2024年05月30日
住宅ローン控除の対象になるのはマイホームの購入だけではありません。要件を満たせば、リフォームでも控除を受けられます。この記事では、リフォームで住宅ローン控除を受けるための要件や方法、必要書類を詳しく解説します。また、リフォームで使える住宅ローン控除以外の減税制度や、リフォームローン探しにおすすめの方法も併せてご紹介。お得にリフォームしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
「住宅ローン控除」というと住宅の購入を対象にした減税制度のように思われがちですが、実はマイホームをリフォームしたときにも使えます。まずは住宅ローン控除がどのような制度なのか見ていきましょう。
住宅ローン控除は、住宅ローンの家計負担を減らすために設けられた制度です。2022年1月1日から2025年12月31日までの間に自分が住むためにローンを組んだ場合は、年末のローン残高0.7%に当たる額(最大2,000万円まで)を10年間所得税額から控除(住宅借入金等特別控除)できます。
所得税で控除しきれない金額は、前年の課税所得金額等の5%(最高97,500円)を上限に、翌年の住民税から差し引かれます。控除額の合計は10年間で最大140万円と大きいため、住宅ローン控除の対象となるリフォームをおこなったときは、忘れずに手続きしましょう。
住宅ローン控除を受けるには、リフォームの翌年に確定申告をおこないます。確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得とそれに対する所得税額を計算して、精算する手続きです。
通常、会社員は会社が年末調整してくれるため確定申告が不要な方が多いですが、住宅ローン控除を受けるには、会社員も確定申告が必要です。ただし、確定申告が必要なのは最初の年だけで、2年目以降は会社の年末調整で手続きしてもらえます。
住宅ローン控除の制度は、消費税の増税や金利の変動に合わせて見直しされます。直近では2024年に改正され、新築住宅を購入した場合の借入限度額の上限が縮小されました(リフォームは変更なし)。
借入限度額や控除率、控除期間、要件などはその時々に合わせて変更されるため、リフォーム前に国税局や国土交通省のホームページなどで最新の情報を確認しましょう。
なお、国税庁のホームページでは確定申告の書類も作成が可能です。
国税庁|住宅ローン控除を受ける方へ
ローンを利用してリフォームすれば、必ず住宅ローン控除の対象となるわけではありません。対象となる工事内容と適用を受けるための要件をそれぞれ紹介します。
住宅ローン控除の対象となるのは、次のいずれかにあてはまるリフォーム工事です。
塀やカーポートなど外構のみのリフォームは、住宅ローン控除の対象外です。ただし、家屋のリフォームと合わせて同一のリフォーム会社が施工する場合は、外構工事費用が全体の10%以内であれば控除の対象になります。
対象となるリフォーム工事をおこなうことだけでなく、住宅ローン控除を受けるためには次のすべての要件に該当する必要があります。
住宅ローン控除の対象となるのは、あくまで自分が住むための自己所有の物件に限ります。このため、同居の親が所有する物件や、別荘、賃貸住宅などには利用できません。
住宅ローン控除は自動的には適用されないため、自ら手続きする必要があります。手続き方法と必要書類を確認しておきましょう。
住宅ローン控除の対象となるリフォーム工事をおこなったら、確定申告することで所得税の一部が還付されます。確定申告とは、1年間の所得金額とそれに対する税額を計算して確定させる手続きで、入居の翌年の2月16日から3月15日が申告期間です。工事完了ではなく入居の翌年なので、年をまたいで入居する場合は注意しましょう。
手続き方法は、書類を作成して直接税務署に提出するほか、郵送やe-Taxでの申告も可能です。
リフォームで住宅ローン控除を受けるために必要な書類は次の表のとおりです。
入手先 | 書類名 |
---|---|
税務署または国税庁ホームページ | 確定申告書 |
税務署または国税庁ホームページ | 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 |
金融機関 | 借入金の年末残高等証明書 |
法務局 | 登記簿(全部事項証明書) |
リフォーム業者 | 増改築等工事証明書 |
その他 | ・所得の計算に必要な書類(源泉徴収票など) ・マイナンバーカードまたは通知カード ・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど) |
確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、税務署でもらった書類に記入するほか、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーでも作成できます。
借入金の年末残高等証明書は、金融機関から郵送で送られてきます。
登記簿は法務局で取得できますが、平日に休みが取れない方などは郵送やWEBでも請求可能です。
住宅ローン控除と合わせて贈与税や医療費控除などを申告する方は、上記以外の書類も必要になります。それぞれ必要な書類を揃えたうえで確定申告をおこないましょう。
リフォーム促進税制や固定資産税の減税など、リフォームで使える減税制度は住宅ローン控除以外にもあります。可能な限り活用してリフォーム費用を軽減しましょう。
リフォームにより性能を向上し、良質な住宅を次の世代につなげるため、リフォーム促進税制が実施されています。特定のリフォームをおこなったうえで確定申告すると、工事が完了した年の所得税から還付を受けられます。
2024年の税制改正では適用期限が2025年12月31日まで2年間延長されたほか、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」に限り子育て対応リフォームも対象になりました。
<リフォーム促進税制の対象工事と控除額>
対象工事 | 対象工事限度額 | 最大控除額(対象工事) | |
---|---|---|---|
耐震 | 250万円 | 25万円 | |
バリアフリー | 200万円 | 20万円 | |
省エネ | 250万円(350万円) | 25万円(35万円) | |
三世代同居 | 250万円 | 25万円 | |
長期優良住宅化 | 耐震+省エネ+耐久性 | 500万円(600万円) | 50万円(60万円) |
耐震or省エネ+耐久性 | 250万円(350万円) | 25万円(35万円) | |
子育て | 250万円 | 25万円 |
※カッコ内の金額は、太陽光発電設備を設置する場合
いずれもローンの有無を問わず利用でき、このうち耐震リフォームのみ住宅ローン控除との併用が可能です。それぞれ工事ごとに必須工事と限度額が決められており、必須工事は費用相当額の最大10%、同時におこなう工事と限度額を超えた必須工事は最大5%を所得税から控除できます。
対象となる人や工事内容等は各制度ごとに異なります。また、確定申告に必要な書類は工事の種類によって異なるので、リフォーム会社に確認して期日までに揃えておきましょう。
リフォームの種類 | 固定資産税の軽減 |
---|---|
耐震リフォーム | 1/2(1戸当たり120㎡相当分が限度) |
バリアフリーリフォーム | 1/3(1戸当たり100㎡相当分が限度) |
省エネリフォーム | 1/3(1戸当たり120㎡相当分が限度) |
長期優良住宅化リフォーム | 2/3(1戸当たり120㎡相当分が限度) |
特定のリフォームをおこなうと、翌年の固定資産税(家屋のみ)の減額を受けられます。
固定資産税の控除を受けるには、工事完了後3ヵ月以内に改修工事内容が確認できる書類などを添えて市区町村に「固定資産税減額申告書」を提出します。
通常、1年間に110万円以上の贈与を受けると、110万円を超えた金額に対して贈与税がかかります。しかし、リフォームのために親や祖父母などから援助を受ける場合は、特例により最大1,110万円まで非課税で受け取れます。
非課税措置を受けるための主な要件は次の通りです。
この制度は2023年末で終了予定でしたが、2024年の税制大綱により2026年末までの延長が決定しています。なお、非課税措置によって贈与税額が0円の場合でも、翌年の確定申告で贈与を受けたことを申告する必要があります。
急な水回りの故障や屋根の破損など、思いもしないタイミングでリフォームが必要となることもあります。修理に備えての貯蓄が大切ですが、費用が足りないときはリフォームローンに頼ってみてはいかがでしょうか。
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リフォームでも条件を満たせば住宅ローン控除の対象となります。リフォームの翌年に確定申告することで、所得税から10年間で最大140万円の控除を受けられます。住宅ローン控除以外にもリフォーム促進税制や固定資産税の軽減といった減税制度もあります。リフォームを予定している方はしっかり調べて、リフォーム費用を軽減しましょう。
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住宅ローン控除は、自己所有の住宅をリフォームする場合にも適用される制度です。この記事では、住宅ローン控除の対象となるリフォーム工事や適用条件、手続き方法について詳しく解説されています。リフォームを検討している方は、控除を受けるための要件や必要書類を把握し、確定申告を行うことが重要です。また、リフォームには住宅ローン控除以外の減税制度もありますので、活用すれば費用を軽減できます。詳細は記事でご確認ください。