可能額、金利、必要書類、利用できる業種、融資までの日数は提案先に確認しましょう。支払期限が迫っている場合は、提案を待つだけでなく、公的相談窓口や取引金融機関への相談も並行して進めてください。
最優先は、自店の未入金額と直近の支払予定を把握することです。そのうえで代替決済を整え、必要な融資や返済条件変更、保証制度、債権届出を確認します。回収の見込みと新たな借入を分けて管理し、借りた後も返済を続けられる資金計画を作りましょう。
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