教育ローンには、日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)と銀行や信用金庫などの民間金融機関による融資があります。今回は、国と銀行の教育ローンについて、金利、受け取り方、融資限度額などの面から特徴を解説するとともに、選び方のポイントを紹介します。
また、教育ローンと奨学金の違いについても比較。教育資金の不足を理由に子どもに進学を諦めさせたくない方必見です!
この記事を監修する専門家
有限会社ライフドアーズ ファイナンシャルプランナー
谷間 志帆(タニマ シホ)
AFP(日本FP協会) 2級FP技能士(国家資格) 証券外務員資格1種(株式、債券、投資信託販売資格) DCマイスター(DCマイスター協会) 住宅ローンアドバイザー 相続知財鑑定士(相続知財鑑定士協会)
北海道出身。前職は国内生命保険会社勤務。
札幌を中心に各地で生命保険の基礎知識やマネープランの基礎知識をベースとしたマネーセミナーの講師を務める他、資産運用・保険相談などのコンサルティングを行なっている。
『理想のライフプランを実現するために、知っておくべきお金の知識をわかりやすくお伝えします。お気軽にご相談ください!』
教育ローンとは?
「教育資金の不足が原因で、子どもに進学を諦めさせたくない」。そんなときに頼りになるのが教育ローンです。まずは、教育ローンがどのようなものか簡単に見ていきましょう。
教育ローンは学費や教育費などに利用できる
教育ローンの対象用途は金融機関により異なりますが、一般的に
入学金や授業料などの学校納付金のほか、受験費用や教材費などに利用されます。また、子どもが親元を離れて生活する場合は、
アパートの敷金や家賃なども対象となります。
特に
大学初年度の納付金は国公立で80~100万円、私立では110~160万円と高額なため、教育ローンがよく使われます。
銀行が提供する教育ローンと国が提供する教育ローンがある
|
国の教育ローン |
民間金融機関の教育ローン |
融資限度額 |
子ども1人あたり350万円(一定の要件※1に該当する場合、上限450万円まで) |
金融機関ごとに異なる |
金利(令和4年4月1日現在) |
固定金利1.65%(一定の要件※2を満たす人は年1.25%) |
変動または固定金利(国の教育ローンより高め) |
受け取り方法 |
1年間に必要な額を一括で借り入れ |
一括または必要な都度借り入れる |
※1: 自宅外通学、 修業年限5年以上の大学(昼間部)、 大学院、 海外留学(修業年限3ヵ月以上の外国教育施設に留学する場合)のいずれかの資金として利用される方
※2:交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内の方または子ども3人以上(注)の世帯かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内の方
教育ローンには、銀行や信用金庫などの民間金融機関が提供する教育ローンと、国(日本政策金融公庫)の提供する教育一般貸付(国の教育ローン)があります。
国の教育ローンは金利面でのメリットが大きい一方で、
銀行の教育ローンはサービス面でのメリットが多く、どちらを選ぶべきかは家庭の状況や進学先により異なります。最適な教育ローンを選ぶために、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
銀行の教育ローンの特徴
まずは、銀行や信用金庫などの民間金融機関が提供する教育ローンについて、特徴を解説します。
各銀行が独自に提供する教育ローン
銀行の教育ローンは、銀行ごとに独自のプランを作り提供しています。このため、金利や借入上限などの
融資条件はそれぞれの銀行により異なります。
国の教育ローンより金利は高いものが多い
金利は銀行ごとに異なりますが、
国の教育ローンに比べると金利は高い傾向にあります。また金利タイプは
変動金利が多いですが、
変動と固定から選べたり、固定のみの場合もあります。
なお、
変動金利は固定金利に比べて契約時の金利が低い傾向にあります。低金利が続けば変動金利のほうが返済総額が抑えられる一方、金利が上昇した場合は固定金利のほうが返済総額が少なくなる場合もあるため、
どちらが得かは金利の動向により異なります。
借入上限額は銀行によって幅がある
国の教育ローンの借入上限は子ども1人あたり最大で450万円ですが、
銀行の教育ローンは500~1,000万円程度で銀行ごとに差があります。
また、銀行によっては
借入上限を3,000万円程度まで引き上げ可能なプランを用意していることもあり、医学・歯学部進学など多額の教育資金が必要な場合にも対応できます。
借入は安定した収入があることが前提
銀行の教育ローンは住宅ローンやマイカーローンなどのほかのローンと同様に、
安定した収入があることを条件に融資がおこなわれます。このため銀行ごとに基準は異なりますが、おおむね年収200万円以下の場合は審査が通らないことが多いです。
また、
転職直後や自営業の場合は審査に落ちたり希望よりも低い額で融資が実行される可能性もあります。
国の教育ローンの特徴
国の教育ローンは、銀行の教育ローンとは異なる特徴があります。詳しく見ていきましょう。
日本政策金融公庫が融資する教育ローン
国の教育ローンを提供するのは日本政策金融公庫で、正式名称は教育一般貸付です。日本政策金融公庫は「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を目的とする公的金融機関のため、
教育一般貸付も教育費の経済的負担軽減や教育の機会均等を目的としています。
銀行の教育ローンより金利は低め
国の教育ローンの金利は令和4年4月1日現在1.65%で、銀行の教育ローンに比べると低めです。
金利固定で返済期間中に金利が変動しないため、安定的な返済が可能です。
また、ひとり親や世帯年収200万円以下など
一定の条件を満たす場合は、さらに-0.4%の優遇金利が適用されます。
世帯年収による申込制限がある
子どもの人数 |
世帯年収(所得)の上限額 |
1人 |
790万円(600万円)※ |
2人 |
890万円(690万円)※ |
3人 |
990万円(790万円) |
4人 |
1,090万円(890万円) |
5人 |
1,190万円(990万円) |
※子どもの人数が2人以内で一定の要件に当てはまる場合は990万円(790万円)まで緩和可能
国の教育ローンは教育の機会均等が目的のひとつのため、
世帯年収には申し込みの上限が設けられています。ひとり親家庭や子どもの人数などによる借入条件の優遇もありますが、上限を超える場合は融資を受けることはできません。
借入上限は銀行の教育ローンに比べて低め
国の教育ローンの借り入れ額の上限は350万円で、自宅外通学や留学、医学部進学などの一定の条件に当てはまる場合のみ450万円まで融資が受けられます。
銀行の教育ローンのなかには最大で3,000万円程度まで借りられるプランもあるため、国の教育ローンは銀行の教育ローンに比べると借入上限が低めといえます。
国の教育ローンと銀行の教育ローンどちらを選ぶ?
国の教育ローンと銀行の教育ローンではそれぞれ異なるメリットがあるため、どちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。そこで、選ぶ際のポイントを解説していきます。
世帯年収で選ぶ
国の教育ローンは世帯年収に制限があるため、上限額を超える場合は銀行の教育ローンしか利用できません。上限額は子どもの人数などにより変わるため、国の教育ローンの特徴の中の世帯年収の上限の表をご確認ください。
また、
銀行の教育ローンは借り入れ可能な最低年収が銀行ごとに決められています。おおむね200万円程度を基準としていることが多いため、これを下回る場合は国の教育ローンを選ぶと良いでしょう。
借入希望額で選ぶ
国の教育ローンの融資限度額は子ども1人あたり350万円(条件を満たした場合450万円)で、銀行の教育ローンに比べると低めです。このため、
この額より多くの金額を必要とする場合は、銀行の教育ローンを選びましょう。
金利の低さで選ぶ
家計への負担を抑えるため、複数の教育ローンを比較して低金利のプランを選びましょう。
一般的には国の教育ローンの方が金利は低いですが、銀行の教育ローンも優遇金利が適用されると低金利で借りられる場合もあります。
また、銀行によっては金利タイプが選べる場合もあります。
変動金利・固定金利のどちらが支払総額が少なくなるかは景気などに左右されるため、金利の動向を見極めたうえで選択しましょう。
教育ローンと奨学金の違い
教育資金の調達方法には、教育ローンのほかに奨学金があります。教育ローンの利用を検討する際は、奨学金との違いも把握しておきましょう。
教育ローンと奨学金の違い1:債務者が保護者か学生本人か
教育ローンと奨学金の最も大きな違いは、誰が借りて誰が返済するかです。
教育ローンは保護者が借りるため、債務者は保護者です。一方、奨学金は学生本人が借りるため、学生本人に返済義務が生じます。
教育ローンと奨学金の違い2:まとめて借りるか毎月借りるか
教育ローンは一括で融資を受けるのが一般的なのに対し、奨学金は毎月決まった金額が振り込まれます。また、教育ローンは入学前にまとまった資金を確保できますが、奨学金は入学後に申し込み、1~2ヵ月後に振り込みが開始されます。
なお、銀行の教育ローンにはカードローンのように必要なときにその都度借りられるプランもあります。
教育ローンと奨学金の違い3:返済開始が在学中か卒業後か
教育ローンは基本的に借り入れの翌月から返済を開始するのに対し、奨学金は卒業後に返済を開始します。
銀行によっては在学中は利息分のみ支払う「元金据置き」が選べる場合もありますが、その分返済総額は大きくなります。
教育ローンと奨学金は併用できる?
教育ローンと奨学金は併用できるため、どちらか選ぶ必要はありません。特に、
奨学金は入学後に手続きをおこなうことから入学金に充てられないので、入学金と1年前期授業料は教育ローン、それ以外は奨学金など賢く使い分けることも大切です。ただし、留年をすると基本的に奨学金は停止されるので、そこで授業料などに教育ローンを利用することもできます。
教育ローン選びで迷ったらクラウドローン
借入額が大きかったり返済期間が長い場合は、少しの金利の違いで返済総額に大きな差が生じます。
複数の銀行の教育ローンを比較して、より低金利のプランを選びましょう。
「いくつもの銀行を回る時間がない」という方におすすめなのが、
クラウドローンです。
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申し込みから融資までスピーディーなので、急いで教育資金を用意したい方にもおすすめです。
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3分でできる無料診断から始めてみませんか?
教育ローンを上手に活用して子どもの夢を応援しよう!
経済的な問題で子どもに進学を諦めさせたくないときや、留学や医学部進学の夢を後押ししたいとき、教育ローンの利用を検討してみましょう。
ただし、子どものためとはいえ無理な借り入れは禁物。
低金利の教育ローンを選ぶとともに申し込み前にしっかり返済計画を立て、余裕を持って返済できる額を利用しましょう。
「どの銀行が融資をしてくれるか分からない」をクラウドローンが解決
クラウドローン(https://pre.crowdloan.jp/)は、個人が銀行から低金利でマイカーローン、教育ローンなどの融資を受けられる国内唯一のプラットフォームです。
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教育費の高騰に直面している家庭にとって、教育ローンは進学の夢を支える重要な手段です。この記事では、国の教育一般貸付と銀行や信用金庫の教育ローンを比較し、それぞれの金利や融資限度額、利用方法の違いを詳細に説明しています。さらに、教育ローンと奨学金の違いも明確に解説しており、適切な教育資金の選択に役立つ情報が満載です。子どもの未来に投資するための知識を深めたい方は必見の内容です。